日本一のヤクザ男
劇場公開日:1970年6月13日
解説
“日本一”シリーズの第八作、植木等の無責任ヤクザぶり。脚本は「喜劇 負けてたまるか!」の田波靖男、監督は「蝦夷館の決闘」の古沢憲吾。撮影は「続社長学ABC」の長谷川清が担当。
1970年製作/91分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1970年6月13日
ストーリー
頃は昭和初期。日本一郎は新興ヤクザ根本組への一宿一飯の恩義から土地の親分、前野組の組長に尋常の勝負を挑んだ。だが、そこは調子のイイ一郎のこと、前野を逃して、礼金だけせしめ、トンズラする手筈だった。ところが、殺らないはずの前野が死んだと聞いて、腑に落ちなかったが、たまたま召集令状が舞いこんだため兵隊よりは懲役の方がマシと自首することになった。それからX年。再びなつかしの地に戻った一郎だが、相変らず前野組と根本組のいがみ合いは続いていた。前野組では、前野の亡きあと、妻の登志子が組をしきっていたが、血気にはやる健次ら若い連中はいまにも殴りこまんとする勢い。一計を案じた一郎は根本を健次らの手から間一髪救い出すという芝居をうち、根本の客分におさまった。一郎は鉄道建設の施工主、村井が芸者鶴子にベタ惚れなのを利用し、建設利権を前野組にもたらそうと企てるが、世の中ままにならず、鶴子は一郎の男度胸に惚れこんでしまった。しかし、根本も鉄道建設に色気をみせて、虎視耽耽。一方、前野組では、前野の仇を討つため吾郎が旅から戻ってきた。登志子はきっぷのいい一郎に未練を感じながらも、渡世の義理から一郎に果し状をつきつけた。空には重い雨雲がたちこめる河原で一郎と吾郎は対決したが、稲光りとともに吾郎の匕首に落雷が……。吾郎の電気ショック事件で、登志子は二代目を襲名、鉄道建設の利権も前野組に落ちついた。しかし、おさまらない根本は続々といやがらせをくりだしてきた。ついに、堪忍袋の緒をきった前野組は、一郎と吾郎を先頭に根本組に殴り込み、さらに前野暗殺を極秘で調査していた刑事の才太郎も根本の代貸、横田めがけて御用!かくして事件は落着。一郎は追いすがる登志子と鶴子をあとに、旅立っていった。