泥だらけの純情(1963)
劇場公開日:1963年2月10日
解説
藤原審爾原作を馬場当が脚色。「危いことなら銭になる」の中平康が監督した純愛ドラマ。撮影は「花と竜(1962)」の山崎善弘。
1963年製作/90分/日本
配給:日活
劇場公開日:1963年2月10日
ストーリー
外交官の令嬢樺山真美とチンピラやくざの次郎が知り合ったのは新宿の盛り場だった。不良学生につけ廻されていた真美を、ヤクを届ける途中の次郎が逃がしてやった。ところが乱闘の最中、相手は自分の待ったナイフを誤まって刺し死んでいた。次郎も重傷を負って逃げ帰ったが、兄貴分の花井は自首をすすめた。一方、殺人事件を報じる新聞を見て驚いた真美は、刑事にことの真相を話し、知人の公安委員にも説明した。その尽力がものをいって自首した次郎は一日で釈放された。翌日から次郎は盛り場を肩で風切るようになった。数日後、真美が次郎の汚ないアパートを尋ねて来た。次郎はドギマギしながら口をきいたが嬉しさはかくせず、真美をボクシングに誘って精一杯のサービスをみせた。それからの毎土曜日、二人はデイトを重ねた。だが次郎は会う度に背広や靴を新調し、そのため悪事を重ねた。ある日、いくら待っても次郎は現われず、初めての悲しみを味わった真美は赤倉へスキーに出かけた。次郎は恐喝容疑で逮捕されていた。その次郎が簡単に釈放されたと聞いて組長は、警察が次郎を泳がせてヤクの取締りを狙っているのではないかと疑った。あの事件のとき次郎がヤクを落したことは当局に知れているはずだった。一方、真美の家族は父の赴任地へ発つことになったが、真美は次郎と別れて日本を去るにはたえられなかった。花井に諭されて次郎が自首を覚悟した夜、ボストンバッグを待った真美が訪れた。思わずみつめあう次郎と真美は、表に花井が来たことを知ると、手をとって二人の世界に逃げ出していった。