友を送る歌
劇場公開日:1966年6月2日
解説
「三等兵親分」の棚田吾郎と奥山国恵が共同で脚本を執筆。「哀愁の夜(1966)」の西河克己が監督した青春もの。撮影もコンビの高村倉太郎。
1966年製作/77分/日本
配給:日活
劇場公開日:1966年6月2日
ストーリー
船乗り志望の大津良夫は父の病気で、親友中川玄一より二年遅く北海道の開拓村から横浜港へやって来た。そして玄一の消息を尋ね歩いたが不明で途方にくれていた。そんな時彼は快活な少女みどりを知った。彼女は父の経営する食堂「みなと亭」に以前出入りしていた玄一を知っていたが、その彼も店に払う金を持ち逃げしたきり音沙汰がなかった。良夫はまたハシケの親切な逞しい船長田山と子供のマン坊とも親しくなった。翌日良夫はみどりと横浜の街を逍遥中遇然玄一に出会った。その夜玄一はバー「ハーバーライト」で飲みながら、外国航海談を得意げに語った。良夫は嬉しく聞いていたが、みどりにはすっかり変った玄一が何故か信じられなかった。玄一がやくざ風の男黒沼と奥に消えた時、酔った良夫は気を利かして彼のスーツケースを持ち帰った。だがその中味が密輸時計と知った良夫の驚きと悲しみは大きかった。二日後良夫は再婚した母に会いたいというみどりにつきあって筑波山へ行く時、玄一を誘った。展望台で良夫はあくまでしらをきってスーツケースを要求する玄一を殴りつけた。みどりはホテルの女主人におさまっている元気な母をみると急に父が恋しくなって帰ると言った。三人が表に出た一瞬、スーツケースの行方を知ろうと、追ってきた黒沼らはみどりを誘拐した。しかし彼女は突差の機転で逃げ出し、田山に助けを求めた。黒沼から手を切ることを約束し、密輸品を持って彼等の待つ「ハーバーライト」へ向かう玄一は、一緒の良夫の身を心配して彼に当て身を食わしひとりで乗り込んだ。かけつけた田山と友情に命をかけんとする良夫は絶体絶命の玄一を救った。翌日良夫は更生を誓う玄一と堅い握手を交すと、田山の尽力で決った貨物船の人となった。みどりは哀しさをこらえて見送っていた。