動乱

劇場公開日:2020年11月6日

解説・あらすじ

高倉健と吉永小百合が初共演を果たし、五・一五事件から二・二六事件までの激動の時代を背景に、寡黙な青年将校とその妻の愛と生きざまを2部構成で描いた大作映画。「日本沈没」「八甲田山」の森谷司郎が監督を務め、「華麗なる一族」の山田信夫が脚本を担当。昭和7年4月、仙台連隊。宮城啓介大尉が隊長を務める中隊の初年兵・溝口が脱走した。溝口の姉・薫が、生活苦のため千円で芸者に売られようとしていたからだ。溝口は捜索隊の上官を殺してしまい、銃殺刑に処せられる。宮城は父に用立ててもらった千円を香典として薫に手渡す。五・一五事件が発生し、陸軍内部の皇道派と統制派の対立が激化する中、宮城は部下から脱走兵を出した責任を問われ、朝鮮の国境守備隊へ異動を命じられる。そこで彼は、芸者になった薫と偶然にも再会する。2020年11月6日~、東京のT・ジョイPRINCE品川ほかにて4Kデジタルリマスター版をリバイバル公開。

1980年製作/150分/日本
配給:東映
劇場公開日:2020年11月6日

その他の公開日:1980年1月15日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第4回 日本アカデミー賞(1981年)

受賞

主演男優賞 高倉健

ノミネート

作品賞  
主演女優賞 吉永小百合
助演男優賞 田村高廣
助演男優賞 米倉斉加年
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(C)東映・シナノ企画

映画レビュー

5.0五・一五事件から二・二六事件の激動の時代を生きる、寡黙な青年将校・宮城啓介(演:高倉健氏)と、その妻・溝口薫(演:吉永小百合氏)の二人の情愛を描いた大作。

2025年7月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

約65年の歴史に幕を下ろす丸の内TOEIさん。
5月9日(金)から開催された80日間に渡る「さよなら 丸の内TOEI」上映イベントも遂に本日グランドフィナーレ。
同館最終上映は『日本沈没』(1973)、『八甲田山』(1977)森谷司郎監督、高倉健氏と吉永小百合氏の初共演が当時話題を集めた『動乱』(1980)。
そして上映前にはサプライズゲストとして吉永小百合氏が登壇‼
東映最後の直営館の有終の美を飾るに相応しい作品とゲスト登壇でしたね。

『動乱』(1980年/150分)
ストーリーは第1部「海峡を渡る愛」、第2部「雪降り止まず」の2部構成。
五・一五事件から二・二六事件の激動の時代を生きる、寡黙な青年将校・宮城啓介(演:高倉健氏)と、その妻・溝口薫(演:吉永小百合氏)の二人の情愛を描いた大作。

高倉健氏と吉永小百合氏の人気スター初共演が最大のセールスポイントで、戦争映画の血なまぐささはほとんどなく、二人の共演を余すことなくたっぷりと活写、当時も多くの女性客が劇場に足を運んだことでしょう。

ラストの宮城大尉を喪失し浜辺に佇む薫と小椋佳氏が歌う切ないバラードもグッときます。

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矢萩久登

3.0スターに遠慮

2025年7月27日
iPhoneアプリから投稿

高倉健と吉永小百合に遠慮してる感じがして食い足りない。なんだあのぬるいラブシーンは。

吉永小百合は横顔も綺麗だなあ。汚れ役がほんとに似合わない。女郎に身をやつした人に見えないんだよなあ。

吉永小百合の美しいカットをふんだんに入れるせいでテンポが乱れる。最後も浜辺に佇む小百合のイメージビデオで終わるし。

脱走兵の姉が美人だったから1000円も渡すのだろうか。小林稔侍の残された家族の方がよっぽど気の毒だろう。稔侍も部下だよ!脱走兵をとりわけ目にかけてたエピソードでもあればまだしも。稔侍の方が付き合いは長いのでは。

高倉健も青年将校役にしては歳とりすぎじゃないかなあ。高倉健に合わせるためか、全体的に年齢が高めで若者たちの決死さみたいのが出てない。

お父さんは志村喬!白いスーツ姿が眩しい。

桜田淳子がうまい!やっぱり桜田淳子は頭ひとつ抜けてるな。惜しいことをした。女優を続けてれば…。

編集のテンポが悪いし、音楽ブツっと切っちゃうのどうなの。

丹羽哲郎が出てこない!こういう映画は丹羽哲郎が出ないと。

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hyvaayota26

3.0フィクションとしては面白い

2025年6月19日
PCから投稿

二・ニ六事件を扱った映画はいくつかありますが、断トツでフィクション性が高いのがこの映画です。
恋愛要素が盛りだくさんでフィクションだと割り切って見れば面白いのですが、割り切って見るぐらいなら最初から完全にフィクションの昭和恋愛映画の方が良かったのでは?と思います。
なまじ実在のクーデーターを扱った映画なので真面目に見ようとしますが、フィクション要素を入れるとどこまでがフィクションでどこまでが実在なのか分かりにくくノイズになっています。
ただし、役者陣の演技は素晴らしく見どころの多い映画ではありますのでニ・ニ六事件の映画を見るなら最初にこの映画を見てから他の映画を見るのもおススメかも知れません。

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みる

2.0例え、皇道派が実権を握っていたとしても…

2025年4月4日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

この作品が五・一五~二・二六事件を
扱っていると知り興味を持ったが、
でも、高倉健と吉永小百合の恋愛要素が
この両事件の深みを逸するのだろうと
想像しつつ、一応観てみた。

さて、
第一部・第二部という構成については、
序章・本章とすべき印象だったが、
内容については概ね予想通りだった。
時代に翻弄された男女の物語を中心とした
スター俳優を使ったフィクション映画としての狙いは理解するが、
決起将校や真崎大将らの実名を踏襲しない
前提もあり、事件そのものへの臨場感を
得られなかったのは残念だった。

同じ事件を扱った映画は幾つかあるが、
三國連太郎演ずる北一輝が、死刑執行人の
“天皇万歳と叫ばないのか”との問いに対し、
“私は死ぬ前に
冗談は言わないようにしているのです”
と答える強烈なラストシーンの
吉田喜重監督作品「戒厳令」が
私にとっては思い出深い。

さて、この映画の最後では、
皇道派が敗れた結果、
統制派が実権を握り太平洋戦争に突入した
かのように字幕が表示されたが、
残念ながらこのクーデターが成功して
皇道派が実権を握っていたとしても
結果は同じだったと思わざるを得ない。
皇道派故に、より一層、
天皇を担いでの不敗の神国として
同じ戦争に突入し、
同じような敗戦を迎えていたことだろう。
司馬遼太郎が「坂の上の雲」で語っている
ように、どちらも内戦を抱えていた国との
日清戦争と日露戦争での偶然に過ぎなかった
勝利に過信して太平洋戦争に突入した
当時の軍部上層部の思慮の浅さに
変わりはなかったであろうから。

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