テイク・イット・イージー
劇場公開日:1986年4月12日
解説
何かを求めて北海道に旅に出た裕司が、二人の若者と出会い、やがて大きな転機を迎える様子を描く《民川裕司》シリーズ第三弾。脚本は「友よ、静かに瞑れ」の丸山昇一、監督は「ユー・ガッタ・チャンス」の大森一樹、撮影は「団鬼六 美教師地獄責め」の水野尾信正がそれぞれ担当。主題歌は、吉川晃司(「MODERN TIME」)。
1986年製作/108分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1986年4月12日
ストーリー
ジャパンツアーに大成功を納めた民川裕司は、早くもニューヨーク公演に向けて始動していた。だが、突然の公演中止という知らせを受ける。裕司は「北へ行ったら死んじゃうよ」との、小さな同居人・草野つみきの予言めいた言葉に、あえて逆うかのように北への旅に出た。サイドカーを駆って北海道を旅する彼は、ある町で仲根六郎という若者と出逢う。仲根は牧場で働きながら、世界タイトルをめざすボクサー。裕司は仲根に連れていかれたライブハウスで、天才ジャズピアニストと言われる氷室麻弓のステージにひきこまれた。そして、彼女に魅かれていく。だが、よそ者に対する麻弓やその仲間の反発は大きかった。ある日、裕司はこの町の指導者的存在の男、青井に呼ばれる。青井は「若者は自分の与えられた世界ですべてを尽せばいい」と説き、麻弓も他の若者たちも皆、洗脳されたかのように、行動の自由を奪われているのだ。裕司の情熱に麻弓の心も開き始め、「私の目標は、カーネギーホールでピアノを弾くこと」と彼に告げる。だが、裕司は「町を出て東京へ帰れ」との青井の命令をきかなかったため、痛めつけられたうえ、荒涼たる火山の頂上に置き去りにされてしまった。原生林をさまよい、滝をすべり落ち、ボロボロに傷つきながら、裕司は町へたどりついた。そして、麻弓と再会するが、またも青井の手によって引きさかれてしまう。意を決した裕司は、仲根の手引きで青井のアジトに忍び込み、麻弓を連れ戻した。三人は空港へ向かう途中、青井の仲間の追跡にあい、仲根の牧場の中へ逃げ込んだ。青井の一団と銃撃戦になろうとする時、警官、池谷が介入し、事件は解決した。裕司と麻弓は口づけを交わすが、麻弓は仲間のところへ戻って行く。東京に戻るためサイドカーを駆った裕司は、事故にあう。麻弓を狂的に慕う日野かえでが、麻弓が裕司と去っていくと思い、サイドカーのブレーキのボルトをゆるめたのだ。死んだ裕司の上をUFOが通りすぎる。そしてニューヨーク。「晃司、吉川」と名乗る裕司と瓜二つの若者の姿があった。