旅するパオジャンフー
劇場公開日:1995年10月28日
解説
歌や踊りなどの芸を見せながら、薬を売って国中を旅する台湾の伝統的職業・[足包]江湖(パオジャンフー)。日本で言うところの香具師(やし)にあたる彼らの日常をとらえたドキュメンタリー。葉天爽一家の姿を中心に、引退した老パオジャンフー・呉天羅の生活、蛇使いの曽先生の一座の様子などを交えた構成になっている。監督は「愛について、東京」の柳町光男で、94年の秋からおよそ2カ月、台湾に渡り30時間にも及ぶフィルムを回して本作を完成させた。95年度ヴェネチア国際映画祭正式出品“イメージの窓”招待、台湾金馬奨映画祭正式招待、ウィーン映画祭正式招待作品。日本・台湾合作。
1995年製作/95分/日本
配給:フランス映画社
劇場公開日:1995年10月28日
ストーリー
“新威殿”の座長・葉天爽の一家は、後妻の邱兎搬と前妻との息子の春鴻、その小さな弟と春鴻の恋人で複雑な生い立ちの黄春蓮の五人。彼らは歌や踊り、そして火吹きなどの芸を披露しながら、皮膚の疾患にならなんでも効くという薬を売り歩くパオジャンフーだ。しかし、口上師がいない葉一座は、それを黄宗斌さんに手伝ってもらっている。天爽としては春鴻に早く口上を身につけて独り立ちしてもらいたいのだが、楽観的な現代っ子の春鴻は兵役などが控えていてなかなか身が入らない。ある日、そんな葉一座に見切りをつけた黄さんが、彼らをおいて去って行ってしまう。これによって急激に売上を落とした葉一座は、一年をかけて北から南まで台湾中を回ることにする。そんな中、春鴻もようやく自分の立場を自覚し、口上の練習に励み出す。そして、高雄でのデビュー。ぎこちない口上ながら、それを春蓮の歌と踊りがサポートする。この成功により自信をつけた春鴻は、パオジャンフーの口上師としてこれからもやっていくことを決意する。そんな春鴻を見て、春蓮も自分たちの将来を夢見るのだった。