劇場公開日 1952年12月10日

「山本薩夫の社会派作品」真空地帯 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0山本薩夫の社会派作品

2025年2月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

 二等兵の中にも階級があった。初年兵から四年兵まで・・・学校と同じだ。軍隊の中での生活ぶりがよく伝わり、上官の命令=天皇の命令という戦時中の考えがよくわかる。

 そして、「上官の金入を盗んだ」という理由で投獄された木谷の復讐心とはな恵への愛情。悲しい青春時代を奪った中尉たちには陰謀が隠されていた。結局は野戦行きに従うといった服従の精神が物悲しさを一層もりたてる。軍隊という世界に入るとそこには人間性をも奪い取ってしまう空気“真空地帯”が出来るということを訴えた作品だ。

【2004年ケーブルテレビにて】

kossy