次郎長遊侠伝 天城鴉

劇場公開日:

解説

「次郎長外伝 秋葉の火祭り」につづく次郎長遊侠伝第二話で、「息子の縁談」の八木保太郎の脚本を、「次郎長外伝 秋葉の火祭り」と同じくマキノ雅弘が監督、横山実が撮影する。出演者も河津清三郎、森繁久彌、本郷秀雄、北原三枝、利根はる恵など「次郎長外伝 秋葉の火祭り」と同じ顔ぶれを揃えた上、「森蘭丸」の坂東好太郎、「めくら狼(1955)」の水島道太郎などが参加する。

1955年製作/96分/日本
原題または英題:The Gambler
配給:日活
劇場公開日:1955年5月3日

ストーリー

秋葉を逃れた次郎長は、大五郎、仙右衛門、石松と共に伊豆の南端石廊崎についた。折しも大島に流されていた甲州の吃安が囚徒五名をつれて島を破り、当地に上陸したらしい。石松は吃安と同じ吃音なので、安五郎と間違えられぬよう外出を禁止され、やむなく居酒屋で酒を飲んでいると、秋葉で死んだおみよにそっくりの娘おせんがいるのに驚いた。吃安らは村の娘数名を拐して山へ逃げたというので、村人たちは山狩りをする事になり、次郎長一行もやくざの仁義にはずれた吃安らを怒り、彼らを求めて旅立つ。おせんは何か吃安を助けたい訳がありそうに見えたが、山狩りの一隊が誘拐された娘達を発見すると、彼女たちは何事もなく楽しそうに温泉に浸っていた。吃安は娘たちを拐すと見せかけ、その際に逃げたのである。湯が島についた次郎長一行は、秋葉で別れた旅役者お時に出会う。その宿には吃安が身内の政五郎と二人、商人に身を変えていた。次郎長は吃安にとっては弟分黒駒の勝蔵の仇だが、島破りとして追われている道中ゆえ、次郎長に仁義を通した。そこへ現われたおせんも、指をつめて吃安の助命を頼んだ。一度は斬りすてようと思ったが、頼まれては止むを得ない。次郎長は役人の中を巧みに吃安らを落してやった。

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