重役の椅子
劇場公開日:1958年4月8日
解説
源氏鶏太原作『総務部長死す』を「悪徳」の猪俣勝人が脚色、「続サラリーマン出世太閤記」のコンビ筧正典が監督、鈴木斌が撮影をそれぞれ担当した。出演は「アンコール・ワット物語 美しき哀愁」の池部良をはじめ、団令子、淡路恵子、柳永二郎、伊藤久哉、水野久美などが出演している。
1958年製作/104分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1958年4月8日
ストーリー
極東商事の総務部次長船田は、家族連れで熱海へ出掛けるところだったが、そこへ総務部長の相川が脳溢血で急死したとの報があった。船田は早速会社へかけつけ、葬儀の準備にとりかかったが、塚越社長は相川が生前から契約を結びかけていた関西物産との契約締結のためすぐ大阪へ立つ事を命じた。汽車の中で彼は一人の女性から言葉をかけられた。女は相川の二号で彼と大阪へ行く予定らしかったが、船田から相川の死を聞いて呆然とした。船田は契約を好条件でまとめ帰京したが、彼の手腕を認め、ねぎらってくれるのは専務の立花だけだった。数日後、遺品整理の折、相川の抽斗から和田竜吉名儀の貯金通帳を発見した船田は、車中の女性和田きみ子のアパートを訪れた。そこで彼はきみ子と親しい英子という女性を知った。歌声喫茶に勤めている明るい娘で、やがて二人は逢瀬を重ねるようになってしまった。立花と愛妓松栄、船田と英子の二組のカップルは熱海に出かけた。楽しかるべきこの旅行も、松栄の胃痙レンでおジャンとなり、帰りの汽車の中で、船田は高田工業の宮本青年と出会ってしまった。高田工業に勤めている相川の娘音子は、宮本からこの言葉を聞き、もしや船田が父のような間違いを……と心配し船田に問いただすのだった。何となく後めたい気持の船田は、英子とお互いに傷つかないうちに別れることを決心した。塚越は船田を大阪支店に左遷させようと企んだが、バーに勤めるきみ子の口からすべての事実を知った竹山会長は、立花を社長に船田を総務部長に就任させた。英子からきみ子が船田の昇進に蔭ながら尽力したことを聞いた船田は、アパートを訪れたがきみ子が竹山の二号になって姿を消したのを知った。音子と宮本青年が結ばれるのもあまり遠くではないようだ。
スタッフ・キャスト
-
船田三郎(極東商事総務次長)池部良
-
船田秀子(三郎の妻)杉葉子
-
船田一郎(三郎の息子)菅野彰雄
-
相川竜介(極東商事総務部長)土屋詩朗
-
相川光子(竜介の未亡人)東郷晴子
-
相川音子(竜介の娘)水野久美
-
相川良子久留満寿子
-
塚越(極東商事社長)十朱久雄
-
立花慎介(極東商事専務)河津清三郎
-
南村(極東商事営業部長)村上冬樹
-
矢田(極東商事総務課長)清水一郎
-
梶谷要吉(極東商事総務課員)伊藤久哉
-
田崎(極東商事秘書)松尾文人
-
和田きみ子(相川の二号)淡路恵子
-
和田竜吉(きみ子の息子)春日井広往
-
英子(船田の恋人)団令子
-
今西千恵子(極東商事社員)白石奈緒美
-
竹山(極東商事会長)柳永二郎
-
高田(高田工業社長)佐々木孝丸
-
富田(青山商事総務部長)伊豆肇
-
宮本直彦(高田工業社員)佐原健二
-
徳野(極東商事運転手)沢村いき雄
-
三瀬(極東商事総務課員)宇野晃司
-
木村(極東商事総務課員)堺左千夫
-
松岡(極東商事総務課員)佐田豊
-
小沢(極東商事運転手)広瀬正一
-
松栄(柳橋の芸者)藤間紫