十九歳の地図

劇場公開日:

解説

暴走族ブラックエンペラーを追ったドキュメンタリー「ゴッド・スピード・ユー!BLACK EMPEROR」で注目を集めた柳町光男監督の長編第2作で、芥川賞作家・中上健次の同名短編小説を映画化した青春ドラマ。新聞販売所に下宿しながら予備校に通う19歳の青年は、配達先で知った各家庭の情報を書き止め、×印をつけ、自分だけの地図を作りはじめる。ねじれた自尊心を持て余し、日常の不満や偽善に鬱屈する彼は、×印をつけた家に嫌がらせ電話をかけていく。「ゴッド・スピード・ユー!BLACK EMPEROR」への出演がきっかけで柳町監督と出会った本間優二が俳優デビューにして主演を務め、出口のない青春にもがき苦しむ青年を体現した。

1979年製作/109分/日本
配給:プロダクション群狼
日本初公開:1979年12月1日

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映画レビュー

3.5世の中バツだらけ

2022年10月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

興奮

手の込んだ陰湿なストレス発散、解消法が生き甲斐のように、暴走族の素人が素朴に思える雰囲気を醸し出しながら垣間見れる狂気性を炸裂させる一歩手前、下手な演技でも演じていなくてもメチャクチャな存在感が魅力的な本間優二、関わりたくない面倒な臭気をプンプンに漂わせながら憎めない蟹江敬三がプロの役者として作品を成立させているような。

新聞配達の過酷さが伝わってくる、まるで日本のスラム街のように人々が当たり前に生活している底辺の沼から抜け出せない麻痺した感覚が、それを象徴しているマリアの痛々しい行動全てに恐怖を感じてしまう。

事は起こさずにこのまま鬱屈した気持ちを抱えながら普通に結婚したりして生活する吉岡を想像すると尚更に怖さが増してくる。

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万年 東一

4.0こういう映画は今や作れないよね

2022年6月1日
スマートフォンから投稿

もう数十年にもなるだろうか?

多感な学生時代に薄暗い小劇場(確か文芸地下だったと思う)で一人、悶々と肩をすぼめて観て以来、たまたまアマゾンプライムサーフして観てしまいました。

「しまいました」というのは、私の場合、この手の映画を見るには、結構「気合」がいるわけで観終わったあともその気分をひきずってしまうからなのです。

あの時は、どうしようもない、暗鬱とした、救われない気持ちで劇場を後にして、街をあてもなく彷徨った記憶があるんだけど今回、感性も鈍化してしまって、ある意味、残りの生に対して諦観みたいなものも持ち始めた年代になって観てみると当時のインパクトは感じなかったですね。

ただ、描かれている同年代の鬱屈は、逆にリアルに解るし、映画の中に描かれてた荒涼とした風景は今の私の中で吹きさらし始めたのかもしれない・・

蟹江敬三がジョーカーのホアキン・フェニックスのようで素晴らしかった!

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Shiroko

1.0う~ん

2021年12月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

なんだかなぁ~
バツばっかり

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かん

3.0それぞれの、心の闇

2021年12月10日
PCから投稿

1979年の作品を、2021年に観た。
キャンディーズの「春一番」が流れている。
舞台の東京都北区王子には「王子スラム」との一画が存在してる。
主人公吉岡が自作の地図にそう記していたので。
人々はまだ「新聞をとること」を当たり前にしている時代の物語だ。

吉岡は世間に参入できない。
屈折した批評家のポジションで世を斬りまくる。
新聞配達の自分にカステラを振る舞ってくれる家族にも「偽善者」とのレッテルを貼って。
どうやら性的に問題を抱えているようで(不能者なのか非異性愛者なのかは不明)
それが彼の心の闇の源泉のようである。
周囲の者たちもまた、みなそれぞれに闇を抱えて生きている。
闇を飼いならしたり、闇から逃げようとしても失敗したり、それぞれだが、
皆「なんとか生きていく」ことで折り合いをつけている。
吉岡19才、この先闇と折り合いをつけて生きていくのか。いかないのか。

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BBB
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