殺人狂時代
劇場公開日:1967年2月4日
解説
鬼才・岡本喜八が都筑道夫の小説「なめくじに聞いてみろ」(旧題「飢えた遺産」)を映画化したアクションコメディ。謎の殺し屋組織に命を狙われた男の戦いを、ブラックユーモアを交えながら二転三転するストーリー展開で描く。冴えない大学講師・桔梗信治は、自宅アパートに侵入してきた見知らぬ男に命を狙われる。男の正体は、人口調節のため無駄な人間を殺すことを目的とする組織「大日本人口調節審議会」が差し向けた殺し屋だった。偶然にも落下したブロンズ像が頭部に当たり殺し屋は死んでしまうが、その後も次々と信治のもとに刺客が送り込まれる。信治は偶然知り合った記者・啓子やコソ泥のビルとともに真相を追うが……。仲代達矢が主演を務め、天本英世が殺し屋組織のボス役を怪演。
1967年製作/99分/日本
配給:東宝
スタッフ・キャスト
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2020年6月4日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
とある病院では、精神病患者を殺人狂に仕立て上げようとしていた。その目的とは、人口調節のために“不要”と判断した人間を抹殺する秘密組織「大日本人口調節審議会」の活動を円滑に進めるため。ボスのもとにやって来たのは、ナチスからの使者。組織にある仕事を依頼するべく、電話帳から無作為に選んだ「3人の殺害」というテストを実施する……。こんな冒頭から始まる本作、テンポ感の良さもありますが、いやはや全く飽きない!メチャクチャ面白いです。
注目ポイントを2つあげましょう。1つ目は「大日本人口調節審議会」に所属する殺し屋たちの“個性”。「ジョン・ウィック」シリーズが好きな方には、是非鑑賞してほしいです。例えば「首筋を瞬時に切り裂くトランプ使い」「仕込み傘を携帯した老人」「義眼=暗器のマダム」「スピリチュアルで“殺す”女」「松葉杖を凶器にする男」などなど。どうです? ユニークな方々ばかりでしょ? 彼らが大活躍するのかと思えば、案外間が抜けている…でも、そこもクスリと笑える魅力!
2つ目は、信用することができない“主人公”。犯罪心理学の大学講師・桔梗信治(仲代達矢)は瓶底メガネに髭面、極度のマザコン、水虫持ち、ぬぼっとした語り口。素晴らしく冴えない中年男です(途中から小ざっぱりしますが、その変貌ぶりもイカしてます)。「3人の殺害」テストの1人に選ばれしまい、彼のもとへ殺し屋がやってくるのですが…。この導入が面白いんです。
殺し屋は「大日本人口調節審議会」に所属しているわけですから、元々狂人です。しかし、桔梗はそれを上回るほどの狂人であり変人。桔梗の言葉も、感情も、行動も、最初から全く信用ならないわけです。主人公に対する“共感”をひょいとかわし、殺し屋の襲撃をひらりと避けていく桔梗。この“信用ならない”という要素は、桔梗を魅力的な人物にするだけでなく“伏線”にまでなっているんです。旅のお供ともなる車泥棒の大友ビルは“第四の壁”を越えて、こんなことを言います。「あのー、これは一体どういうことになっちゃ……(ったの)?」。本当に、最後の最後まで“信用ならない”!
余談:「大日本人口調節審議会」のボス・溝呂木省吾を演じるのは、天本英世。その怪演も見応えたっぷり!
2022年4月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
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都筑道夫の「なめくじに聞いてみろ」の映画化らしいが、残念ながら未読。だいぶ前に一度見ているが、天本英世が出ていたことくらいしか覚えていなかった。天本英世と言えば、「ウルトラQ」の最終話「あけてくれ!」で失踪した無気味なSF作家を演じていたのが印象深い。今回久々に見たら、「ウルトラQ」の一平くん=西條康彦、「ウルトラマン」のイデ隊員=二瓶正也、「ウルトラセブン」のソガ隊員=阿知波信介も出演していた(チョイ役ですが)。
ま、名作とか傑作とか言うのではなく、珍品のたぐいですね。物語の設定が破綻しているし、どう見てもスラップスティックの作劇。仲代達矢の登場シーンはほとんどオバQの小池さんだ。彼は既に「人間の條件」や「切腹」に出た後だし、岡本喜八は同じ年に「日本のいちばん長い日」を撮っている。いずれにしても振り幅が大きいなぁと。殺し屋連中はたいがい間抜けだし、主人公らは銃撃されても、爆弾が落ちてもまるで死なない。最後に取ってつけたように天本英世と決闘するが、主人公を殺そうと思えばいつでもその機会はあったはずだ。
精神病院の内装がかなり気持ち悪い。タイトルもさることながら、放送禁止用語頻出。
2022年3月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
テンポいいな〜〜〜!!!場のつなぎ目を効果音+カットで繋ぎまくってるのが印象的っスね、内容も特に難しくないので作業用にボンヤリ観れる(集中して見ろや)