さくら(1994)

劇場公開日:

解説

太平洋と日本海を桜で結ぶ夢に挑んだ男の生涯を描く人間ドラマ。47年の短い生涯を桜の植樹に捧げた故佐藤良次氏の手記をまとめあげた中村儀朋の『さくら道』(風媒社・刊)を原作に、「月光の夏」の神山征二郎が監督。脚本は加藤伸代、撮影は伊藤嘉宏が担当。

1994年製作/108分/日本
配給:ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画=映画「さくら」製作委員会
劇場公開日:1994年4月9日

ストーリー

昭和41年。国鉄バスの車掌・佐藤良次は、自分の勤務する名金線を桜の道にしてお客さんに喜んでほしいと考え、植樹を始める。妻・千加子の心配をよそに幼なじみでもある運転手の浩太の協力もあって本格的に植樹は進み、良次は桜功労者として表彰されたり新聞の取材を受けたりするが、台風の日でも出かけてしまう彼はやがてガンに冒される。担当の梶原医師の忠告にもかかわらず、良次は体を蝕まれながらも、車掌の仕事の合間に植樹に打ち込む日々を送る。桜博士として知られる笹部から教えられた荘川桜も7年目にして遂に発芽し苗として成長した。良次はその苗を「荘川七郎」と名づけ、意気投合した輪島の校長・中浦に託した。昭和52年1月。名古屋の鉄道病院に入院した良次は、爛漫と咲く荘川桜の道なりを走る幼い自分の姿を思い描くうち、息をひきとるのだった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

3.0素晴らしい実績

2020年12月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 丁度、桜の開花宣言が発表された日に鑑賞。何かをやり遂げることなんて、そろそろ人生を考える上で大切なことだと思う今日この頃。

 国鉄名金線は文字通り名古屋と金沢を結ぶ長距離バス路線だったが、民営化後には西日本JRバスが金沢~福光間、JR東海バスが名古屋~鳩ヶ谷間を運行。今は金沢のわずかな区間を残すだけとなった。

 町の薬局で「ガンの薬くれ」と飛びこんだ佐藤良二。めまいを時折おこし、体重が5キロ減ったことを気にした結果だ。病気とわかって入院が決まっても、庄川桜の苗木を毎日植え続ける一途な思い。8年目に千本植え、テレビニュースで放送された。娘の学校での講演などをやっても、娘からは無視される。

 民宿を切り盛りする佐藤家に輪島の小学校の先生がやってきて交流ができ、桜の先生からも萎えの育て方を学ぶ。命を削ってでも生涯さくらを植え続けること。まるで桜の精の生まれ変わりのような佐藤良二なのです。自分が死んでも400年の命をもった巨木となって毎年花を咲かせるという夢の世界。御母衣ダムに沈むところだった庄川桜を移植されたことから、生き甲斐となった「太平洋と日本海を結ぶ桜」の道を作ること。映画の映像よりも想像の世界が脳内に広がっていくことのほうが感動を呼ぶ。

 志半ばにして若死にしてしまうが、同僚のこうちゃんが意志を継ぐ。人を喜ばすことにも限界があるが、信念だかは受け継がれることがいいですね。ただ、脚本が弱いのか、ドラマとしては面白味に欠ける。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
kossy
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る