昆虫大戦争

劇場公開日:

解説

天田欽元の原案から「出獄の盃」の高久進がシナリオを執筆し、「宇宙大怪獣 ギララ」の二本松嘉端が監督したSFもの。撮影は「男の挑戦(1968)」の平瀬静雄。

1968年製作/84分/日本
原題または英題:Genocide
配給:松竹
劇場公開日:1968年11月9日

ストーリー

南海のある島に、秋山は昆虫採集に来ていた。彼は飛行機が墜落するのを目撃した。その飛行機は水爆を搭載してベトナムへ向う途中の米軍戦略爆撃機だったが、一万メートルの高度で昆虫の大群に遭遇し、墜落したのだ。グアム島の司令部では、ゴードン中佐に水爆回収の作戦が下された。米軍捜索隊は島の洞窟に、アゴの肉をえぐり取られて死んでいる機長と副操縦士、そして記憶を喪失しているチャーリを発見。一方秋山は軍用時計を拾ったことから機長と副操縦士の殺人容疑をうけてしまった。秋山は昆虫採集の依頼主である東京生物科学研究所の南雲と、近くの島に住むアナベルに無実の証言を頼んだ。チャーリーのうわごとから、機長たちは洞窟の中で、昆虫の大群に襲われたことを知った。秋山は、東京の裁判所に連行されるという朝、妻のゆかりに子供が出来たと知らされ脱走して、アナベルの許に逃げ込んだ。しかし、アナベルは細菌戦用の研究をしている、X国の一味で、意識を回復したチャーリーをさらっていたのだ。そして、猛毒を持った虫を集め、米軍の皆殺しを図っていた。チャーリーは毒虫の犠牲になり、狂って街に出たところをゴードンに射殺された。一方すべてを知った秋山は、南雲と落ち合った。南雲は自らの身体を使って、毒虫に対する解毒剤を発見した。しかし、昆虫は南雲の口を借りて奇怪なことをしゃべったのだ。「人類が自分の核兵器で滅ぶのは勝手だが、我々が巻き添えを食うのは御免だ。人間を皆殺しにする」と。秋山はアナベルの家に急いだ。しかし、アナベルたちは大量に繁殖した昆虫の餌食になっていた。昆虫は次々と人間を攻撃し始め、秋山もゆかりを守るため、その犠牲になったのだった。一方、南雲はリモコンで水爆を爆破しようとするゴードンを止めようと争ったが、すでに遅く、水爆は爆発した。そのあとは不気味な静けさが残るばかりだった。

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映画レビュー

4.0ジェノサイド・プラン

2024年4月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

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しゅうへい

3.0松竹の特撮映画の短い系譜はここで途絶えてしまう

2021年3月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

松竹の特撮映画は4作品ある

宇宙怪獣ギララ 1967年3月
吸血鬼ゴケミドロ 1968年8月
昆虫大戦争(本作)1968年11月
吸血髑髏船 1968年11月

残念ながらこの系譜はここで途絶えてしまう

同時期、他の映画会社の特撮はどうであったか?

東宝
1967年7月 キングコングの逆襲
1967年12月 怪獣島の決戦 ゴジラの息子
1968年8月 怪獣総進撃
1968年8月 聯合艦隊司令長官 山本五十六

大映
1967年3月 大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス
1968年3月 ガメラ対宇宙怪獣バイラス
1968年3月 妖怪百物語
1968年12月 妖怪大戦争
1968年12月 蛇娘と白髪魔
日活
1967年4月 大巨獣ガッパ

東映
1968年12月 ガンマー第3号 宇宙大作戦

このように羅列して何の意味がある?
じっとリストを眺めてみれば判るはず

つまり1967年春に怪獣ブームは頂点を迎え、一気に萎んでいったということ
各社ともに怪獣以外の怪奇妖怪もの、戦争もの、SFものなどに方向転換を図っていったということ
あるいはこのジャンルから撤退していったということだ

東宝は70年代半ばまでゴジラシリーズを続けるのだが、なんとか他の路線に活路を見いだせないか努力をしている

東映は1本しかないが、この時期は特撮テレビシリーズを盛んに製作をしている
それが21世紀まで続く東映特撮の源流だ

大映はガメラシリーズを70年代までつづけるが、会社自体が倒産してしまう

日活もガッパ以降はなく、70年代はロマンポルノ路線となってしまう

松竹は結局上記の4作品で特撮映画はなくなってしまう
しかし、こうして整理してみると、松竹は意外と特撮映画をなんとかものに出来ないものかと挑戦しようとしていたのだとわかる

本作はギララを撮った二本松監督
今日の目からすればいくらでも突っ込みどころはある
けれども昆虫の群れの映像などはなかなかのものだと思う
ドラマパートも思いの外、ちゃんとしている

南の小島にあるバーカウンターのある小さなホテル
映画キーラーゴのホテルを思わせる

川津祐介のような第一線の俳優が出演している効果は大きい
新藤恵美も良かった
この二人は凡百の特撮映画とは一線を画す熱演をしている
音楽がウルトラQにかなり寄せたもので、雰囲気がある

昆虫の大群で人類の危機が迫るという同じテーマなら、1977年のエクソシスト2よりも昆虫の脅威をしっかりと映像に出来ている

結末もなかなかに強烈で良い
しかしそれ以上のものではない
松竹に特撮映画のジャンルを続けさせるだけのパワーはなかった

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あき240

3.0蟲の聲を聴け

2021年2月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

興奮

『吸血鬼ゴケミドロ』に続く、松竹特撮SF。1968年の作品。

東宝特撮は、王道娯楽。どちらかと言うと、童心に返ってワクワク。
それに対し松竹特撮は、大人向けで暗い雰囲気漂うのが売り。本作も然り。

米軍機が突如、謎の虫の大群に巻き込まれ、日本の南の島に墜落。
その米軍機は“ある物”を搭載しており、回収する為に米軍ゴードン中佐らが上陸、執拗に追う。
島の洞窟で機長らの死体と唯一の生存者が発見され、島で昆虫採集をして東京の生物研究所に送っていた青年・秋山が疑われ逮捕される。
彼の無実を晴らす為、東京から依頼主の南雲が訪ねてくる。
「虫が…虫が…虫が…!」
唯一の生存者のうわ言かと思ったが、そこにはある人物の憎み深い復讐が…。

“ある物”=水爆。冷戦時代を背景にした大国間のスパイ戦。
序盤いきなり、秋山と外国人女性が半裸で戯れるねちっこいラブシーン。しかも、不倫!
秋山と妻のラブストーリー。
外国人女性は生物学者のアナベル。ユダヤ人で、かつてナチスに凄まじい仕打ちを受け、人間不信に。全ての人間を憎む彼女によって、昆虫に猛毒や知能がもたらされ、刺された人間は発狂状態に。
小さな島を舞台に、日本人とアメリカ人の思惑が交錯。愛憎劇、濃密な人間ドラマが展開。
当時、ワ~イ、昆虫の映画だ~♪…と観に行って、青白い顔して映画館出てきた子供もいただろう。

ツッコミ所も多々。
アナベルを苦しめたのはナチスなのに、何故に日本人やアメリカ人に復讐…?
唯一の生存者は黒人兵。発狂し、日本人女性を乱暴しようとする。これ、今だったらコンプライアンス的に…。
そもそも、昆虫をあんな風に知能をもたらす事が出来るのか…?
そんな昆虫たちが意志を持って人間を襲う。
すぐ身近に実在。しかし何故か、非現実を感じた。
『吸血鬼ゴケミドロ』は傑作だったのに、決して悪くはないが、パワーダウンと言うか、ちとチープなB級感は否めない。

南雲を介して、昆虫がある言葉を喋る。
ゾッとするが、一理もある。
恐ろしいのはどちらか。愚かなのはどちらか。
蟲の聲を聴け。

一味違う松竹特撮。
現状、コロナや先日の巨大余震、そして今尚続く東日本大震災の暗い世相で無理かもしれないが、
またいずれ新しい松竹特撮を作って欲しいなぁ…。

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近大

1.0アメリカが日本へ水爆を持ち込んだ

2019年12月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 バッタとかハチとかの接写をそのまま映像に取り入れたもの。演技は学芸会レベルだが、主役級の三人は頑張っていた。

 実は異常発生した昆虫はソ連が薬を混入したもの。反原水爆などの考えもわかるが、結局は米ソ冷戦を利用した単純なスパイものだったような気もする。エンディングもシュールで印象に残るが中身がさっぱりでは・・・

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kossy

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