子猫物語

劇場公開日:

解説

様々な動物たちと出会い、別れながら成長していく茶虎の子猫の姿を描く。脚本、監督は北海道に動物王国を持つムツゴロウこと作家の畑正憲。協力監督は「ビルマの竪琴(1956)」の市川崑。撮影は「犬死にせしもの」の藤井秀男と富田真司がそれぞれ担当。

1986年製作/95分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1986年7月12日

ストーリー

早春の北国、牛舎の中で母猫に抱かれている子猫たち。その中の一匹、茶虎のチャトランが脱け出て来て、土間に転落した。腕白ざかりのチャトランの親友は小犬のプー助。二匹はぐんぐん大きくなっていく。ある日、プー助と遊んでいたチャトランは、川辺の木箱に入り込んだ。突然、木箱は流れ出し滝つぼを落ちて行った。驚いたプー肋は助けようとするが泳ぎが大の苦手。必死に流れていく方へ走って行き木箱を見つけるが、チャトランの姿はなかった。その頃、やっと岸に上がったチャトランは森の中を歩いていた。キタキツネが砂に埋めた食料を失敬しようと思ったが、カラスに邪魔されて失敗。野原を馬の背中に乗って散歩したり、ワタスゲの原っぱで子鹿と遊んで一緒に昼寝したりと過ごす。夜、森の中でチャトランは怪我をした子豚に出会う。優しく舐めて元気づけ、朝になって子豚を送って行くと、御礼にと母豚が子豚の兄弟と一緒にお乳を飲ませてくれた。水辺にたどりついたチャトランは、一計を案じた。尻尾を水にたらして喰いついた魚を釣り上げたのだ。だが喜んだのもつかの間、アライグマに横取りされてしまう。草原の木立ちに登ったチャトランは、プー助の姿を見つけた。二匹はやっと巡り逢うことができた。牧場で病気の子牛にカラスが群がっている。プー助がカラスを追い払いに行く。再びプー助と離れてしまったチャトランは、海辺の絶壁で飛びかう鴎の子供を狙う。だが、母鳥に襲われ追いつめられて絶壁から落ちる。ずぶ濡れになって砂浜から上がり、番小屋でひと休みするチャトラン。そこに熊が襲って来るがタンスの中に隠れて危機を逃れた。暫くして、今度は蛇に追いつめられ深い穴の中に落ちてしまう。這い上がろうとするが全く無理、そこへロープを垂らし、引っばりあげてくれたのはプー助だった。秋になり、チャトランとプー助が遊んでいると一匹の白い牝猫が現われた。白猫に寄り添いじゃれ合うチャトラン。置き去りにされたプー助は、もう子供のままでいられないことを感じて寂しく去って行く。やがて冬が来た。白猫とチャトランの愛は深まっていく。春になり、桜が咲き乱れるなか、チャトランそっくりの子猫たちが遊んでいる。そこに、プー助が彼の家族を連れてやって来た。

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スタッフ・キャスト

監督
協力監督
市川崑
構成
南川泰三
日高真也
脚本
畑正憲
谷川俊太郎
製作指揮
鹿内春雄
企画
宮内正喜
製作
日枝久
角谷優
プロデューサー
緒方悟
プロデューサー補
酒井彰
撮影
藤井秀男
富田真司
美術
坂口岳玄
音楽監督
坂本龍一
録音
信岡実
大橋鉄矢
照明
山下礼二郎
煙草忠司
編集
長田千鶴子
監督補
上野尭
スチール
石川利昭
小宮山道隆
動物監督
畑三喜雄
製作協力
岡崎澄一
詩の朗読
小泉今日子
ナレーション
露木茂
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受賞歴

第10回 日本アカデミー賞(1987年)

ノミネート

音楽賞 坂本龍一
話題賞 作品部門/俳優部門  
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映画レビュー

3.5人間が全く出てこない映像は斬新だった。 よくこんな作品を撮れたな、...

2023年1月15日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

人間が全く出てこない映像は斬新だった。 よくこんな作品を撮れたな、と思う。 犬と熊の格闘とか、穴に落ちた猫を犬がロープで引っ張り上げるシーンとか。 ひょっとしてあれはCG?

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省二

2.5猫の話

2019年11月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

チャトラン、猫の話。それ以上でもそれ以下でもない。

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共感した! 1件)
さすまー

2.0子猫可哀想物語

2018年1月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

あのムツゴロウさんが監督を務めた1986年の動物ムービー。 当時、興行収入98億円の大ヒット! 本作、ドキュメンタリーではない。ストーリーらしきものがある。 子猫のチャトランと子犬のプー助の冒険。 だとしたら、大問題だ…! ハラハラドキドキの冒険を演出する為に、明らかに動物たちを危険な目に遭わせている。ドキッとした箇所が幾つもあった。 ネット上の酷評や動物愛護団体からの批判もこりゃ仕方ない。 始まってすぐ、チャトランが川に落ちるシーンがある。 猫って、水嫌いな筈だよね…? 自然の演出なら水辺は避ける筈である。 開幕からヘンな違和感を感じた。 よって、チャトランが木箱に乗って川を流される冒険の始まりは、100%人の手によるもの。 何度もひっくり返りそうになったり、挙げ句の果てに落差ある川を落ちる。 この時チャトランはどんな思いであったろう…。 何より背筋が凍ったシーンがあった。 川を流されてる途中、チャトランはクマに襲われる。仲良しのプー助が助けに現れるのだが…、 ガチに子犬がクマに襲われている…! クマは何度かプー助に噛み付いたり、体重で抑え込んだりし、あれは一歩間違えればプー助は死んでいた。 本当に背筋が凍った。 川から上がり、森の中をさ迷って、足を怪我。 電車に跳ねられそうにもなる。 牛に追いかけられ、 カモメの群れに襲われ、 崖から海に落ち、 再びクマやヘビに襲われ…。 これは子猫チャトランの冒険や様々な動物たちとの出会いを描いているんじゃない。 自然の中に子猫をポンと放り出して、命に関わる危険を、楽しそうに悪趣味に撮ってるだけである。 音楽もナレーションもいつまでも呑気。 露木さん、ほのぼの語ってる場合じゃないって! かつては多く作られた、動物を主人公にしたドキュメンタリー風の○○物語。 何故、今はもう作られないのか?…なんて、愚問である。 それ以前に、話も大して面白くない。 採点は全て、可愛い子猫ちゃんたちに。

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近大

4.0映像がすばらしい

2015年9月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

幸せ

萌える

BSで放送してました。 最初見たとき、重厚な美しい映像に、NHKの動物ドキュメンタリーかと思いました。 古い映画なのに、今見てもきれいだなと思います。 動物もたくさんでてきてとても可愛らしい。 明らかに演出だな~と思う場面もあったりしますが(笑) あと、猫が川をドンブラドンブラ流されたり、高い崖から落ちたり(人形かもしれませんが…)、今はこの内容では作れないだろうなあ、とハラハラする場面もいくつかありました。 とても作為的な映画ではありましたが、動物の美しさを愛でるのに最適な映画でした。

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いくみ