こつまなんきん
劇場公開日:1960年11月6日
解説
今東光の原作を、「暴れん坊三羽烏」の富田義朗が脚色し「命との対決」の酒井辰雄が監督したもので、河内女の愛欲を描く。撮影は「お夏捕物帖 通り魔」の倉持友一。
1960年製作/90分/日本
原題または英題:When a Woman Ascends the Stairs
配給:松竹
劇場公開日:1960年11月6日
ストーリー
大阪の東南部河内地方。年に一度の盆踊りの夜、お市は達吉のために腕力で体を奪われた。達吉の結婚式を知ったお市は、式場にのりこみ「あての腹には達吉の子が四月になっている」と叫んだ。式は目茶目茶になった。お市の父万之助が死ぬと、達吉の父永之助は残った家屋敷に目をつけ、達吉を住みこませた。お市は、教祖になり教団を始めたいと、永之助に借金を申しこんだ。教祖商売が繁昌している折から、永之助は承諾した。この教祖商売は大繁昌だった。株屋の多吉はお市の霊感で大儲けをし、十万円の寄附をした。永之助が株に手を出した。お市は、滝に打たれている時、瓢箪亭の若旦那小五郎に抱かれた。永之助は株に失敗した。家は勿論、教団までが赤紙を貼られ、狂乱した永之助の妻おみねは教団に火をつけた。それから数年、お市は大阪で易者になっていた。多吉に再会し、小五郎の消息を聞いて訪れた。が、同宿しても下宿代をくれという彼のガメツさに多吉の許へ帰った。多吉の妾同様になったお市は、株をはじめ、儲けた。多吉は失敗し、刑事事件をひき起した。お市も逮捕された。罪のない彼女は釈放されたが今は無一文、興行師藤原にすすめられ、寄席の舞台に立った。美人好きの実業家岩崎がお市に目をかけた。お市もひかれていき、ホテルで求婚された時は幸福に涙した。が、事業に失敗した岩崎のため、あやうく自殺の道連れにされそうになった。岩崎には妻もあった。岩崎の秘書がまた誘いの手をのべるが、お市は「もう男は沢山」と言うのだった。