高校生番長 深夜放送
劇場公開日:1970年10月24日
解説
“高校生番長”シリーズ三作目。脚本は「ボクは五才」の高橋二三。監督、撮影は「高校生ブルース」の帯盛廸彦と喜多崎晃がそれぞれ担当。
1970年製作/81分/日本
原題または英題:Midnight Disk Jockey
配給:ダイニチ映配
劇場公開日:1970年10月24日
ストーリー
今夜も、若者たちに人気のある深夜放送“オールナイトミュージック”が始まった。古賀みちひろが電話リクエスト・アワーを告げると待ちかねたようにベルが鳴り、上杉アイ子と名のる女学生が、これから自殺する自分自身のためにと“午前0時のロック”をリクエストしてきた。冗談と受取った古賀は翌日の新聞でアイ子が妊娠三カ月の身を悩み飛込み自殺した事を知ってショックを受けた。呆然としている古賀のもとに、陽明学園の倉本京子と署名入りの投書がとどけられた。内容は自分は高校生の集団売春の体験者であるというものだった。売春グループの実態とその体験談、純潔教育や一夫一婦制度などの従来の貞操観念に対する批判というショッキングな内容には多少作りめいた感じを持ちながららも、興味を持った古賀は、学園名と氏名はイニシャルをとって放送した。翌日、陽明学園に追跡調査に出かけた古賀は、倉本京子が実在の人物であり、また自殺した上杉アイ子も陽明学園の生徒であった事を知るが不注意から、昨夜放送した投書の主が倉本京子である事を生徒に知られてしまう。京子が売春をしているという学園中の噂に怒ったのは、京子と幼馴染で成績抜群、学校きっての模範生塩田直之だった。直之の詰問に対して、深夜放送の告白に関しては身に覚えがないときっぱり否定したが、処女であると誓ってくれという直之の言葉は拒否した。京子には、暗い過去があった。高校入学前の春休み信州に旅行したとき、野天風呂で男に出会い、出るに出られず湯気にあたって失神してしまったのである。気がついた京子は体の異常に気付き、それ以来人を信じず、友人もつくらず、いつしか一人狼と呼ばれる孤独な生徒になったのだった。京子は、自分の名前をかたった犯人を捜すため局へでかけ自分の潔白を証明するために来週のオールナイト・ミュージックに真実を告白すると約束した。しかし京子の投書はボツになり、翌日、局へ抗議にいったが、そこでたむろする元三郎をリーダーとするグループに、集団売春が行なわれているというマンションにつれていかれた。その一室で目撃した光景は、投書の内容そのものだった。自殺したアイ子もこのグループのメンバーであったという。あまりのショックに一度は飛び出したものの乱行パーティーの強烈な印象が忘れられず、元三郎に身をまかせてしまった。すっかり変った京子を心配して、うるさく忠告する直之をも誘惑して寝た京子は、結婚しようという直之に全てを告白した。怒った直之は元三郎を呼び出し命を賭けてダイナマイトで決闘を行う事になった。しかし結果は引きわけに終り、命を賭けた二人の決闘から奇妙な友情がめばえていった。