恋人岬

劇場公開日:

解説

権謀と虚飾の渦巻く現代TV界、広告業界を背影に、あくまで純粋に、自らの道を歩もうとする二人の女性の戦いと恋愛の軌跡を描く。脚本は石松愛弘、監督は「春琴抄」の西河克己、撮影は竹村博がそれぞれ担当。

1977年製作/91分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1977年4月29日

ストーリー

グアム島。悲恋の伝説を秘める恋人岬。一城火沙子はその岬から海に身を投げようとした時、アングラ俳優の泉明日彦に止められる。火沙子は、大手電気メーカーの宣伝担当常務・赤月照之を愛したが、プロデューサーの自分が育てた女優・ルナに彼を奪われたのが自殺の原因だった。東京。赤月とルナは、結婚し、赤月の会社がスポンサーとしてついた新番組の主役にルナがつく。しかし、ルナの横暴に激怒した火沙子は、ルナを殴ってしまう。赤月は、火沙子に、妻を主役からおろしてかまわないと言う。新番組は、大ヒットをし、賛辞をあびる火沙子。しかし、火沙子の妹・美希子が、車で、人を轢いてしまい、火沙子は、マンションや家具などを売り、金でつぐなうのであった。そして、彼女は銀座の超高級クラブのホステスとなる。客の滝川が執拗にホステスの火沙子に迫り、彼女は身をまかせるのであった。数日後、赤月とルナの離婚記事が週刊誌にのった。さわがしくなった自分のまわりからのがれるため、火沙子は、東北を巡行している泉明日彦のもとに行く。そして、団員として巡業に参加。ある日ふと見た週刊誌にルナの失踪と赤月の宣伝担当常務辞任の記事を見つけ、急拠、東京へ。東京では、火沙子にくるった滝川が彼女を追いかけまわし、逃げる彼女と美希子をまちがえ、美希子に硫酸をかけてしまった。失明の恐れがある妹に、火沙子は自分の角膜の移植をもうしでる。病院で偶然出会った赤月は、火沙子に暖かい手を差しのべた。火沙子は美希子の手術のため京都へ移った。この美しい京都の街を見るのも最後かと思うと、とめどなく涙が流れた。そんな時、赤月と再会。二人は、今までのことを水に流して、新しく生きていくことを誓いあった。

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