獣の剣

劇場公開日:

解説

「三匹の侍」の柴英三郎と五社英雄が共同でシナリオを執筆、五社英雄が監督したアクション時代劇。撮影は土屋俊忠。

1965年製作/84分/日本
原題または英題:Samurai Gold Seekers
配給:松竹
劇場公開日:1965年9月18日

ストーリー

安政四年十月、飯富宿に浪人平木弦之助がやって来た。彼は人材登用藩政改革の藩論を覆えせると判断し、城代家老山岡監物を斬った。だがこれは次席家老星野頼母の策略であった。しかも平木は、星野の命令で、監物の一人娘山岡美沙とその許婚鳥尾大三郎、剣術師範香取軍太夫らに、仇として追われる身となった。追手の一行は顔役の寅五郎の助けで平木を見つけ、仇討ちと迫ったが、平木の親友であった鳥尾は、平木を射つことができなかった。平木は寅五郎の子分丹次から、山奥の川で砂金が取れることを聞き、逃げる金を求めて、丹次と二人山へ入った。山には藩の命令で砂金を掘る山根十郎太と妻たかがいた。山根はこの仕事を終えると、郷士から士分にとりたてられることになっていた。平木を追って、美沙らも山へ登った。一方山師の荒岩たちは、山根の砂金を横取りするため、たかを人質に連れていった。悲鳴を聞いた平木は、荒岩からたかを救けた。その間、香取は単身平木に近づき、対決したが、平木は危ういところを、山根に助けられた。さらに鳥尾も美沙を置いて香取を探しに行くが、そのスキに美沙は荒岩らに犯された。一方山根は藩から取りに来た家老の坂崎らに砂金を渡したが、山根夫婦は藩政の秘密を知っていることで、坂崎らに斬られた。藩政のためには虫けらのような武士の空しい末路を目の前にして、平木も鳥尾も、斬り合うことの無駄をかみしめた。汚された美沙も、すでに仇討の執念は消えていた。

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映画レビュー

3.0逃亡侍

2023年4月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

興奮

フジテレビのドラマディレクターから映画監督へ。『三匹の侍』に続く、五社英雄監督の映画監督第2作。1965年の作品。

開幕、草むらに隠れている一人の浪人。彼は追われている。
追っ手の刺客が迫る…。
“逃亡者”ならぬ“逃亡侍”的な今作も娯楽性は充分だが、ただそれだけには留まらない。

追われる理由。城代家老を斬った罪。
それは藩の為と信じ、次席家老に騙されて…。
地位を狙う次席家老の企みが事の発端ではあるが、自らも出世という甘い誘惑に溺れて…。

逃亡中出会った一人の男。山奥の川で採れる砂金で一攫千金を狙う。
砂金を狙うは他にも。ある侍とその妻。
侍は藩命で砂金を採っている。
彼もまた出世が目的。自らの欲に浸かり、妻をも担ぎ出して…。妻は不満を抱えている。

藩に利用された男が、藩に利用されている男と出会って…。皮肉めいたものを感じる。
仕える者と、下す者。
見返りはあるのか、ただ利用されるに過ぎないのか。
何の為に仕えるのか。
翻弄される男たち、女たち。
時代劇の枠に収まらない。現代の社会構図にも通じる。

『三匹の侍』ではニヒルな役所だった平幹二朗の本作での精悍な役柄もいいが、田中邦衛の個性、加藤剛&岩下志麻の悲哀が光る。

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近大

3.0これぞ時代劇

2022年9月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

家老に騙され、城代を斬ってしまい、仇討ちで狙われている男(平幹二朗)、藩名で財政再建のため砂金を隠れ発掘している夫婦(加藤剛、岩下志麻)が出会ってしまう。
河原での立ち回りは大変だったのでは。
とても面白かった。

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いやよセブン