黒い画集 寒流のレビュー・感想・評価
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悪は栄える‼️
ある銀行の支店長が大口融資客の女性と恋仲になる。その女性に目をつけた常務が部下である支店長を田舎に左遷し、その女性をも横取りしてしまう・・・‼️現代で製作されていたら、「倍返しだーっ!!」とかなるのかもしれませんが、所詮、金と権力と欲望の前には弱者は排除される‼️ということでしょうか⁉️松本清張さんの原作は未読なのでよく分かりませんが、映画としてはテンポも悪くサスペンス演出も弱い‼️シリーズとしては「黒い画集 あるサラリーマンの証言」があまりにも名作だったので、どうしても比べてしまうとフツーに面白いミステリーサスペンス映画くらいの作品‼️
安定した絵と新珠三千代の妖艶さ
1961年の映画なので出てくる役者はほとんど知らず、ポイントで出てくる丹波哲郎と志村喬がいい味。
ただ、ロケ地となる池袋は昔からよく知っているのでグリーン大通りに路面電車が走っていたり、
やはり古い映画は発見があります。
女将の尋常ではないイロケにハマっていき堕ちていく男。
それでも人生は続いていく・・・。
90点。
そりゃあ 寒流より暖流だよ!
「そりゃあ、寒流より暖流だよ!」
原作松本清張。
いやこれは滅茶苦茶面白いサスペンス溢れる人間ドラマだった。
好きになった女を“ものにする”為ならば、子飼いの部下を冷徹に切り捨てる平田昭彦も良かったが。好きになった男よりも、“お金を引っ張れる”男を選ぶ新珠三千代の、強かな悪女っぷりも良かった。
しかしそれ以上に、出世のレールに乗っていた筈なのに、いつしか踏み外れてしまったサラリーマンの悲哀を演じる池部良が素晴らしい。始めの内はダンディズムな役だったのに、段々と嫉妬に狂い。組織の中で、自分の身の置き場に躍起になる。その姿が素晴らしく、観ていて共感してしまう。
終盤には、丹波哲郎が組長の暴力団が登場して爆笑を誘い、息抜きの笑いを提供する。
他にも、大物総会屋の志村喬や、探偵屋の宮口精二。敵対勢力の中村伸郎等の多彩な脇役陣の演技には、ついつい時間を忘れてしまう。
監督は、近年とみに評価が鰻登りの鈴木英夫だが、それも納得の内容でした。
プログラムピクチャーだけに、90分以内に収める為、エンディングは半ば無理矢理なのが実に惜しい。
その為にやり切れ無さが残って仕舞うので、名作とは言い切れ無いのだが、間違い無く傑作の部類に入るだけの作品だと思いますね。
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