黒い画集 寒流

劇場公開日:

解説

松本清張原作『黒い画集』から「続新入社員十番勝負 サラリーマン一刀流」の若尾徳平が脚色。「非情都市」の鈴木英夫が監督したサスペンスドラマ。撮影は「アワモリ君乾杯!」の逢沢譲。パースペクタ立体音響。

1961年製作/96分/日本
配給:東宝

ストーリー

安井銀行池袋支店長沖野一郎は、新任の挨拶廻りの時に料亭「比良野」の女主人前川奈美を知った。沖野は、常務取締役桑山英己とは学校の同窓で、桑山が強引に抜擢したのである。ある日、奈美が増築のため一千万円の融資を頼みに来た。沖野は彼女の店の経営状態からみてこの大口取引を承諾した。それから二人は親密の度を増していった。それから数日を経て奈美は沖野と体の関係を待った。結婚を口にする奈美に、病弱の妻をかかえる沖野の心は動いた。そんな時、桑山が池袋支店に沖野を訪ねて来た。沖野の部屋に遊びに来ていた奈美を見た桑山は翌日のゴルフに沖野と奈美を誘った。奈美に一目惚れした桑山は、追加融資を種に奈美を口説いた。そんな奈美に不安を抱いた沖野だったが奈美を信じた。東京から帰って暫くして、沖野は宇都宮支店に転勤させられた。最後の別れに逢いに行った奈美の態度はよそよそしかった。桑山と奈美は沖野を除外して特殊な関係を持ったのだ。憎悪とシットに燃える沖野は、宇都宮支店にあって仕事が手につかなかった。沖野は秘密探偵社に桑山の素行調査を依頼した。一カ月立って探偵社から伊牟田がやって来た。奈美は旧大名屋敷を買い取り六千万円はする店内の改装、それに桑山との情事の日取りまでが詳細に記されてあった。沖野はこの資料を持って上京、総会屋ボス福光喜太郎に逢った。株主総会でスキャンダルと不正貸付をバクロ、桑山を社会的に葬るためだ。だが、福光が桑山に買収されてしまった。沖野は再び上京した。伊牟田の協力を得て別の計画を建てたからだ。--渋谷の「春月」で奈美と逢っていた桑山は、盗難車のダッジとは知らず奈美と乗った。自分の60年型ダッジと同じだからだ。二人は沖野の密告によってパトカーに捕まった。だが、銀行は世間態をはばかって事件のもみけしを図った。桑山は左遷されるだろうが、沖野の思う壺にはならなかったのだ。沖野は寒流の真中に自分が入ったことを知って愕然とした。

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スタッフ・キャスト

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オソレゾーン

映画レビュー

3.0恨むほどではない

2021年12月29日
スマートフォンから投稿

悲しい

そんな上司も女も、そういう奴かと見くびって、地方で堅実に生活すべきだったと思う。
主人公の女々しさを感じる。

病気の奥さんが、不倫の事実を知る前から冷たいのはなぜなのか。あれでは、主人公はやりきれないだろう。

丹波哲郎率いる面々が、映画に迫力を見せつけていて新鮮だった。
桑山の不正融資をもみ消されたのはなぜか。主人公は、機構の仕組みを理解していなかったのか。

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あみ

3.5やるせない。

2020年6月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

人生、後半に女性に狂うとダメだね。

間違っている大きな力にはむかっていくのは、どうなのか。   答えがでない。人生。

むなしい。

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昔から映画好き

3.5暖流に乗れるか、寒流に飲み込まれるか

2020年5月30日
iPhoneアプリから投稿

堅物真面目サラリーマンが、女と会社に壊される話。

1960年代当時の社会情勢がいまいちわからないが、そんなこと会社である?と首を傾げるような描写もちらほら。ただ、会社のイチ歯車など力はないいうむなしさ無力さはよく描かれているだろう。

黒い画集シリーズは、321の順に素晴らしい。
2作目である本作は、どうなるんだろうという先が気になる展開ながら、やや腑に落ちきらないような展開もちらほら。どれか一つだけみるなら、3作目の、あるサラリーマンの証言を観れば良いかなと思う。

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やべっち

3.0新珠三千代が綺麗だ

2019年7月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

自信を持って生きている人間には敵わないことを教えてくれる映画。

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Mr. Planty
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