奇跡の山 さよなら、名犬平治

劇場公開日:

解説

大分県の雄大な自然を背景に、失語症に陥ってしまった少女と、彼女の無二の親友である1匹の犬との交友を描く。脚本・監督は新人の水島総。撮影は「ストロベリーロード」の加藤雄大がそれぞれ担当。

1992年製作/日本
配給:東宝
劇場公開日:1992年4月18日

ストーリー

父親の浮気による両親の離婚、母親の自殺など度重なるショックから失語症になってしまった少女・敦子。彼女は母の思い出にすがるように母の故郷である九重の山に残る決心をする。敦子は母の死の現場にいた子犬が母の身代わりのように思えてならず、母が好きだった九重連山のひとつ、平治岳にちなんで平治と名付け育てるのだった。九重の山で案内人をする敦子の祖父・清三はそんな2人を静かに見守る。やがて清三と敦子は、平治をガイド犬として育てることに決め、訓練を始めた。雄大な自然の中で敦子は少しずつ元気を取り戻していくかのように見えたが、父親の弘をどうしても許すことができず、弘から送られてきた新しい子供の写真を火の中に投げ捨てる。弘は新しい妻・恵子と子供との生活を始めていながらも、別れた妻の死因、敦子が声を失った原因は自分にあるという思いから自責の念に駆られていた。言葉がしゃべれない敦子に合わせるように一言もしゃべらずに山道を歩き始める弘。やがて2人の間には和解が芽生えてくる。そんなある日、山に嵐が吹き荒れ、それと同時に平治は山の中で子犬を出産。清三と敦子は子犬を助けるべく嵐の山中へと向かう。そこでようやく声を取り戻す敦子。子犬は無事助け出され、平治も一人前のガイド犬に成長。それを見届けた敦子は弘のもとへと戻るべく、山を後にするのだった。

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