KISS ME
劇場公開日:1996年6月8日
解説
危険な逃避行をともにすることになった殺し屋と女との刹那的な愛を描く、ハードボイルド・タッチのラブ・ストーリー。監督は「ポップコーンLOVE」(第1話/プライベートコールガール)の矢野広成。脚本は「突然炎のごとく」の木田紀生。撮影は「極道の姐・玲子」の伊藤昭裕。主演は「Zの回路 復讐の裏ゴト師」の藤竜也と、ポスト夏目雅子として注目を集めこれが映画デビューとなった山口香緒里がつとめている。
1996年製作/95分/日本
配給:東映
劇場公開日:1996年6月8日
ストーリー
初老の殺し屋である男は、組織の裏切り者の会計係を処理する仕事でミスを犯し取り返すべき鍵を見失う。鍵は偶然に処理現場に来合わせた響子のバッグに忍び込まされていた。男は相棒を連れて響子を捜し出し、その恋人の裕司を殺して響子も始末しようとする。怯える響子と目が合った時、いつの間にか男は相棒を撃ち彼女を連れて逃げていた。男は組織の裏切り者となり、旧友に武器と逃走用のパスポートの調達を依頼する。男がかつての恋人の経営するバーを訪れると、すでに組織の追手が迫っており女は殺されてしまった。ひとり残されていた響子は、突然現われた若い殺し屋とともに男の帰りを待つことになる。かつては一流の殺し屋だった男に憧れる若い殺し屋は、なぜ女のために組織を裏切ったのかと男を責めたてたが、その彼も男の前では気弱な青年に過ぎなかった。逃走の過程で男の体は衰弱し、響子は男の車から逃げ出し通りがかりのバスに乗ることができたが、なぜか再び男の元に戻ろうとしていた。若い殺し屋に拾われた響子は、弱りきった男を廃校に連れていき必死に看病する。ふたりの行く末を見届ける気になっていた若い殺し屋も、殺し屋の末路を見る思いで耐えられなくなる。その翌日、男は旧友から二日後に国外脱出できる手配を受けたが、その旧友も組織の手にかかって殺された。男は響子とともに最後の隠れ家の山荘にたどりつき、一時の安息の中でふたりは結ばれた。追手との銃撃戦の末、ようやく響子と山荘をあとにした男は、ふたりで生きる世界を探して歩き始めるが、一発の凶弾が男を襲った。