硝子のジョニー 野獣のように見えて

劇場公開日:

解説

「憎いあンちくしょう」の山田信夫のオリジナル・シナリオを、「銀座の恋の物語」の蔵原惟繕が監督したアクションもの。撮影もコンビの間宮義雄。

1962年製作/106分/日本
配給:日活
劇場公開日:1962年9月30日

ストーリー

さいはての北海道、稚内の昆布採りの娘みふねは貧しいため、人買いの秋本に売られたが、酌婦を嫌って逃げ出した。見知らぬ男--ジョーが汽車賃を払ってくれた。彼は競輪の予想屋で、惚れぬいた若い選手の宏と函館へ向う途中だった。函館の競輪場でみふねはジョーとめぐり逢い、宿屋までついてきた。風呂から出た彼女は見ちがえるほど美しい。けもののように襲いかかったジョーは、女の眼にあふれる涙を見て思わず突き放した。純真なみふねはそれ以来、ジョーから離れようとしない。優勝したことのない宏は調子のいい自転車が欲しいといった。仲間が五万円で譲ってやるというのだ。ジョーは顔馴染の飲み屋のマダム由美に借金を申し込んだが、競輪をやめて昔の板前に戻れと意見された。そんなとき、みふねを追ってきた秋本と殴り合いの大ゲンカをした。翌日、ジョーはみふねをチャブ屋のおきく婆に三万円で売り飛ばし、由美からも二万円とって宏と汽車に乗った。人のいない競輪場で、欺されたと知らぬみふねがジョーを待っていると、秋本に捕まった。一方、宏はジョーが眠っている隙に、情婦の和子と汽車を降りてしまった。計画的にジョーを裏切ったのだ。秋本は函館駅でかねて恨みを抱く男に肩を刺され、病院に運ばれた。みふねは優しく看護した。人身売買で退院と同時に刑務所へ送られる身の秋本は、自分を捨てた妻の消息を聞いて病院を脱走した。ひとり残されたみふねは、苦労を重ねてようやく稚内へ辿りついたが、母や妹たちはどこへ行ったか判らない。奇しくも、ジョーと秋本がこの土地へやってきた。この浜はむかし、ある詩人が「ガラスのジョニー」の唄をみふねに教え、海に身を投げた場所である。心の中のジョニーを求めてみふねが海に入ったとき、ジョーが救った。「もう放さねえ。俺にはお前がいるんだ」とジョーは叫んだ。

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映画レビュー

3.0芦川いづみの代表作と言われるのも納得の演技。

2024年1月21日
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鑑賞方法:映画館

 私が知っている芦川いづみは、全盛時の日活で石原裕次郎や赤木圭一郎等主演映画の清楚可憐なヒロイン役である。一言で言ってしまうと主人公の引き立て役で、添えものと表現しても良い。(ちょっと言い過ぎかも)

 その芦川いづみがこの映画では、知的障害者で口減らしのために売春宿に売られた元売春婦の役を演じているのである。昔からのファンは驚愕したことだろ。私も驚いた。だがその熱演には納得である。

 この物語の元ネタは、フェリーニの「道」であることは間違いない。物語としては「道」に比ぶべきもないが、芦川演ずる知的障害で純真な心を持つ役柄には感銘すると思う。そのアップの美しいこと。

 私には「カラマーゾフの兄弟」のイワン、アリョーシャの母親はこのような女性だと思わせた。

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いなかびと

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