学生社長
劇場公開日:1953年1月3日
解説
製作は「花咲く我が家」の田岡敬一。中野実の原作から、「明日は月給日」のトリオ柳沢類寿が脚本を、川島雄三が監督、西川亨が撮影をそれぞれ受持っている。出演者は、「ハワイの夜」の鶴田浩二、「春の鼓笛」の川喜多雄二と角梨枝子、「花咲く我が家」の大坂志郎、「娘の晴着」の桜むつ子、「若奥様一番勝負」の日守新一、「カルメン純情す」の小林トシ子、それに落語の桂小金治など。
1953年製作/92分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1953年1月3日
ストーリー
自由大学の学生山地丈太郎、木原震二、梶英雄の三人はアルバイト合資会社を作り、山地はその社長格で、近所の食堂ワンダフルの娘ラン子はそのシンパだった。観光ガイドで作った資金を梶がスラれてから、神経をたてていた山地が或る日眼つきの悪い男を捕えた。その老スリは山地にいさめられ更生をちかって金を出したが、その金は山地たちの金ではなかった。山地たちが住むアパートの隣室へ越して来た山田瑞枝という美しい娘は、大陸で行方不明になった父を探していたが、その父が実は老スリ野島末吉だった。しかし山地たちは観光ガイドをして知り合った内海玲子夫人の紹介で日本一興業へ就職するが、社長の内海氏が瑞枝の持っている父の写真とそっくりなので、てっきりと思い、瑞枝をよろこばせる。一方野島末吉には、お松という女スリの養女がいるが、お松は父を改心させた山地という男に憤慨して会って見ると、その怒りは吹きとんで、彼女もスリをやめようと思うほど彼にひきつけられた。が、山地の心が瑞枝にあると知って、嫉妬にかられ、瑞枝の父は末吉だとバラしてしまった。瑞枝はそのため失踪し、お松も後悔して山地に協力してその行方を探した。瑞枝は内海氏に会って事の次第を打明けていた。同情した内海氏は瑞枝を養女にするといい、それを蔭ながらきいた末吉は、自首をして本当に更生しようと黙って去って行った。お松も山地をあきらめたが、やはりきれいに生きて行くことを誓うのだった。