思い出の指輪

劇場公開日:

解説

「夜明けの二人」の桜井義久が脚本を担当、「囁きのジョー」の斎藤耕一がメガホンをとった青春もの。撮影も斉藤耕一が担当。

1968年製作/84分/日本
原題または英題:The Wonderful Ones
配給:松竹
劇場公開日:1968年4月27日

ストーリー

城南学園には、毎年卒業生の中から、最も素晴らしい男子生徒を選び、指輪を贈る伝統があった。このナルシスの指輪を手にすることこそ、男子生徒の最高の名誉だった。その選考会が間近にせまったある日、大事件が起った。次期後継者に渡されるべき指輪を、前年度の有資格者堺がなくしてしまったのだ。南太平洋演奏旅行中の堺から、緊急電報を受け取った学園OBで運営委員の昌子は、二人の探偵を派遣して、選考に臨んだ。全校女生徒の熱烈な推薦を受けた候補は五名。清水、林、小池、笹井、小松、いずれ劣らぬ好青年だった。委員たちは、その日から五人を徹底的にマークした。一方、焦る昌子は、選考の時期尚早を説き、指輪が戻るのを一日千秋の思いで待っていた。そんなある日、委員たちは在校生委員柏原真樹子の別荘で、最終的な選考テストをすることになった。ところが湖畔にやってきた五人は、途中に出逢った美しい京子に惹かれてしまった。この京子こそ、五人が生涯忘れることの出来ない高校時代の音楽教師坂本の妹だった。坂本はグレていた五人を音楽を通じて立ち直らせたのだ。京子から一晩だけのショウを頼まれ、ステージで奏し、歌う曲はいずれも坂本が彼らのためにつくったものだった。真樹子たちは、初めて接したこの新しい魅力にすっかり興奮したが、その日から五人は、秘密行動をとるようになってしまった。やがて五人はVSジャズ喫茶に出演しはじめた。これをつきとめた委員たちは彼らを候補失格と決めた。だが、その席で昌子から意外な事実が発表された。坂本が重病に倒れ、女の細腕で苦労を続ける京子を五人が助けていたのだ。師弟愛にうたれた委員たちは、昌子の提案で五人に指輪を渡すことに一致した。それから一週間、スパイダースが南太平洋演奏旅行から帰って来た。思い出の指輪を演奏して迎えるヴィレッジ・シンガーズの面々はいつになく晴々としていた。

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