男はつらいよ 寅次郎の縁談のレビュー・感想・評価
全16件を表示
稚拙で時代遅れで甘っちょろくてご都合主義な話
このウマシカ甥っ子には就職は絶対に無理。
啖呵売やれば良いんじゃない。
10月解禁はこの頃まだあったはずだ。
大学の卒論はどうしたんだ!
この演出家の語る旅って、東京中心座標なんだよね。
東京の何処から来たか解らない様な馬の骨を、無条件に受け入れる様な地方文化は日本には無い。右へならえ、左にならえで迎合する様な社会。
真面目に僻地医療に従事する人達に大変に失礼だ。
タンゴ踊るなら、きちんと振り付けしなけりゃ。安直過ぎる。
就職なんて頑張ってするもんじゃない。この映画の演出家も頑張ってマツタケ映画に入社したのかなぁ?
あの大災害まで、あと二年。
【”旅は行き先を決めてするものではない、と寅さんは言った。”今作は満男が就職試験に落ち続けて、香川の島で過ごす中で、迎えに来た寅さんや島の人達に癒されて再出発をする物語である。】
■就職活動がうまくいかない満男は父・博と大げんかして家出。たまたま戻って来た寅次郎が迎えにいくことになり、香川の琴島へと向かう。
その島にはヨウコという美しい女性が父の家に戻って来ていて、寅次郎はいつものように一目惚れする。
そして、満男も看護師のアヤと親しくなる。
◆感想
・45作目まで、このシリーズを観て来たがおいちゃんも、おばちゃんもタコ社長も、ドンドン老いて行くのが、ちょっと辛くて暫く鑑賞しなかった作品である。
・だが、寅さんシリーズを久しぶりに鑑賞すると、ヤッパリ良いのだなあ。
・それは、島の人達の東京から来た満男に対し普通に接する姿や、寅さんの満男に対し、無理やり連れ帰るのではなく、”まずは、話を聞こうじゃないか。”と言って微笑む表情である。
そこが、父母である、博やさくらとの違いなのだろうなあ。
博の”昔は、父の事が好きではなかったのに、いつの間にか俺もそういう父親になったのかなあ。”という言葉は、何だかシンミリするなあ。
・満男にとって、寅さんは何でも話せるオジサンであり、心の清涼剤であり、ビタミン剤ではないのかな。
・今作では、年老いた昔は羽振りの良かった男(島田正吾)が妾に生ませたヨウコ(松坂慶子)が登場し、いつものように寅さんは彼女に惹かれるのだが、ヨウコは寅さんにだけは自分の境遇を語るのである。
詰まりは、寅さんとは、誰からも気軽に身の上話を出来る類稀なる雰囲気を漂わせた男であり、矢張り、こんな男はそうそういるものではないよね。
そして、男は寅さんからヨウコの身の上を聞いて”スマンカッタナア”と言って、家の権利書一式をヨウコに差し出すのである。
<久しぶりに、寅さんシリーズを観ると、このシリーズが如何に当時の日本国民に愛されたのか。そして、今観ても古さを感じさせないとても大切な事を、随所で描いているシリーズであるという事に気付くのである。
残りの作品も少なくなってきたが、大切に観て行こうと思ったよ。>
松坂慶子さんは演技上手ですね
この島は東京より20年は未来だったのです それが本作の舞台にこの島が選ばれた理由だと思います
1993年12月公開
バブル崩壊はいよいよ厳しくなって来ました
就職氷河期の始まりです
たった2年ほど前はあれほどの売り手市場だったのに様変わりです
1998年頃の本当の就職氷河期からみたら、こんなぐらい当たり前のことです
もっともっと大変だったと思います
まあ、満男の面接ぶりをみたら落ち続けるのは当然かも知れません
「車でお金貸します」なんて広告が、夜道を帰るさくらと博の背後の壁にあります
バブル崩壊はサラ金の隆盛をもたらしたということです
松坂慶子 41歳
第27作「男はつらいよ浪花の恋の寅次郎」以来の2度目12年ぶりのマドンナ出演です
まだまだ美しい!
病み上がりという設定もありますが、この頃はまだ細かったのでした
彼女の役もまた、バブル崩壊の犠牲者で、借金で夜逃げしてきた神戸の料亭の女将というもの
例によって寅さんといい感じになります
二人で金毘羅さん、高松の栗林公園とデートします
「もう!いじわる!」と彼女が寅さんの手をつねります
その時、公園のアナウンスが小さく聞こえます
「鯉が三千匹おります」
「ちょうど鯉がささやかな恋をしております」
ちょいと面白い演出でした
老人ばかりの瀬戸内海の小島
巡回してくる医者と看護婦
ホームヘルパーというワードもでます
この頃から人口減少と超高齢化社会は始まっていたのです
何でも東京が最先端ということは有りません
日本の未来はこの小島が先取りしていたのでした
田舎こそ、過疎地こそ、日本の最先端なのです
この島は東京より20年は未来だったのです
それが本作の舞台にこの島が選ばれた理由だと思います
エピローグはお約束のお正月のシーン
今年も泉ちゃんは満男に会いに来ませんでした
もう2年連続です
満男は泉ちゃんのことをすっかり忘れ果ててしまっています
だって亜矢ちゃんから貰った手編みのセーターを未だに正月から着ているぐらいです
泉ちゃんがもし会いに来たら何と言い訳する気なのでしょうか?
彼の中では泉ちゃんは完全に過去のものになってしまっているのです
就活の失敗続きにへこたれたとき、満男の頭には泉ちゃんのことはこれっぽっちもなかったのです
彼女のいる名古屋に行こうなんて発想すらなかったのです
琴島で亜矢ちゃんといい感じになったときにも、彼の脳裏には泉ちゃんはなかったのです
遠距離恋愛のパターンそのものです
きちんと別れをしたわけでもないのに、疎遠になってしまい
すっかり忘れてしまう
その内新しい異性との出会いがあるのです
彼は亜矢ちゃんが積極的になって、周囲も結婚するという目で見始めると、逃げ出してしまいます
それには泉ちゃんに悪いからとかいう考えはこれっぽっちもないのです
自分に自信がないからだけなのです
泉ちゃんのときと同じなのです
ラストシーンは正月の商売をしている寅さんです
隣でポンシュウが恐竜のビニール人形を売っています
のぼりには、S. スピルバーグ ジュラシックパークと大書きしてあります
この年の公開で大ヒットしました
最後の最後
赤い風船と黄色い風船が海と岬を背景に、空に漂い上って行きます
寅さんと満男のことを象徴しているのでしょう
この作品の前後の何本かは主人公が渥美清じゃなくて 吉岡秀隆なのかな。 マドンナも松坂慶子じゃなくて琴島の看護婦さん役の方かと 思えるほど。 吉岡秀隆と琴島の看護婦さん(城山美佳子)の別れのシーンは
行き先を定めぬのが旅というもの。
「男はつらいよ」シリーズ第46作。
Huluで「HDリマスター版」を鑑賞。
就活中の満男。目下30連敗中…。今日も最終面接を受けた会社から不採用の電話が…。何もかも嫌になって自暴自棄になってしまい博と大喧嘩の末、旅に出てしまいました。やることが段々と寅さんじみて来ましたなぁ…(笑)
その寅さんと言えば、柴又に戻って来て早々満男のことをさくらと博から相談され、「俺に任せとけ」とばかりに安請け合い(笑) タイミング良く満男から届いた小包の荷札を手掛かりに、香川県の琴島に向かうのでした。
当地で満男はせっせと島の住人のお手伝い。すっかり陽に焼けてちょっとは逞しくなった?(笑) 島の診療所の看護婦・亜矢ちゃんといい仲に…。手編みのセーターを貰い、そしてキスまで…。おい、泉ちゃん忘れてないか!?(笑)
満男を連れ戻しに行った寅さんは、久し振りに恋に落ちました。その相手・葉子も寅さんに好意を抱いている様子で…。満男のコーチは置いといて、自らの恋に奮闘するものの、結果はやっぱり…身を引いてしまいましたとさ…。
満男も一緒に東京に帰ることになりました。亜矢ちゃんとの短い恋もここに幕を閉じました…。見送りのシーンが何とも切なかったです…。「男たるもの、引き際が肝心よ」―我らが恋愛マイスター、車寅次郎氏の談です(笑)
――
寅さんが琴島にいる頃、大雨が降る柴又で、くるまやの前を横切った釣り人姿のその男…浜ちゃんじゃないか! まさかの登場に驚きました。松竹喜劇映画ユニバース?(笑)
御前様の娘・冬子が「奮闘篇」以来の再登場! さくらとの会話の中で、御前様はまだ存命という設定が明かされました。自宅の縁側で寅さんのことを心配し、「困ったぁ、困った」と呟いてらっしゃるのでしょうか…?
――
琴島で寅さんが階段を上るシーンがありましたが、とても辛そうに見えました。座っている場面も多かったですし、いよいよ別れのときが近付いているんだなと実感させられました。いよいよ、後2作を残すのみ…。
旅というのは行き先を決めてから行くもんじゃない!
「瀬戸の花嫁」が何度も聴ける懐かしさ。さすがにタンゴはわかんないけど、やけのやんぱち日焼けのナスビだ!
この46作目を見ていると、大学時代の就職活動を思い出すとともに、その息子を心配する両親の気持ちにも心打たれる。最終面接も嘘をつこうとするためにシドロモドロになる満男。不採用の電話が掛かってくるときのさくらの顔見るだけでも涙できるのです。やっぱり寅さんの影響が大きく、自由に生きたいという満男。香川の琴島では手伝いをするうちに住みついてしまった満男。村の人たちには看護婦の亜矢ちゃんとお似合いだと噂されるが、連れ戻しにやってきた寅さんはその家の娘に一目ぼれ・・・
西田敏行がちょい役でゲスト出演でびっくり。さすがに釣り人の通行人だった。細かなことですが、ポンシュウが売っていた恐竜はスピルバーグ提供の「ジェラシックパーク」のモノだ。誰にジェラシー感じているのやら・・・(笑)
就職は上手くいったけど、「満男!また振られたぞ!」と、亜矢ちゃんが恋人を連れて初詣に来ていたシーン。あぁ、やっぱり満男くんてば・・・。
そんなワンパターンの振られ具合で終わるかと思っていたら、ラストの正月シーンで松坂慶子がとらやの手伝いをしているという珍しいパターン。こんな感じだったら、次回作で結婚というのも有りじゃないかとほっこりさせてくれるエンディングでした。
満男の就職活動
シリーズ46作目。
就職活動中の満男。
大学入学も苦労したが、今回も。
30社以上も落ち続け、秋になっても決まらないでいた。
博の兄から紹介された会社の面接を受けるが、またしても…。
何もかも嫌になり、博と喧嘩して衝動的に家を飛び出してしまう…。
一週間が経ち、家出の大先輩・寅さんが帰ってくる。
家出の価値観を巡ってまたいつものように口論になっている所へ、満男から小包が。瀬戸内海の小島・琴島に居る事が判明。
さくらに頼まれ、寅さんは満男を迎えに行く事に。
どう説得する?…と問われた時の、「満男、おじさんの顔をよ~く見ろ。これが、一生就職出来なかった人間の成れの果てだ。お前もこうなりたいか?」という寅さんの台詞に座布団一枚!
その琴島で、
満男は漁をしたり、老人たちに代わって力仕事をしたり、生き生きと過ごしていた。若い看護婦の亜矢とは何やらいい雰囲気。
寅さんが到着。が、満男はこの島での暮らしに満足し、帰る事を拒む。
そんな時、満男が世話になっている家で療養中の葉子と出会い…。
話や設定や展開はこれまでのあるあるド定番。
若者の家出はあけみが家出した36作目『柴又より愛をこめて』風。
ユートピアのような小島。
寅さんと満男を迎え祝ってのどんちゃん騒ぎ。
寅さんと葉子、満男と亜矢、双方の恋。
恋の行方は言わずもながな。
就職活動に苦しむ満男の姿には同情してしまう。
何通も何通も履歴書を書き、何社も何社も面接で自己PRや志望動機など同じ事を言い繰り返す。
「テープレコーダーじゃねぇんだぞ、俺は!」
元々口下手で不器用であがり症の満男。
自分も就職には苦労したので、その時の事を思い出してしまった。
満男のように何社も何社も落ちてうんざりしていたのに、今の仕事はあっさりと決まった。不思議なもんだ。
松坂慶子は27作目『浪花の恋の寅次郎』以来2度目のマドンナ。寅さんと両想いの大人の恋を物語りつつ、仕事で行き詰まり、父の妾の子という苦労も滲ませる。
その父親役で、新国劇のベテラン・島田正吾。元外国航路の船長というモダンでハイカラな老人で、娘とタンゴを踊るシーンは白眉。中盤、妾の子でありながら本妻の子以上に自分を慕ってくる娘について寅さんと語るシーンはしみじみ。
満男が恋する看護婦である島の娘はチャーミングだが、どうしてもゴクミと比べると…。
SPゲストに注目!
笠智衆は亡くなったが、御前様はご健在という設定。その娘で第1作目のマドンナ・光本幸子が再々登場。
そして飛びっきりのSPゲストなのが、
くるまやに声を掛けてきたのは、同じ松竹の人気シリーズのあの釣りバカ男!
ワンシーンだけで寅さんとの絡みは無いが(おばちゃんとは話する)、夢のクロスオーバー!
島の雰囲気が本当に心地よい。
こんな島で少しでも過ごせたら、心癒され、また頑張ろうという気持ちにさせてくれる。
本作から寅さんが終始マフラーを巻いている事が多くなった。これには訳が。
この頃から渥美清の体調が悪化し始め、治療で首に注射をし、その注射跡を隠す為。
寅さんは病気一つした事無い健康児なので、首に注射跡など見せられない!…という渥美清の強い意思。
タイトルなし
満男が就職氷河期で琴島に家出する。不景気が叫ばれていたのだが、今よりずっと景気がいいので困る。当時の人は大変だろうけど、もっとひどくなるぞと思う。満男は琴島でナースの女の子に告白された途端、ケツをまくって逃げる。
寅さんの声がうわずったような感じで弱々しい。顔も張りがなくて、目が引っ込んでいる感じだ。
遣らずの雨と羅生門
Vol.46 この終盤にきてど定番。 御前様が健在の設定に泣ける。...
瀬戸の花嫁・・
全16件を表示