大当り三色娘
劇場公開日:1957年7月13日
解説
昨年の「ロマンス娘」につづく美空ひばり、江利チエミ、雪村いづみの三人共演によるミュージカル。東宝スコープ第一回作品である。(東宝スコープ--画面比率タテ一対ヨコニ・三五、パースペクタ方式による立体音響)原作を“平凡”連載の中野実の「三色娘」にとり「山鳩」の井手俊郎が脚色、「忘却の花びら (完結篇)」のコンビ、杉江敏男が監督、完倉泰一が撮影した。主演は「おしどり喧嘩笠」の美空ひばり、「ロマンス誕生」の雪村いづみ、山田真二、「続サザエさん」の江利チエミ、「わが胸に虹は消えず (二部作)」の宝田明、江原達怡。ほかに若山セツ子、若原雅夫、草笛光子、伊豆肇、飯田蝶子など。色彩はイーストマンカラー。
1957年製作/94分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1957年7月13日
ストーリー
日本舞踊のお師匠さん兼女中のエリ子は、主人の小島家夫人に頼まれて、夫人の弟宏とエリ子の親友ミチオとを見合いさせることになった。ミチオは作曲家と歌手の夫妻の板倉家で好きな音楽の勉強をしながら、やはり女中をしているのだった。見合いの当日、片想いだったミチオに、晴れて会えるとハシャギ過ぎた宏は、鼻の頭を蜂に刺され大騒ぎ。そこでエリ子は下宿している学生京須をピンチヒッターに起用。一方、宏の身替りとは知らぬミチオは、宏だと思い込んだまま京須に夢中になってしまった。彼を好きなのはミチオばかりではない。ふとした縁で京須の引越しを手伝った岡田邸の女中トミ子も、彼に首ったけである。エリ子も論外ではない。そして、この三人の娘の頭の中では、それぞれ京須と一緒に唄いそして踊る楽しい幻想が繰展げられるのであった。そんなある日、トミ子は叔父の計いで、罐詰屋の息子吉岡と見合いをさせられたが、京須に魅かれている彼女はもちろんこの話を断った。吉岡もお義理でした見合だったが、明朗活溌な彼女をいつしか好きになってしまった。その頃、宏は自動車事故で足を骨折し入院したが、ミチオが見舞に来て、京須のことを宏と思い違いしていたが矢張り本当の宏さんの方が好きと打明けた。そこへトミ子と吉岡がお揃いで見舞に来た。お見合い以来、二人もすっかり仲良くなってしまったのだ。三人娘の巻ぞえをくった京須は嫌気がさして、エリ子が涙を浮べて引止めるのも聞かず下宿を引越してしまった。--エリ子の舞踊発表会の日、トミ子と吉岡、ミチオと宏の二組のカップルが仲よく姿を現わしたが、京須だけが来てない。しかし、ハネて帰ろうとする廊下でエリ子はぱったり京須に出会った。かくして、三組のカップルは三人娘の朗らかなコーラスに乗って目出たく結ばれたのであった。