王立宇宙軍 オネアミスの翼のレビュー・感想・評価
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期待が大きすぎたんだな。うん、きっとそうだ!
そのうち来るはず。まだか?そろそろか?
、、、、、、終わったやないか。
通好みの伝説の映画のようだし、1900円という一切の割引が効かない強気の料金設定もあり、大いに期待した自分がバカでした。あらすじから地味目な感じはしていたが。
兎に角フラストレーションが溜まった。特に彼女!なんも解らんまま、変化ないままやないか。これじゃ「ちょっと変わった女」なだけやん。
大御所たちが制作に携わっているので俺が分からないだけで実は深いのかもしれない。アニメの歴史においてエポックメイキングな作品なのかもしれない。
でもね。小難しい講釈があってようやく面白さがわかる映画ってやっぱちょっと違うと思う。映画って観終わった後「あー面白かった!」がまずないと。
✳︎良かった点も。ロケットのカウントダウンから飛び立つまでの臨場感と画の美しさ。それから独特な架空の世界の描写。どことなく『ファンタスティック・プラネット』を彷彿とさせた。
当時の時代背景が分からなければ伝わらない
メジャーのアニメ制作会社に対する独立系だったガイナックス。
そこに才能の数々が集結し、立派な映画を一本作り上げてしまった。この快挙も、今となっては背景を知る人物が減り、隔世の感がある。
ロシアがソビエト連邦だった時代。
ガンダムがヒットし、映画会社がSFアニメに積極的に投資していた時代。
バブル全盛で、物質の価値が底辺まで落ち、ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われた時代。
だから、あえて架空の国のロケット工学を背景に、あまりパッとしない主人公に、脱力感のある森本レオというキャスティング。華のない主題歌。など、全部彼らが決断して行ったのだ。
今日、ゆるぎない評価を受けているガイナックス出身の才傑たちの力を世に知らしめた作品。
曲、映像、ストーリー全てにおいて完成されている
学生の頃に予告を見て興味を持ちました。
ストーリーもさることながら曲が最高。
打ち上がったロケットを見上げる戦場の敵対する兵士たちが印象的。
今見ても何の遜色もない完成度。
見るしかないです。
映画作ったところでパンひとつ焼けない。それでも...!!
「下らないなんて悲しい事言うなよ立派だよぉ、歴史の教科書に載るぐらい立ッ派だよぉ!!」
心底みっともなくて、悲痛な叫び。大好きな台詞です。
【映画作ったところでパンひとつ焼けない。それでも...!!】
映画製作なんて、悪く言えば、無くてもどうせ誰も困らない仕事。
そのくせ理不尽にキツくて厭になる。
でも、医者になれるほど頭良くないし、強い責任も持てない。
「あぁ、何やってんだろ自分」と途方に暮れる、山賀監督の心境が滲み出た映画。
職業問わず、誰でも抱く不安なんじゃないかなと思い、私は深く共感した。
堅気とアニメ産業、どちらにものめり込めない冷めた自意識。
食いッぱぐれなければOKス、とうそぶいて隠す、不安と無力感。
山賀監督の宙ぶらりんな立場が、とてもよくわかる。
クライマックスのロケット打ち上げシーンは、息を飲む素晴らしさ。
人間が心血注いで作り上げた物は何であれ心を打つ、という彼らの切実な願いが叶う、見事な瞬間。
・・・でもさ、心を打つだけなんだ。
ほんの一瞬、みんなは心を奪われるけれど、すぐにまた日常に戻って行く。
打ち上げ花火のようなもの。命を懸けてまでやるようなことじゃない。
・・・一心不乱に興じることのできない切なさ。
バブル絶頂期の熱狂を冷ややかに見降ろす心情。
それでも、誰かの役に立ちたい/力になりたいという純粋な願いが透けて見える。
マニアへの目配せ的サービスとは無縁の、ガイナックスらしからぬ一本。
だから、私はこの映画がガイナ作品中で最も好き。
前へ進もうとする人たち
GAINAXは認識してたはずなので、観たのは90年代のはず。そらを目指す話にはめっぽう弱いとはいえ、手作り感如実に残しながらも、このクオリティには脱帽する。ある意味製作サイドの狂気の産物なんだと思う。
はるか昔に見た映画。当時劇場で見たがラピュタと同時上映だった。 一...
はるか昔に見た映画。当時劇場で見たがラピュタと同時上映だった。
一緒に行ってた友達がいまでいうアニメオタクで、ラピュタはその日2回、これは1回見た。
だけどこっちの方が自分としては見たかったな。とにかく映像がすごかった印象しかない。
内容はというと、なんともいえない青春時代の話。わざとらしいセリフもあるしエロ要素もある。
女の子がちょっとかわいそうな境遇だったが、話に引き込まれた。
人工衛星の話もよかった。人工衛星の仕組みをわかりやすく話してるシーンがあるが、今でも誰かに説明するときにそのシーンを思い出す。
人工衛星は常に落下しているっていうフレーズを聞いたときは「ほお!」と感動したものだった。
最後のロケット打ち上げシーンは友人から「このシーンはセル画を〇枚かさねて書いているんだよね」と教えてくれた。
何枚だったか忘れたが、ありえない数字と教えてくれたことが記憶に残ってる。
今じゃCGバリバリで書かれているアニメが大半だと思うが、CGを使っていない最後の超大作アニメはこれだと思う。
自分にとってはMVです!
擦り切れるほど(CDなのに?)サントラ聞きまくっている自分としては、本作品はMusic Videoでした。それもリマスタリングしてくれているので極上の。どうしても、BGMのたびに感情が動き、画面があとから追いかけてくる感じでした。
正直、ストーリーはなんてことなくて、厄介モノ集団というかお荷物集団というかドロップアウト軍団である王立宇宙軍が宇宙戦艦と称する有人衛星を打ち上げるまでのことにシロツグの成長、宇宙軍の意識変化、宇宙軍の立ち位置や宇宙戦艦の相対性だったりが絡んでくる「だけ」のことで、そんな面白いか?と問われればその面白さを肯定はしきれないです。ただ、改めて、映像の質だったり編集具合、BGMの使い所だったり、映画作品の外側は稀有な名作であることは間違いなく、それも20代の青年達が成し遂げたことは称賛されるべきだなあと改めて感じながらエンドロールを眺めながら、ところどころ驚きがやってきました。え?この人がこんなところで?とか。
今の時局に上映してくれたことに感謝です。ありがとうございました。
久しぶり、映画館は初鑑賞
緻密で勢いのある描写、緊張感のない主人公とじんわりした緊迫感。
ものづくりに命を燃やす愛すべき馬鹿者達。
異国情緒があるのに自分の国のようでもある美術と音楽。
初めて観た時は、ただただ凄いものに触れた感で興奮した。
改めて観ても、やっぱり凄い。
スタッフ陣の前の方にいる何人かは違和感を覚えるひともいるけど、良いものは良いな。
こんな尖ったものをよくぞ作った
今の地球とは、異なる文明として発達したパラレルワールドにある地球。制作陣は、完全な異世界を目指したというが、その言葉に偽りはなく、言語、服装、建築物、電車、料理、貨幣に至るまで今まで見たことがない文明世界が構築されている。
その反面、ドラマ部分が弱い。登場人物のバックボーンが描かれていないため、彼らの行動の多くが唐突に感じる。
なぜ、宇宙を目指さなければならないのか。明確なストーリーラインがないまま終盤に突入するが、終盤で登場する戦闘機、戦車などのメカのクォリティが凄い。被弾して墜落していく戦闘機の様子は実写以上の迫力がある。
ロケットの打ち上げのディテールも尋常ではない。見たことのない形状のスイッチ、異世界数字が表示される真空管、ロケットのデザインは、異星人のそれではないが、ギリギリ人類のものだと判別できるフォルムをしている。
ヒットする要素は全くなし。こんな尖ったものをよく作った。そんな作品でございます。
4Kリマスター版公開にて
「スゴい」と「面白い」は別だな、と感じた作品
この作品はとにかく「スゴい」の一言。
作画、演出、世界観…どれをとっても何十年も前の作品とは思えない、現代に新作として出してもなんら遜色ないクオリティで見てて圧巻。セル画の時代にこれだけよクオリティを追求することはもはや「狂気」だと言ってもいいくらい、とにかく「スゴい」作品。
ただ自分は基本的にレビューをする時は「面白いかどうか」で評価するので
「この作品は面白いか」を考えてみる。
・内容は面白いか→これはもちろん個人的感想になるが、手放しで「面白い!」とはとてもじゃないが言えない。内容は全編複雑かつシリアスで、少なくとも軽い気持ちで見た人は内容がイマイチ入ってこないだろう。何度も言うがこの作品は「スゴい」。「面白い」より「スゴい」が勝ってしまう。これが良いことなのか悪いことなのかはわからない。
・人に薦められるか?→よほどアニメ好きな人にしか薦められないし、この作品を薦められるくらいのオタクはもう大体この作品を見ている。少なくとも軽い気持ちで「オススメのアニメある?」と聞かれてもこの作品の名前を挙げる事はない。
・何度も見返したいか→これは微妙。見返す事があったとしても「面白いから見返した」ではないと思う。
…など、色々考えて見たが
感想は上記の通り。
非常に素晴らしいモノではあるが
「面白い」とはまた別ベクトルの作品。
ということで間を取って★は三つ。
こころが震える名作
初めて観た時、なんかよく分からないとんでもない衝撃を受けた映画。
それから幾年月、今まで生きてきた私という人間の、少なくとも十何パーセントくらいは「オネアミス」成分で出来ていると言っても過言ではない気がします。
自分にとっても、おそらく日本にとっても、その名が残されるべき重要な異世界SFアニメーション映画。音楽も至高。
圧倒的な作画と世界観で描かれる「未知への憧れ」
ほんの半世紀前まで、人間にとって宇宙は残された数少ないフロンティアだった。本作は、常に危険と隣り合わせでありながら、愚直に未知を追い続ける男たちを、そして常に醜いものを生み出してきた人間の進化を、それでも肯定することを描いた映画だ。伝説的なロケットの打ち上げシーンはその作画力はもちろん、サターンVやR-7ロケットといった、実際に打ち上げられたロケットの映像を思わせるカットがある。作中においては「戦わない軍隊」と言われているが、実際には軍事利用が盛んにされている宇宙技術の発展を肯定的に描きながら、それでもあくまで平和を祈る、平和のためにというメッセージが、登場人物の一見平坦に見える会話劇や演出から伝わってくる。細部まで練られた世界観も含め、スクリーンの中で、技術が生む黒い部分と格闘しながら、それでも情熱を燃やす男たちのドラマに心を打たれる。宇宙ファンであれば一見の価値ありだ。
時代感のチグハグ気になる
もう一つの地球で初めて有人宇宙飛行に成功する主人公、現状を変えたい立候補、訓練、葛藤、緊迫した打ち上げ... 主人公、神の教えを宣教する少女、仲間たちの描写も感化されたり心境の変化も伝わってくる。この時代も日本のアニメはしっかりしている。
地球の歴史に重ねてしまうせいか、冒頭の空母と戦闘機の最新鋭像と、街並みや庶民生活の風景、あるいは宇宙軍の時代感が合わないのが気になって仕方なかった。ガガーリンの記録映像を思い出させるシーンもあり、こちらは1950年代。なにかモヤモヤし、とても居心地が悪かった。
モノづくりを楽しむ大人たちに是非見て欲しい
ただひたすらに自分たちが大好きなミリタリー、大好きなロケットを自分たちの作り上げた異世界でゼロから作り上げぶっ飛ばす。
当時のガイナックスの人たちが大好きなモノを並べて泥まみれになりながら作り上げた作品なんだと思う。小道具一つにまでこだわり、新たな言語や独自の数学まで設定したのは途方もなく楽しい制作と妄想の日々だったからだろう。
かつて我々が段ボールの中の暗闇で夢見たコックピットでパイロットになり切り発射シークエンスで様々なスイッチを操作する姿を思い描いてほしい、そんな毎日が楽しくないわけが無い
宇宙軍=ガイナックスでありロケット=作品そのものなんだろう、意味もオチも無いがただ自分たちが楽しんだ作品がどんな評価なのかを見たかっただけのような気もする
子供の心を持った大人たちが真剣に砂場で遊んでいるような作品だと思う。映画として見たりアニメとしてみれば面白さに欠けるかも知れないが制作に目を向けた瞬間面白さが突如開花する稀有な作品だと思った
安彦良和氏はナンセンスと酷評したがワイワイと砂場でみんなで作り上げる異世界があまりに楽しそうで羨ましかったのだろう、自身も直後にヴィナス戦記と言う架空世界をバイクや戦車が走り回る作品を作りだした。
メッセージとしては
人間の進歩の結晶である宇宙船を奪ってどうしたいのかという疑問を宇宙的視点から投げかけている
最後は、人間の歩んできた過程の素晴らしさを訴えかける
素晴らしいものを宇宙という視点から、いざこざや国境を取り払って、みんなで、作り上げていきませんか?というメッセージなのでは
主人公の不出来な部分や争いを好まず、好きな人を守ろうとし、女性の裸に釣られる所は人間らしさを象徴しているか
戦争映画でもアクション映画でもありません。
架空の世界。初の宇宙飛行に挑む宇宙軍兵士の物語。
エヴァを世に送り出したガイナックスの初作品です。当時、最初に鑑賞した際には「面白くない」と感じたのですが、2回目鑑賞した際には「味わい深い秀作」と感じた作品でした。
宇宙軍が出て来ますが、戦争映画でもアクション映画でもありません。宇宙に挑む兵士の苦悩、迷い、そして精神の再生を描きます。ぐうたらな主人公の対比として、信心深い少女を登場させることで、効果的に無理なく再生ストーリーを描きます。
そして、主人公の悩みが深い分、クライマックスのカタルシスが深まります。
大人も楽しめる作品は当時も多くありましたが、大人が楽しめる作品はこの作品が初めてだったように思います。
正直、地味な作品ですし、エンディングがやや諄く感じたので評点は4にしましたが、未鑑賞の方はぜひ一度鑑賞して欲しい秀作だと思います。
普通につまらない。ストーリーが起承転結になってない。
キャラに魅力もない。森本レオの声も聞きにくい。
レイプ未遂や暗殺未遂シーンは、一体何だったのか?
人の動きや爆発は凄い。けどそれを見せたいなら、
王国とか宇宙とかじゃない方がいいんじゃね? という感じ。
王立宇宙軍とはガイナックスのこと そして思い出のダイコン3
Daicon 3 も今は昔
SF小説ファンの大会が日本各地の都市で持ち回り開催されていて1981年は大阪で3回目の開催であった
森之宮ピロティホールが会場だった
多くのSF小説ファンサークルがセッションをしたり、今のコミケの様に同人誌を販売していた
漫画やイラストのあるものは当時は殆ど無かった
だからその大ホールでのオープニングセレモニーに先立って上映された短編アニメフィルムは衝撃的であった
そのクォリティ、その映像センスは、その当時のプロの作品をも凌ぐものだったからだ
なによりテイストがオタクそのものだった
オタクという言葉すら生まれてはいない時代だったのだが、今とはニュアンスの異なる意味あいで概念は生まれようとしていたとは思う
そのアニメフィルムを制作したのは、当時大学生で後にガイナックスとなる人達だった
ダイコン3のことは何もかも忘れ果ててしまったが、その通称ダイコンフィルムの幾つかのシーンは未だに目に焼き付いている
彼らは大学卒業後に普通に就職したり、その才能を活かして有名アニメスタジオや特撮ものプロダクションに入らなかった
日本のオタク文化にとってそれは幸運なことだった
既存のスタジオでも彼らの能力はもちろん発揮されただろう
だが後の爆発的な展開は彼らがオリジナルのままプロ化したことに理由がある
自分達が心からカッコ良いと思える作画を妥協せず描く、そして気持ち良いと思える動きをさせる
そのプリミティブな動機が、既存のスタジオでは希薄化されていたはずだ
大学卒業後に彼らが始めたのはコミケの同人サークルの常設店のような同人誌やグッズの販売をするゼネラルプロダクツという店だった
大阪の桃谷駅の近くの住宅街の中の2階にあり、ファミレスほどの結構広い店であった
ウルトラホークやマクロスのヴァルキリーの航空情報専門誌を模して、各機体の開発過程を解説した冊子を買い求めたものだ
フライトエンベロープのグラフまであり買わずにはいられない程のものだった
その間にもマニアックな映像作品は幾つか製作され、それがいつしかガイナックスのフレームとなり、気がつけば映画となっていたのだ
本作はその彼らがガイナックスを名乗り、2時間もの作品として既存のスタジオに対して突きつけた挑戦状なのだと思う
映像のクオリティはとんでもないものであることは誰でも一目でわかるだろう
ただ、それをもって何をなにを表現しようとしたかったのか
そこだけはこれからなのだ
彼らこそ王立宇宙軍そのものだ
王立という言葉にこそ彼らのプライドが秘められている
今彼らの宇宙戦艦は宇宙へリフトオフしたばかりなのだ
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