劇場公開日 2022年10月28日

「時代感のチグハグ気になる」王立宇宙軍 オネアミスの翼 bluetom2000さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0時代感のチグハグ気になる

2021年8月27日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

もう一つの地球で初めて有人宇宙飛行に成功する主人公、現状を変えたい立候補、訓練、葛藤、緊迫した打ち上げ... 主人公、神の教えを宣教する少女、仲間たちの描写も感化されたり心境の変化も伝わってくる。この時代も日本のアニメはしっかりしている。
地球の歴史に重ねてしまうせいか、冒頭の空母と戦闘機の最新鋭像と、街並みや庶民生活の風景、あるいは宇宙軍の時代感が合わないのが気になって仕方なかった。ガガーリンの記録映像を思い出させるシーンもあり、こちらは1950年代。なにかモヤモヤし、とても居心地が悪かった。

Bluetom2020
Bluetom2020さんのコメント
2022年6月13日

ありがとうございます。それほど新鋭でもなかったということなんですね。勉強になります。

Bluetom2020
ふみさんのコメント
2022年6月13日

マニアからクリエーターにジョブチェンジしたオタク集団によって作り上げられた圧倒的情報量で観客の理解を突き飛ばすのがこの映画のスタイルですが、設定そのものは辻褄があっているので、違和感を覚えるかどうかは観客にかかっています。

>地球の歴史に重ねてしまうせいか、冒頭の空母と戦闘機の最新鋭像と、街並みや庶民生活の風景、あるいは宇宙軍の時代感が合わないのが気になって仕方なかった。

マニア視点で冒頭の映像を見るのであれば「ジェット戦闘機が人が押して引いて移動できるくらいに軽い(現代であれば25トン、艦上ジェット戦闘機が数トンだったのはエンジンが非力な40年代に開発が開始されたもの)」「カタパルトとの接続がブライドルワイヤーを使ってる(現実での50年代以前の設計思想、60年代以降の米海軍であればノーズギアに接続)」「蒸気カタパルトを使っている(イギリスで開発されたのは1950年)」という具合に年代の「あたり」がつけられます。

シロツグはこれを「子供の頃」と言ってるので、10年くらい時間が経ったとするなら本編の舞台は地球での60年代前半。つまり1961年のガガーリン、ジョン・グレンの宇宙飛行と符号するわけです。
そして企画、監督、キャラクターデザイナー、作画監督たちが1960年前後生まれの数歳差の同世代ということもあり、作中の「人類が初めて宇宙飛行をした時代」の庶民生活の描写の根底は、地球の歴史における同時代、東京オリンピック前だった彼ら自身の幼少期の振り返りでもあります。

ふみ