WINDS OF GOD
劇場公開日:1995年6月3日
解説
平成のお気楽漫才師が、戦時中へタイムスリップ。そこで巻き起こる騒動を綴ったファンタスティックなコメディ・ドラマ。監督は、舞台版の演出も手掛けた奈良橋陽子。原作・脚色・主演をつとめたのは「右向け左! 自衛隊へ行こう」の今井雅之。モントリオール国際映画祭出品。
1995年製作/97分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1995年6月3日
ストーリー
いつかお笑い名人大賞をこの手にと思っている漫才コンビ・田代と金太は、実際は今夜の食事にも事欠くような貧乏状態。それでもナンパだけはしたいと50ccの超おんぼろバイクを駆って、亀有へと出掛けて行くのであった。ところが、途中でトラックと接触事故を起こしてしまい、二人は病院へ担ぎこまれる。だが、彼らが運ばれたのは、カミカゼ特攻隊の兵舎だった。なんと二人は事故のショックで戦争の時代へタイムスリップしてしまったのである。しかも、田代は岸田、金太は福元という優秀な特攻隊員と間違われていた。二人はどうやら沖縄出撃途中に機械の不良から接触事故を起こしていた岸田と福元が、丁度同じ頃別の時代で事故に遭った田代と金太の魂を自分たちの体の中に引き入れたらしいことを知る。ショックを隠せない二人は脱走すれば銃殺刑という話を聞いて恐れおののくが、どうせ飛行機の操縦の仕方も知らないのであれば特攻出撃もないだろうと、兵舎生活を送ることにする。だが、日一日と戦時状況が悪化する中、仲間の特攻隊員たちが次々とその若い命を落としていくのを目の当たりにして、田代は何かと上官の山田に食ってかかるが、そのような行為が通るような時代ではなかった。そんなことがあってますますこの時代に嫌気がさした田代は、もう一度事故の時のようなショックを得られれば平成時代に戻れるのではないかと考え、屋根から飛び下りたりしてみるが、どれも失敗に終わる。だが、事態はもっと悪い方へ向かっていたのだ。金太の中にいる福元の魂がその顔を現そうとしていた。次第にニッポン男児としての意識に目覚めて行く金太。彼は遂に特攻の命令をうけてゼロ戦に乗り込むことになってしまう。どうにかしてそれを引き留めたい田代は、金太のゼロ戦を追って自分もゼロ戦に乗る。だが、田代の説得に耳を貸さない金太は、敵艦に向かって突っ込んで行くのだった。次に田代が目覚めたのは、平成時代の病院の中。横には息をひきとった金太が安らかに眠っていた。その後、新しい相棒とコンビを組んだ田代は、今日も舞台に立ってお笑い名人大賞を目指し、観客を笑いの渦に巻き込んでいくのであった。