暴れん坊兄弟
劇場公開日:1960年6月5日
解説
山本周五郎の『思い違い物語』を、「ひばりの森の石松」のコンビ鷹沢和善が脚色し、沢島忠が監督した娯楽時代劇。「浪人市場 朝やけ天狗」の吉田貞次が撮影した。
1960年製作/86分/日本
配給:東映
劇場公開日:1960年6月5日
ストーリー
泰助と泰三は仲よしの兄弟だったが、泰助はのんびり屋、泰三は粗忽者と性格は反対だった。兄の泰助は、主君松平長門守から初の国入りを控えて国詰めを命じられた。泰助来たるの報に、若葉城はわいた。兄弟の父の親友だった家老の山治右衛門がベタぼめするので、泰助は武芸百般の達人ということになってしまった。これは青年隊に反感を生じさせた。城下に着いた泰助は早速覆面の一隊に襲われて小川に落ち、山治家を訪れた時は全身濡れ鼠の有様だった。山治老や千賀、津留の姉妹らはがっかりした。数日後、江戸での泰助の行状を知らせる報告がつき、泰助の人気は一気に下落した。そんな時、弟の泰三がやってきた。彼は兄の悪口を耳にすると、兄をあざける侍達に鉄拳の雨を降らせた。さらに泰三は、藩の御料林の横流しに立合っていたという新井、角丸の二人を見つけて奉行のところへ連れて行った。しかし、結果は二人が首を斬られただけで、事件はうやむやのうちに終った。泰助の許へ、収納方下島孝之進の子供たちがやって来て父が殺されると訴えた。駈けつけた時はすでに遅かった。下島は汚職の黒幕は城代家老稲葉兵部で、今夜相模屋に集まると告げて死んだ。遂に泰助も怒り、丸太捧を抱えて一味の宴席に欧りこんだ。泰三と山治老も駈けつけた。--旬日後、若葉城に長門守がお国入りした。彼は泰助を城代家老に命じた。泰助が千賀と、泰三が津留と結ばれるのも間近いようだ。