AKIRAのレビュー・感想・評価
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We are not alone?
私はただ映画が好きというだけで、この30年を映画史的に、とか時系列で語れるほどの熱量も知識も持ち合わせていません。
でも、この作品中に溢れる〝知りたい❗️〟という好奇心とか探究心を想像するだけで十分楽しめました。
たぶんあの頃は、UFOとか宇宙人との遭遇、といった人類の発展と宇宙に進出することで生じるかもしれない少し夢見がちなテーマが主流だったと思うのです。
We are not alone
だから、それが前提だという一面があったけど、最近はもしかしたら、We are aloneかもしれないという考え方もあるようです。
人間が存在する理由、それは宇宙というものを認識する知的生命体がいないと、誰も宇宙の存在を分かってくれないから。
などという、本気なのか冗談なのか、ただの哲学的な命題なのか、私にはさっぱりわけのわからない説もあるようです。つまり、太陽のような恒星との関係において、水が蒸発することなく、またすべて凍ってしまうこともないような、生命の誕生にとって、絶妙な大きさと距離の惑星というのは、こんなに広い宇宙でも、地球しかないかもしれない、ということです。
・宇宙は何もない〝無〟から生まれた
・重力(=エネルギー)とは何か?
・いきなりビッグバンから始まり、今も膨張し続けている(ということはいつか限界に達して縮み始める?)
・人間はどうして存在するのか?
素人でも、ノーベル賞の季節などには、にわか勉強で読んだり聞いたりすることのあるそれらの科学的知見のほんの一部をヒントに作家さんたちが想像力を駆使して、AKIRAの世界観を作り上げたのではないか。
そんな作り手の頭の中を想像するだけで、ワクワクさせてくれます。
素晴らしい作品を素晴らしい形で!
30年以上前の1988年に公開された作品ですが、今観ても全く色褪せないのは本当に凄いですね。
これを当時初めてスクリーンで観た人はどれくらい感動したのでしょうか?
自分は今回IMAXで観終えた時、席から数分間立てなかったです。
さて、この映画のどういう所が好きかと問われたら何個も出てくるので非常に迷います(笑)
しかし一番に語らないといけないと思うのが、この圧倒的に格好良くてかつ非常に緻密な作画だと思います。
特に冒頭のバイクの暴走シーンは本当にスタイリッシュですし、セル画による迫力あるアクションシーンや爆発シーン等、他にも見所は満載です。
「レディ・プレイヤー1」にも出てきた金田のバイクもカッコいいですね!
ちなみに中盤で鉄雄が大砲の弾を空中で止めるシーンは、キアヌ・リーヴスの「マトリックス」にも影響を与えています。
また、大友監督は背景も素晴らしいです。
ディストピア系の映画だと背景が暗い時が多いのですが、これは都市のネオン等が実にカラフルです。
また、冒頭の摩天楼のカットは奥行きがありますし、よく見るとビルの窓の一つ一つも細かく描かれています。
通常のアニメだと灯りしか描かれないのが殆どですが、この作品では窓の中にカーテンやデスク等も映しており、とても他のアニメでは観られない緻密な作画が観ることが出来ます。
なお、AKIRAの原画スタッフのそうそうたる方達がいらっしゃいます。
・今敏や押井守作品の原画を担当し、カリスマアニメーターと呼ばれてる井上俊之氏
・「人狼」の監督や攻殻機動隊のキャラデザを手掛けた沖浦啓之氏
・京アニ全スタッフの師匠として、亡くなるまで支え続けた木上益治氏
・宇多田ヒカルのPV等も手掛けた素晴らしいイラストレーターの田中達之氏
・「若おかみは小学生」監督の高坂希太郎氏
・「ガリレイドンナ」監督の梅津泰臣氏
更に美術スタッフに、ufotableで「Fate」シリーズで写実的な背景美術を書いている海老沢一男氏という、
この素晴らしい方達を集めてあの緻密な作画が作られていますが、それでも大友監督の要望についていくのに苦労したそうです(笑)
ただ今回はIMAXで巨大なスクリーンに元々対応してなかったからか、少しボヤけてる箇所もありましたが、それを気にならないくらい他の演出や作画が素晴らしいので非常に満足でした!
そして、今回はリマスター版ということもあって音響が非常に良かった!
今まで少し弱く感じていた爆発音含めた効果音が圧倒的に綺麗になっていました。
リマスター版の裏話によると、今回音楽を全て一から録り直しているそうです!
音楽のアレンジをそのままに、新しい音で収録した上にハイレゾで収録されたという話です。これがIMAXの音響が対応してるのかは解りませんが、とりあえずIMAXの素晴らしい音響設備には相当適していたと思います。
音楽は、サイバーパンクなのに電子音を駆使したテクノサウンドではなく竹やガムラン等のケチャを駆使した生音というのも独特です。
哲学的なストーリーやキャラクターについても素晴らしいのですが、語りだしたら切りが無いですね。
とにかく、この映画を巨大なスクリーンで極上の音響設備で観れて本当に良かったです!
AKIRAを観るために2000円以上払いましたが、高く払ったかいがありました。
2019年の世界
ここから始まる
オリンピックイヤーに鑑賞
新境地
今でもこのクオリティには驚かされる
2019年12月劇場鑑賞
オリンピックを控えた2019年、シネマシティがこの奇跡のタイミングで極音上映にラインナップ。なんて粋なことするんでしょうか。
約2週間ほどの公開なのですが、初日とかでも無なく平日月曜のレイトタイムなのにほぼ満席。未だ衰えぬ人気の程が伺えます。
やはり皆んなもう一度でかいスクリーンで観たかったんでしょうね。
改めて振り返ると当時としては破格の10億という制作費、アフレコでなくプレスコ、会話の口の動きは通常3種に対して日本語の母音に合わせた5種類、総セル枚数15万枚に色彩数327色(もののけ姫 97年:14.4万、200色※もののけも相当な枚数です)、3DCGにシンクラヴィアの採用など物凄いこだわりがあります。
さらにメディアにする際には監督自ら200カットの修正に音響を向上させる為、追加費用1億投入するするなどとんでもない事になっています。
それにしても今観てもこのクオリティには驚かされますね、冒頭からゾクゾクします。
バイクチェイスとか本当格好良い、当時テールランプの再現にびっくりした記憶があります。
そして流石はシネマシティです音が素晴らしい、特に山城組の音の粒が実にクリア。
とても臨場感がありました。
今回鑑賞して感じたのは、未だAKIRAよりよく動いている日本のアニメーションは出てきてないのでは?と感じるほどでした。
スクリーンで観るネオ東京崩壊のシーンとか、もう圧巻でしたね。
いや本当に面白かったです。
上映後なんですが、会場で拍手がおこったのは驚きました。
壇上に誰かいるわけでも無いんですよ?純粋に作品に対して拍手が湧き出たんですね。ちょっと感慨深かったです。
来年には4Kリマスターのソフトが出ますし、新アニメプロジェクトなど再び動きが出てきたアキラ(ハリウッド版は再び企画凍結のようです)、色々楽しみが増えました。
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「4Kリマスター版」
2020年6月劇場鑑賞
昨年末のシネマシティに続いて「AKIRA 4Kリマスター版」も観てきました。
2020年の東京オリンピック開催決定、オリンピック開催できず、終焉を匂わせるようなコロナウイルスの爆発的な感染、最近はどうしてもアキラを意識してしまいます。
そんな中で4Kリマスターの公開、初日に行ってきました。
(この頃コロナが急激に加速してきていて、映画館に行けるのもこれでしばらく無理だろうな…って足どりだったのをおぼえています。)
昨年末観たばかりなのに何でしょうこのソワソワした気持ちは。
もうIMAXなのが最高でしたね。
映像のつぶが立っていてより細かい部分が見えるようになりました。
そして一番の変化はその音響でしょう。
とんでもなくクリアな音には本当にびっくりしました。
シネマシティのも素晴らしかったのですが、元をリマスタリングしているので別物のような音響なんですね。
エンドロールなんて、コンサートを聴いているかのようでした。
さすが山城組といったところでしょう。
山城組といえばAKIRA公演が予定されてましたが、コロナ騒動で流れてしまい残念です。
とはいえ延期公演が予定されているので、こちらも楽しみでしょうがありません。
これからも色々な展開と共に、楽しみでしょうが無い作品です。
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「ドルビーシネマ版」
2020年12月劇場鑑賞
さて、今年のとりを飾るかのようなドルビーシネマ上映の決定、これは嬉しかったですね。
何しろ初めてのドルビーシネマ鑑賞です。それが「AKIRA」なのですから期待せずにはいられません。
会場に着くと始まる前からドキドキしてました。
何というか、シートや空間が実にリッチ。
こんな環境で映画が観れるのが嬉しいですね。
AKIRAは前回4Kリマスター版で驚いたばかりなので、さてどんなもんだろなって感じでした。
が、始まるとたまげました。
とにかく音響が素晴らしい、特に山城組の音が冴に冴まくってました。
少し前に観たばかりなのですが、こうして新しい感動があるのは素直に嬉しいです。
いや本当ドルビーシネマすっごいですね、最初から最後までその音に圧倒されてました。
新作も発表されたことですし、まだまだAKIRAは広がりを見せそうです。
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「芸能山城組AKIRA公演『逢燦杰極譚』」
2021年5月公演
コロナ禍により二度の延期を経て、先日やっと公演された芸能山城組AKIRA公演です。
チケットは一階5列目。
これは結構良い席何じゃない?と会場に向かうと何故か5列が一番前になっていたのです。
座ったものの意味がわからず、また席を立ち二度見しました。
それでもやっぱり最前列でしたよ。
公演は三部構成になっており、一章でアキラのルーツとなった楽曲を、二章ではジェゴクという楽器の説明、三章ではそれら全てが集まったアキラの楽曲の演奏でした。
一章の演奏や二章の説明はとても興味深く、正直最初は微妙な感じがしていたのですが始まるととても面白かったです。
特にオリジナルのジェゴクを改良(1本増やしてる)した物を使用していたのには驚きました。いや、そこまでするのかと。
休憩を挟み、待望の三章の始まりです。
音質的には昨年末ドルビーシネマ版アキラの良かったと思うのですが流石ライブ、音圧が違います。
パフォーマンスからして並々ならぬ熱を感じるのですね。
あと最前列だとイマイチ確認できなかったのですが、これ完全に譜面無しで演奏してますよね?いや、これには驚きです。
終焉時には拍手が全く鳴りやまなく、そんなオーディエンスに隙をつかれたのか代表?の方は思わず涙していました。
最初から最後まで圧倒されるうような音の渦で、今回本当に観に来れて良かったです。この感動は生でないと知り得なかったでしょう。
コロナで延期につぐ延期の末での開催、本当に大変だっと思います。
この様な機会があれば必ずまた観に行きます、身震いする様な感動をありがとうございました。
原作はみてないけど
もうはじまっているからね
幼稚園のころ、親のダビングした小型テープで、映像が擦り切れるほど鑑賞した作品。
まさか、劇場で観れるとは!それだけでも幸せ!
大人になってからしっかり観ると、子どものときには理解出来なかった会話や背景をしっかり把握できた(大佐が査問会議にかけられるあたりの話、反乱分子内の関係性など)。
この作品で一番好きなキャラは、大佐だ。大佐ほどよくできた人間はいないと思う。事態を冷静に捉え、的確に指示を出す。幹部に屈しないで正義を貫く姿勢。強大な力に自分1人でも立ち向かう勇敢さ......
そういった先入観を排除してレビューするが、満点をつけざるを得ない。
・作画力
キャラとか背景の美しさは、現代のアニメの方が上。しかし、そういった要素がどうでもよくなるほど、物理表現が優れている。
何が起きているかを、頭に直接伝えてくるような圧倒的な描写力。非現実な現象でも、見入ってしまうほどの説得力。これらは、現代のアニメをはるかに凌駕している。予算の問題だけではなく、作画者の観察力と表現力が常人離れしているからこそ生み出せるものだと思った。あとは、とにかく、金田のバイクがカッコいい。
・シーンの見せ方
冒頭のオープニングで一気に観客の目を引きつける。あのオープニングを超えるアニメを観たことがない。
また、何巻もある原作の内容を1つの映画で完結させるための編集努力が感じられる。当然だが無駄と思われるシーンはない。逆に、ただシーンをはりつけてるだけでもない。シーン終了時ズームアウトさせる技法を使ったり、キャラが驚いたりするシーンに余韻をもたせることで、観客を引きつける。ただ、一部グロい表現があるため、そこは注意。
・ストーリーの構成
上述の通り、長い作品を1つにまとめているため、展開はスピーディ。1場面の後にどの場面を持ってくるのが効果的か、緻密に計算されているような気がした。原作とは違うオリジナルの展開が用意されているが、結末に至るまでの流れは自然。結末は賛否両論あるが、個人的にはOK。作品のテーマ的に、抽象的な部分を残すべきと感じられるからだ。最後の問いかけに対する正解は、何度観てもわからないが、それでも良いのかなと。
・音楽、効果音、セリフ
芸能山城組が、オープニング、エンディングを盛り上げる。重低音、ミステリアスな効果音もオリジナリティがある。金田の名台詞は何度聞いてもかっこいい。
この映画には様々な要素が詰まっている。
驚き、喜び、怒り、恐れ、悲しみ、友情、慈しみ、愛など。
とても見応えのあるアニメーション。
多くのアニメの原点としてふさわしい作品。
これはやばい…
なんてカルト的だろう。
これが1988年に作られたとは到底信じられない。というかその年代に作られたことがまたカルト的である。
映像、物語、すべてにおいてアニメの常識をぶち壊したことだろう。
「金田のバイク」アニメ好きの中ではかなり名の知れたワードだが、本当に金田のバイクはかっこいい。なにあの走ると蛍光の跡できる感じ。めちゃくちゃ格好いい…。
あとブレードランナー的な「ネオ東京」。ディストピア的世界なのに、どこか近代的。
どこまでも丁寧に作ってある。どれだけ時間をかけて作ったろうか。
ただ、前半に比べ、後半失速しているように思う。
目的が、少し現実離れしてきたあたりから、割とどうでもよくなるというか。
金田等のキャラクターについていけないのもひとつにある。昭和独特の話し方なのか。
タカシ、キヨミらの存在に関しては、面白い。思い出したのは、マイノリティリポート。
あの容姿にあの声はずるいわあ。
ラストについては、なんかなあ。ああなるなら、意味あった?って思ってしまった。
軍人のボスだけが一貫していて格好よかった。
アニメを超えて世界最高峰の映像体験を約束します
呆然自失、驚異の映像体験とはこのこと
世界最高峰のイマジネーションと映像表現を体験できます
原作のあの細密な書き込みが恐るべきことにアニメで再現され動くのだから、あり得ない次元のクリエイティブティーが発揮されています
これを超えるイマジネーションと映像表現は現代に至るまで未だにありません
ブレードランナーチルドレンであることは確かですが、模倣などひとかけらもなく、完全に独創的なイマジネーションです
そのイマジネーション自体だけでなく、それを表現する映像も極めて独創的であり、21世紀の何でもありのCGですら表現できない圧倒的なクオリティと迫力で提示されるのです
つまりクリエイターの頭の中にある映像自体が世界最高峰であり、これを超えるものが未だに無いということなのです
テクニックとかいうものでは絶対にない
天才とか異才という人にしかないものなのです
その上でそれを表現しうる画力を有しているということなのです
2017年に日本で開催されたブリューゲル展で、細密な事で世界的に有名な名画『バベルの塔』が展示されました
その際、その絵画を元に大友克洋先生が内部を元の絵画より細密なぐらいに描かれたものも展示されており、自分も時を忘れて食い入るように見いったでした
それくらい先生のイマジネーションと画力は世界的名画家の代表作にも匹敵し遜色もなく一体化している程の恐るべきレベルなのです
時は31年が過ぎ去り本作と同じ2019年
来年は東京オリンピックです
ジャパンクールとは本作を抜きに語ることは出来ません
これ程のイマジネーションの異才を日本は擁してしたのに、日本の映画界は宝の持ち腐れで31年もの間何をしていたのでしょう
美術(プロダクション・デザイン)に先生が活躍して頂く場は沢山あったはずです
あのEVバイクはシド・ミードよりも上を行くインダストリアル・デザインなのですから!
プアーな美術は、大道具さんの力ではなく、美術のイマジネーションのプアーさなのです
援用すらもできていません
これは日本映画のプロデューサーの責任です
先生のイマジネーションがあれば、どれ程日本映画の美術クオリティが上がったかことかと思うと本当に残念で仕方ありません
今からでも遅くは無いと思います
大友克洋先生の力をもっと発揮して頂くべきです
本当にもったいないことです
昔からぶっ飛んだ表現はぶっ飛んでたんだなぁ。
マイルストーン
こういう感じだっけ…?
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