阿賀に生きる

劇場公開日:

阿賀に生きる

解説

豊富な水量や豊かな自然を誇ることで知られ、1960年代に端を発する新潟水俣病の舞台にもなった新潟県・阿賀野川の流域に暮らす人々にスポットを当てたドキュメンタリー。本作が長編デビューとなる佐藤真監督ら7人のスタッフが3年にわたって同地で共同生活を送り、住人たちの生活に密着。川とともに生きてきた人々の日常をありのままに映し出すと同時に、その一方で彼らが水俣病の被害者家族であるという現実にも迫る。92年、ドキュメンタリー映画としては当時異例のロードショー公開が実現したほか、山形国際ドキュメンタリー映画祭優秀賞をはじめ映画賞を多数受賞。2012年、16mmニュープリントでリバイバル公開される。

1992年製作/115分/日本
配給:太秦
劇場公開日:2012年11月24日

その他の公開日:1992年9月26日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

監督
撮影
小林茂
録音
鈴木彰二
編集
佐藤真
音楽
経麻朗
整音
久保田幸雄
助監督
熊倉克久
ナレーター
鈴木彰二
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(C)阿賀に生きる製作委員会

映画レビュー

公害を糾弾する物語ではない

2024年8月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 地元の人々にとっては不本意でしょうが、新潟を流れる阿賀野川と聞くと、昭和電工が垂れ流した有機水銀による公害被害、いわゆる「新潟水俣病」の記憶が強く残っています。本作は、その元凶の工場があった山間で暮らし続けて来た人々を追ったドキュメンタリーです。

 公害、特に水俣病と言えば、土本典昭監督の一連のドキュメンタリーが映画史に屹立しており、本作はその阿賀野川版と想像(期待?)していたのですが全く違っていました。正反対の作品とすら言えます。公害被害への国や企業の責任を糾弾する怒号の声は全くありません。認定を求める被害者というのは本作中の人々の一面に過ぎず、カメラが捉えるのは、当たり前の日常を川沿いで淡々と生きるお年寄りの姿です。そこには、昔から続けている物もあり、既に失われた物もあります。また、皆さんの言葉の一つ一つが可笑しく滋味深く少し寂しいのです。そして、川の流れは力強く美しい。こんな撮り方もあったのかと感じ入りました。

 それにしても、「新潟水俣病」って熊本の水俣の患者さんや市民にとって何とグロテスクで思いやりのない言葉でしょう。水俣はいつまでどこまで負のイメージを背負い続けねばならないのでしょうか。

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La Strada

5.0ドキュメンタリー好きなら観て損はない。

2024年5月31日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

全部すごい。たまげた。
不勉強は承知ですが、それにしたってすごいです。
ここで描かれているのは、水俣病が、近代化が、阿賀の人々から奪ったものと奪えなかったものの全てだ。奪えなかったものが、何とまぁ豊かなことか!
あくまで予測だけど、公開当時は「なんだ、新潟水俣病の話じゃないじゃん。何なのこれ?」という評価で理解されないこともあったんじゃなかろうか。
全部のカットがすんごい…。見たことないような、すごいカットの連続で、感動しっぱなしであった。
渋谷のBunkamuraル・シネマで今公開されているものは全部見に行こうと思った。

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胃袋

4.0生きる原点と心に沁みる懐かしさ

2014年8月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

幸せ

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メイばば