赤い犯行 夢の後始末
劇場公開日:1997年1月31日
解説
日本映画の製作現場を舞台に、ひとりの映画監督が次第に追いつめられていく姿を描いた内幕ドラマ。監督は「アタシはジュース」のサトウトシキ。脚本は「不倫日記/濡れたままもう一度」の小林政広。撮影を「姉妹どんぶり/抜かずに中で」の小西泰正が担当している。主演は「エンドレス・ワルツ」の町田康。R指定。
1997年製作/67分/日本
配給:国映=新東宝映画
劇場公開日:1997年1月31日
ストーリー
生活のためにAVを撮っていた映画監督・細野に、久々に本篇の話が舞い込んできた。彼は脚本家の青井にシナリオ執筆を依頼するが、プロデューサーの小池はそのホンがつまらないと焼き捨ててしまう。細野は仕方なく自分で書こうとするが思うように進まず、たったひとりの理解者と思っていた恋人の圭子も、細野に愛想を尽かして実家へ帰ってしまった。追いつめられた細野は、青井が自分で監督しようと温めていたホンを盗む。そのホンの出来に小池は乗り気となり、撮影の準備にとりかかるよう指示を出した。細野は青井にホンをくれと頼むが、青井は頑として譲らない。思いつめた細野は青井を車で轢き、海へ死体を投げ捨てた。ところが後日、小池がスポンサーから金が入らなくなったと言ってきた。青井を殺してまで手に入れたホンをこのまま宙に浮かせるわけにはいかない。どうにもならないと分かりながら後にひけなくなった細野は、ロケハンに出かけた。その頃、死んだはずの青井が生還していた。青井は恋人の優子に、一生に一本でいいから映画を撮りたかったと夢を語るが、夢が現実になったら辛いだけよと慰められる。映画を撮る気持ちばかりが先行する細野は、ロケハン先で次第に常軌を逸して助監督にも見捨てられ、冬の陽光に向かって指でフレームを作りながら、「映画は情熱だ。情熱はキャメラの後ろにある」と呟いた。