愛と死の記録

劇場公開日:

解説

民芸の大橋喜一と小林吉男が共同で脚本を執筆、「愛の渇き」の蔵原惟繕が監督した純愛もの。撮影は「涙くんさよなら」の姫田真佐久。

1966年製作/92分/日本
配給:日活
劇場公開日:1966年9月17日

ストーリー

ある朝、松井和江は勤め先の楽器店の前で、危うくオートバイにはねられそうになり、持っているレコードを割ってしまった。そのオートバイに乗っていたのが印刷会社に勤める三原幸雄であった。その事件を機にふたりは急速に近づいていった。そして毎日のように会った。しかし幸雄の親がわりになっている製版班長の岩井は幸雄の恋を知って深刻な表情になった。幸雄は四歳の時被爆し、両親を失った。苛酷な運命を忘れかけた頃、突然幸雄は発病して原爆病院へ入院したが、四カ月で回復、それを機会に岩井の世話で内外印刷に入ったのだった。しかしいつまた発病するかわからなかった。ある日幸雄が作業中に貧血で倒れた。ついに来るものがきたという感じであった。その夜の幸雄は和江にはまるで別人のように見えた。幸雄は放心したように別れを告げると走り去ってしまった。数日後、幸雄は平和公園で和江に自分の運命を語った。しかし和江は熱愛の眼差しで励ますのだった。幸雄の入院中も和江は幸雄の回復を信じて毎日看病に通った。全快を祈って黙々と千羽鶴を折る和江をよそに、幸雄の病状は悪化するばかりであった。そして八月末幸雄は死んだ。悲しみにくれる和江は、被爆者の病院長や、両親から早く幸雄を忘れて新しい幸福を見つけるように慰められた。和江は数日すると、なぜか見違えるように明るくなった。和江は幸雄とはじめて会った日に行った喫茶店「ばんび」で置物のばんびを貰うと、それを病院へ贈った。その裏側には、幸雄と和江の名前が並んで書かれてあった。和江が幸雄の後を追ったのはそれから間もなくのことであった。

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映画レビュー

2.5ストーリー展開が雑

2022年6月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

映画としてはいまいち。ストーリー展開が全体的に雑に感じました。

急速に惹かれ合い過ぎて、お互い顔に惹かれただけの薄っぺらい愛に感じてしまう。日にちがどういう風に過ぎているのか分からないので、二人に感情移入出来ませんでした。

バイクでの初デートも幸雄は酷すぎる。和江は「私が悪かった」と言ってましたが、全く何が起こって幸雄が起こったのかさっぱり分かりませんでした。

よかった点は、悲劇って起こった直後だけが辛いのではない。その何十年後になっても続いていくということ。また、それが連鎖していってるということ。

日常が送れるようになっても、悲劇が強く関わっている人と関わりが少ない人の差が出てくるのは、何に対しても同じだなと思いました。

和江に対するみんなの慰めも心がなくて、追い詰めてるなと感じました。私たちは寄り添い方や立ち直り方など、いろんな事を悲しい経験から学ばせてもらってるんだなと思いました。

祖父母世代の若い頃を観るのは新鮮でおもしろかったです。いつの時代も若い子は元気で楽しそう。

実話が元になってるとレビューで知りましたが、脚本が残念だなと思いました。でも、お医者さんの言葉は一部を除いてはよかったなと思います。どうしたら、幸せな選択かは神様しか分からない、と。こればっかりは何十年経っても一緒だなと思いました。

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りりまる

5.0原爆の悲惨さを扱った映画の最高峰のひとつだと思います そしてまた本作は、吉永小百合、渡哲也の日本を代表する大スターの悲恋物語のスタート地点でもあったのです

2020年10月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

吉永小百合の主演映画で、良く似た題名の作品が有ります
1964年の作品「愛と死を見つめて」と、1966年の「愛と死の記録」です
有名なのは前者の作品ですが、本作は後者の方です

前者の作品では吉永小百合が不治の病になり、相手役の浜田光夫との文通と長距離電話での励ましの末に死別するという悲恋の物語

本作は、相手役の渡哲也が不治の病になり、吉永小百合が献身的な看病をするという内容で外形は似ていると言えば似ています

ですから、その前者の第二弾というか、何か二番煎じのような適当に作られた映画の様に思う人がいるかも知れません

全く違います

本作の方が圧倒的に優れており、感動して心を揺さぶられることと思います

本作の英語題名「The Heart Of Hiroshima」の方が遥かに本作の内容を的確に表しています

吉永小百合の演技を心から素晴らしいと絶賛出来る映画だと思います

終盤の「幸夫!」と叫ぶシーンの感動は彼女のベストアクトだと思います
今日に至るまで彼女のこれを超える演技は無いと思います

原爆の悲惨さを扱った映画の最高峰のひとつだと思います

幸夫が彼女を遠ざけていた理由を打ち明けようとする時、その背景に見える石碑は峠三吉詩碑です
その碑文が画面で読めるように撮影されていますから、是非読んで下さい
原爆ドームの内部に入るはその次のシーンです

そして、吉永小百合が「幸夫!」と絶叫する時に見上げる黒い人型の像は原爆の子の像です

ヒロインの和江が住む家は原爆スラムにあります
あの2007年の映画「夕凪の街 桜の国」のあの場所です
彼女の家に向かう救急車が走る大通りの向こう側に見える大きな高床式のビルは広島平和記念資料館本館です
「資料館の中を見たか?(中略)どんなに恐ろしいことか、放射能がどんなものか君には分からん!」
そう幸夫が和江に話した建物です

この物語だけで十分に傑作で星5つです
撮影、照明、脚本、演出も、配役、脇役陣の演技もみな優れており見応えがあります

しかし本作にはその映画自体の価値を超えた伝説が秘められています

本作はいつも通り相手役を浜田光男を予定していたそうです
しかし彼が不慮の怪我で出演できなくなり、初めて渡哲也が彼女の相手役となったのです

渡哲也25歳、吉永小百合22歳
撮影中に誰が見ても二人は相思相愛の仲になったといいます
1966年8月の1ヵ月間の広島ロケ
しかもこのような魂を震わせる原爆の悲惨な物語を現地で演じることは、若い男女を深く結びつけてしまうことは当然かも知れません

本作の二人には演技や演出を超えた、男女のケミストリーが立ちのぼっているのが分かります
それが迫真さになっているのです

この後、この二人は白鳥、青春の海と共演が続き、2年半程付き合い結婚をしようという所まで行ったのです

しかし、吉永小百合の父の猛反対
渡哲也の両親が彼女に専業主婦になって欲しいとの意向が障害となりました

こんな吉永小百合の肉声を伝える記事が有りました
「両親を説得できなかったんです。だから(渡哲也に)直接会って、『あなたとは結婚できません』と伝えました。涙が止まりませんでした。それで別れたんです」

引き離された恋ほど深くなるものはありません
その後渡哲也が一般女性と結婚してしまうと、彼女は泣き通して、ついには離婚歴のある20も歳上のテレビ局の男性と突然結婚してしまうのです

しかしそれで終わるような生易しい恋ではなかったのです
本作の、カットされてしまったという、原爆ドームでのラブシーンのことを、彼女は後に自著のエッセイに切々と綴り、その幻のシーンの写真を大きく載せるなど、渡哲也との愛が始まった本作をいつまでも大切な思い出としていたのです

彼女が原爆の読み語りをするようになるのも、本作の深い思い出が、反原爆への思いと分かちがたく結びついているのだと思います

そして、この二人がふたたび共演を果たすことになるのは 1998年の「時雨の記」まで有りません
二人が別れてから30年も後の事です

この映画は吉永小百が長年暖めてきた持ち込み企画といいます
そしてその内容は熟年男女の不倫の物語なのです

本作はそのような、吉永小百合、渡哲也の日本を代表する大スターの悲恋物語のスタート地点でもあったのです

そのようなことも頭に入れて本作を観れば、感動もより大きなものになり、感慨も深くなるとことと思います

傑作中の傑作です

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あき240

4.0純愛を貫いた二人

2020年8月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

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こころ

3.0違うラストにして欲しかった

2020年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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Bluetom2020

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