「無垢なエージェント」アレックス・ライダー odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
無垢なエージェント
以前、「キングスマン(2014)」を観て若者世代の007が誕生と思ったが本作の方が先駆けだった、ジュブナイル世代のスパイものでは「エージェント・コーディ(2003)」があるがCIAエージェントでした。本作の原作・脚本のアンソニー・ホロヴィッツさんはイアン・フレミング財団公認でボンドシリーズの続編「トリガー・モーティス」を書いたくらいだから本作が正統派かも知れませんね。
バックに北朝鮮(原作では中国)を匂わせたりテロをたくらむ悪徳企業など本家007のターゲットでもいいくらいですが潜入捜査にはゲームオタクの若者が適任とのシチュエーション。敵役もどこか漫画チック。子供時代のいじめの復讐に学校にウィルスを撒くと言うのも身近な恐怖を感じさせるでしょう、とんでもないことですが巧みなアレンジです。
武道に長けているのは「ベストキッド」の流れも伺えますし日本のポップカルチャーの影響も色濃くうかがえます、アクションを観る限り007系というよりトムクルーズのMI系に近いかもしれません、いずれにしても免許が取れないので公道でのカーチェースは無理、マウンテンバイクや馬での疾走と上手く工夫していました。
映画化にあたってはロマンスもお約束なのでしょう、同級生のサビーナまで巻き込んで怖い思いをさせてしまいました。結局のところMI6で役に立ったのはQのグッズくらいで大人たちは揃いもそろって役立たず、仇のヤッセンがアレックスを助けるのは敵ながらあっぱれな奴、度胸と才能に惚れ込んだのでしょう、おつな計らいですね。
アレックス・ペティファー君はご両親も俳優、6歳からCMモデルを務めた美少年、下心が透けて見えるおじさんエージェントよりよっぽど好感が持てますね、続編が絶たれたのは残念です。