パンズ・ラビリンスのレビュー・感想・評価
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美しくも残酷なおとぎ話
DVDで観たのだが、デル・トロ監督のオーディオコメンタリーが理解の助けになった。画面の色彩や細かな意匠、ワンカット風の場面転換などなど本当に細かいところまで神経が行き届いている。
ただラストの解釈は受け手側が受け取りたいように捉えていいのかなと思う。
それと、今(2018年)見てみると『シェイプ・オブ・ウォーター』にも通ずるものがちらほら見受けられた。
本筋とは関係ないが、"パン"には好色な印象があったので、途中でそちら方向へいってオフィリア、ニゲテーとならないかヒヤヒヤした。
子供のダークファンタジー×大人のリアル戦争
bookの指令をもとに異世界のミッションをこなすオフェリア、息子を産んで亡くなった母、冷徹な大尉の父、反乱分子のお手伝いメルセデス。
大木の地中に住む大ガマカエル、手に目玉を付けて追いかけてくる白い巨人、3匹のリアルフェアリー、小人のように動く木の根。
至近距離で子供だろうと構わず撃たれるし、殺害シーンのエグさはちょっと他では見れない。
雨の時は青く、オフェリアが異世界にいる時は緑色の色彩構成が新鮮、それゆえラストのオフェリアが死に際に王女として宮殿に迎え入れられたときのまばゆいばかりの金色の世界は、とてもキラキラしてて切な悲しいシーンだった。
衝撃がすごかった。
ずっと気になってた映画。
どのレビューを見ても「グロい」と書いてあるので、
この監督&ダークファンタジーということから、
出てくる妖精やら怪物やらがエグいのかと思ってたら、
生きてる人間がエグかった…
あの目玉の怪物もキツかったけど。
母親は、たとえ淋しいからといってもあの大尉を選んだのは間違いだったと思う。
そして大尉。
まわりの部下もドン引きするほどの独裁者。
残酷さ。残忍さ。
でも作品の中で、
ずっと父親の時計の事を気にしてる所からして、
自分も父親のようにならなければ、という
プレッシャーに押しつぶされてた感もあるなぁと思った。
父親のようになりたい、ならなきゃ、
その想いが間違った方向にいっていたような…
最後、息子には名前すら伝えないと言われていたけど、きっと彼にとっては、
戦で負けるよりもツライ事だろうな、と感じた。
なんか、救われない映画だった。
???
この映画は少女が見ていたのは現実逃避のための妄想かはたまた彼女にだけ見えるファンタジーなのかというのを問いたいのだと思いますが、その前にストーリーに?が多すぎ。
少女はなぜ虫にしか見えないものを妖精だと思ったのでしょう?少女はなせ母親想いなはずなのに言いつけが守れないのでしょう?スパイはなぜあんなにも馬鹿なのでしょう?御都合主義な展開も多々あり。少女が幼稚すぎて逆に大尉の方を応援してしまいました。結構退屈でした。
魔法の根よ パンがくれたの
【パンズ・ラビリンス:おすすめポイント】
1.オフェリア役イバナ・バケロのお茶目な行動とドキドキ感が最高!!!
2.「3つの試練」の各種生き物や色々ある不思議なシーンがいいなぁ!!
3.衝撃的なラストへの展開が凄すぎる!
【パンズ・ラビリンス:名言名セリフ】
1.オフェリア役イバナ・バケロの名言名セリフ
→「あなたは妖精? これが妖精よ」
→「魔法の根よ パンがくれたの」
2.Dr.フェレイロ役アレックス・アングロの名言名セリフ
→「何の疑問も抱かずにひたすら従うなんて、心のない人間にしかできないことだ」
3.メルセデス役マリベル・ベルドゥの名言名セリフ
→「あなたの名前さえ教えないわ」
ハラハラドキドキ&痛たたた!
1944年のスペインを舞台にした、ダークファンタジー。
ハラハラドキドキと、痛そうな映像満載。
俺は痛そうな映像苦手なので、あんまし…
ギレルモ・デル・トロの独特の世界観は必見だけど、個人的には、これまたあんまし好きでは無い世界観ですな…
とりあえず、義父の大尉の髪型がオードリー春日だった ( ̄m ̄*)
「現実」とは誰の為のものなのか
個性の強い単純なファンタジーなのかと思いきや、想像以上に重厚で、残酷で、美しい作品だった。ギレルモ監督、大変失礼いたしました!!
もちろん時代背景は、作り手が経験した時代の話ではないが、人物たちの思い、観客に訴えようとしているものは明確だ。辛い現実に抑圧され、夢を見ることでしか笑顔になれない主人公の姿は、現代のフィクションを楽しんでやまない私たちにも共通している。舞台を現代にせず、戦時中にした上(しかも忠実に再現)迷宮設定が入ってもほぼ違和感なく、むしろマッチしていた。
様々なシーンから、迷宮パートを現実とも、あるいはオフェリアの空想とも捉えることができるようにあえて、曖昧に見せるための監督の細かな工夫がより、映画の切なさを際立たせていた。夢を見て希望を抱くことは、いつの時代も変わらない、この世を生きる人間の特性であり、それこそ生きる上で大事なパワーになることを学んだ。
95点!
ダーク要素10割の映画
ダークファンタジーと謳われてはいるもののその中身はダークホラー要素しかない笑
有名すぎて、それを目当てに見る人もいると思うけど、手に目玉つけて追いかけてくる皮だけの怪物
あれは流石にきつかった
現実と夢の世界なら夢の世界を選んだ主人公の悲しさと寂しさのダブルパンチで、最後まで見たら気持ちがズーンと重たくなる救いようのあるようなないような作品です
3.8
ギレルモワールド満載ダークファンタジー
オープニングから引き込まれる
ただのファンタジーではなくおとぎ話が現実の世界、時代背景に組み込まれてる
グロさは一級品
ただのファンタジー好きには低評価となる可能性大
シェイプオブウォーター見る前に見てよかった
パンズラビリンスを視聴。 スペイン内戦を舞台にしたダークすぎるファ...
パンズラビリンスを視聴。
スペイン内戦を舞台にしたダークすぎるファンタジー。
ファンタジー色が強い作品かと思いきや、意外にも残酷な内戦も描写した2層構造の作品だった。
現実は救いがないしペールマンは出番少ない。
でも不思議と魅力的な作品。
現実が残酷であればあるほど、人は幻想に救いを求める。
果たしてオフェリアが見た地下世界は彼女の現実逃避の妄想なのか?
かつて存在した世界なのか?
その答えは見るものに委ねられるだろう。
二面性を持ったファンタジーという意味では次回作のシェイプ・オブ・ウォーターも近い構造を持った作品なのかもしれない。
薄幸な少女の美しさ
少女が見るおとぎ話は出てくるキャラクターも魅力的で引き込まれるし、
それと対比した独裁政治の悲惨な光景のコントラストも美しい。
少女の強さとか、大人になる恐れとか。
薄幸なほど美しく見えていく様とか。
なんだか観ていて、バルテュスの
絵画を思い出した。
ただ最後が、、、
お願いだからそうなるなよぉ〜と思っていた展開でがっかりした。
せっかく最後少女がおとぎ話を振り切って現実と対峙したのに、、、、あの勇気ある決断が台無しになるような最後だった。
あれが最後本当に少女が望んでたことなのかな。
おとぎ話は少女の願望なのに、なんか最後だけ可哀想だから誰かが後付けしたみたいな感じ。
結局、物語全てがおとぎ話みたいになって、過酷な現実からも目を逸らしてしまいそうになる。
そのつもりなのかもしれないけど。
ファンタジー?ダーク過ぎるでしょう⁉︎
今年度のアカデミー賞の呼び声高い「シェイプ・オブ・ウォーター」のギレルモ・デル・トロ監督の作品。
映画公開の前にこれは観ておかなくてはと思い鑑賞したが、ダークファンタジーと銘打ってはいても、ここまでとは…
結構なグロさと、残酷さに、ちょっと引いてしまう。
ものすごい残酷なシーンを寸止めにするカット割りは絶妙ではあるけど…
抑圧された世界からの解放をテーマに、独裁政権と戦うレジスタンスの話と、おとぎ話を信じる少女の話がシンクロしながら、物語は進む。
20世半ばの暗黒の時代と、やけにリアリティのある妖精達の姿が恐ろしくも美しく描かれ、この監督の世界観に深く引き込まれる。故に目を覆いたくなるような残酷なシーンが続いても、最期まで見続けられるのである。
なるほど、鬼才と呼ばれるのも納得である。
ファンタジーとはなにか
ファンタジーとは何か改めて考えさせる契機となった作品。血で血を洗う内戦さなかのスペイン。残酷な現実に生きる読書好きで夢見がちな少女が見ていたあの世界とはなんだったのだろうか。
メルヘンと呼ぶにはあまりにおどろおどろしいホラーのような地下世界。悪魔の化身のような守護神パンと、妖精と呼ぶには不快な案内役の巨大カマキリ。少女は石の欠片を拾ったことから地下世界の王家の女王であることを試すための3つの試練が与えられる。
試練の一つ目は木の根に住む不気味な巨大カエルから黄金のカギを奪うこと。2つ目は目玉を手のひらに埋めた怪物の目を逃れ宝を持ち帰ること。最後の試練は弟を生け贄に差し出すこと。
冒険と呼ぶにはあまりに現実的な残酷さをもつ空想世界。母を救うためにパンが教えた方法というのも、奇形の胎児のような木の根っこをミルクに沈め血を与えるというものだった。大尉である義父の日常的な殺戮、妊娠により血を流す母、現実の世界の残酷さを象徴するかのようなその世界は少女にとってどんな意味があったのだろう。
現実の宴では食べなかった裏で、同じ構図で並べられる宴の食べ物。口にしてはいけないという禁を破った少女はパンの怒りを買うことになる。義父に見つかり母の命を支えていた魔力は消え母は死に、反政府ゲリラを支援していた養母役のメルセデスとともに殺されかける。パンは最後のチャンスを与える。ゲリラの反撃によりメルセデスは助かるが少女の命は失われてしまうことになる。最後の最後、弟を差し出さなかったことで義父に射殺されてしまうのだ。しかし少女はその行動で地下世界の王女に迎えられる。
プロローグで血を吐いていた少女のシーンに繋がるエンディング。少女の判断は間違っていなかったというにはあまりにも残酷なエンディングではないか。現実は残酷でそれは彼女を結局殺してしまった。ファンタジーが現実を救うことはなかった。
改めて問う。ファンタジーとはなんだろうか。現実から逃げるための空想か。現実を変えるための希望か。ファンタジーの多くは後者の思想で描かれている。ファンタジーの主人公はいつも不幸だ。残酷で理不尽な世界に生きている。それでも純粋さを失わない主人公。現実に抗うように正しさを求め汚れなき魂で世界に立ち向かいその冒険がやがて現実の世界をも変えていく。
そういう希望に満ちたものがファンタジーの王道だったはずだ。残酷な現実を具現化したようなおどろおどろしい空想世界。それでも最後には魔王を倒すことで正義がもたらされる。そういう勇気を与えてくれる世界、それがファンタジーに期待されるものであり、そのカタルシスがあるからこその絶望であり、不幸だったはずだ。
でもこの映画はまったく違う。空想の世界では王女として認められた、そのラストシーンを見せられた視聴者は希望どころか絶望を突きつけられる。結局何も救われなかった、空想は妄想に過ぎなかったと。
でも実際のファンタジーとはこういうものなのかもしれない。空想は空想でそれは妄想に過ぎない。現実はなにも変わらない。現実はいつもと同じ残酷なもの。だからこそファンタジーという逃避が必要なのだと。
この物語の真相はわからない。少女は救われたのか。それとも無惨に死んでいったのか。ただ一つわかっていることは彼女にとってこの世界は残酷そのもので、そこから逃れようとして見た妄想は、彼女にとっては紛れもない現実の世界であったということ。そうであるならば、やはり彼女は救われたのだ。そのはずなのにこの絶望感はなんなのだ。
常に刺激的
戦争の残酷な現実と、ファンタジックでグロテスクで驚異的な幻想が隣り合いながら、物語が進行する。
全く違う表情を見せる複数の幻想のシーンが現実のシーンで挟み込まれており、さらにそれらとおとぎ話が響き合って、快い変化のリズムを味わえる。
その幻想のシーンは、ことごとく全てが魅力的で刺激的で最高だ。
泥、虫、ドロドロした物質、血のイメージなどなど・・・
さらに、木の洞、狭い入口、ベットの下等、狭い空間の不安感が巧みに組み込まれていて、効果的だ。
狭さは、彼女の空想、自分の内の世界という感覚ともつながっているかもしれない。
かと思えば現実の方でも、潜入、銃の抗争、拷問など、フルパワーの緊張が持続し、目が釘付けになる。
そしてそれらはただ刺激的なのではなく、センス良く発想・デザインされた、上質な刺激である。
悪役の軍の大尉は、自分の誇りのために他人の不幸を顧みない最悪な人格なのだが、だからこそ悲しい人であり、可哀そうにすら見える、味わい深い人物だ。
彼が一人で部屋にいる様子も描いていて、無言の表情やしぐさが彼の心情を想わせる。彼の成功を願う気持ちにはなれないし、共感もできないが、どこか愛せる余地があっておもしろい。
・・・幻想と書いたが、実際のところファンタジックな要素が少女の幻覚なのか、それとも現実の中に隠れて実在するものなのか分かりづらい。
大尉にパンが見えてなかったということはやはり妄想?でも少女が見ていないところでも妖精が動いていたりするし、「となりのトトロ」みたいに子供にしか見えない?
でも、そういう謎めいた不思議な感覚の中に漂うのも気持ちがいいので、分からないでいるのも良いように思う。
グロい化け物が出る病み映画
軍の大尉の元に育った娘が、不思議な世界に迷い込んでいく。怪しげな妖精パンと出会い、妖精の世界の王女に戻るべく試練をこなしていくが…
グロい、痛い、辛い、死ぬ、マイナス面しかないけども!!
グロい化け物みたさに最後までみてしまったけど、最後はオフェリア撃たれて、妄想の世界でハッピーエンド…なのか??何だこのバッドエンドは(笑)
ラスト「息子にはあなたの名前さえ教えないわ」と言われて撃たれる大佐をみて心が少しスカッとしたけど、全編通して負のオーラしかない。
病みたいときにあえて観るにはオススメなのかな(笑)
最高のダークファンタジー
ダークファンタジー、戦争物、が好きな方は是非ご覧あれ。
少女にとってそれはファンタジーの世界なのか、現実逃避の世界なのか。
ジャケットで損してるなぁと思っていたのですが(私は純粋にファンタジーだと思っていたので)、観終わった後だとこれがベストなのかも、と思わせてくれます。
意味不明。
何が言いたいのかわからない映画だった。辛い現実から逃れるために見た幻想ってのはわかるけど、ナイフで裂かれた唇を縫うシーンとか必要ないでしょ。そもそも試練って戦争と関係ないじゃん!
2つの物語を同時進行するから、期待しちゃった。2つの物語が何か関係してて、どんでん返しがあるのかと思ってたら無関係!!
いつ面白くなるのかなぁーと見てたら何もないまま終わった。何がアカデミー賞8部門受賞だよ。ポスターもファンタジーっぽいのにグロいし。詐欺じゃないか。
幻想的な要素とグロさを混ぜただけの映画。「うまいもん同士を混ぜたらうまくなるだろう」ってなんか、ジャイアンみたいな発想だな。なかなかに最悪な映画だったぞ。
全144件中、61~80件目を表示