ONCE ダブリンの街角でのレビュー・感想・評価
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低予算でもいい映画は作れる
「低予算でもいい映画は作れる」ということを証明した1本。また、主人公たちが歌を通じてやり取りする「自分の損得を考えずに、誰かを好きになる」というポジティブなメッセージを感じられる良作。
日本の映画界では「予算がないと面白い映画は作れない」と、恥ずかしげもなくのたまう方を時々見かけるが、それは一理あるとしても、そもそも、考え方の出発点として「予算がないと〜」と決めつけている人と、「限られた予算の中で、じゃあ、どうしたら面白い映画、いい映画が作れるだろうか」と考え抜く人では、作品の仕上がりに雲泥の差が出てしまうだろう。
ちなみに本作の製作費は、15万ドル。日本円にして1800万円だ。この数字、そしてこの作品のクオリティを前にして、「予算がないと〜」と反論できる日本の映画関係者はいるだろうか?
夢あふれるミュージシャンなはずなのになぜか現実の厳しさがひしひしと伝わってくる。
ミュージシャンという夢あふれるものを目指しているんだけどそう若くもない主人公が現実の厳しさの中で今後どうしていくべきなのかを迷いながらもたまたま出会った女性のおかげでその答えが見えつつあるという状況を淡々と少しドキュメンタリーに描いた作品なんだけどこの作品、本当に最後の最後まで現実感あふれる作品でラストは現実の厳しさを感じさせられるんだけど何故か嫌な気分ではない。これも人生なのだと受け入れなくてはいけないというのと映画くらいは上手くいけばいいのにという気持ちが戦うのが逆に気持ちよかったりもする(>_<)
関係ないけどこの主人公を演じているグレン・ハンサードはずっと「Dr.HOUSE」のヒュー・ローリーだと思っていた!!似てるよね(._.)
アイルランド版神田川?
珍しい(?)アイルランドのインディーズ作品なんですが、アメリカでも若者中心に共感を得て、評価が極めて高く、賞レースにも参戦するかも、という映画(音楽賞のみオスカーとりました)です。ギター片手にストリートで歌い続ける青年と若い女性のふれあい?と言ったらくさいですが、実にとってもくさい映画です。あらすじはこれ以上特になし!
音楽がすばらしく、二人の即興のデュエットなどは、思わず身を乗り出してしまうほど臨場感たっぷり。俳優はほぼ無名。撮影はホーム・ビデオ(だと思う)という低予算映画ですが、鑑賞後、とてもせつなく、そしてすがすがしい気持ちにさせてくれます。最近、白髪が増えて活力に乏しい中年親父におすすめ!
音楽は街角で育つ。
名画座にて。
2007年アカデミー歌曲賞を受賞した本作。
劇中で何度も歌われた"Falling Slowly"の旋律は、
確かに素晴らしく、胸に染みいるラブソング…でした。
舞台はアイルランドのダブリン。
ストリートミュージシャンの男と、チェコ移民の女。
私はラブストーリーというより、あるミュージシャンが
デビューを飾るまでの軌跡。みたいな感覚で観てました。
彼が彼女と出逢い、得たものは確かに大きかったでしょう。
元彼女?(ラストもよく分からん)への想いが断ち切れず、
失恋ソングのようなバラード曲が多い彼に、自身も夫と
上手くいかない女が惹かれ、歌詞とピアノ伴奏をつける。
そして生まれるハーモニーが独特の余韻を生みだして。。
いや~とにかくもう、歌がいいんですよね。
物語がどうのこうのとか、演技がどうのというよりも、
(俳優さんじゃないしねぇ^^;)歌を観なさい!みたいな。
ダブリンの街角で掃除機を引き摺って(爆)歩いてみたり、
休憩時間に楽器屋でピアノを演奏しているというような
素朴なリアル感が味わえて、気持ちがほのぼのとします。
ただなんというか、彼らの演技同様に話もボチボチで^^;
どうなるんだろうな~感が延々と続く上に、
ラストに至っては、アラっ!?という感じですので。。
あまり「ラブ」には期待しない方がいーかも。^^;
才能あるミュージシャンが世に出て売れるのは喜ばしい☆
でもそこまでにどんな苦労があったのか、どんな協力者が
いたのかなど、その軌跡を見られるのもまた良いものです。
アイルランドのバンド、ザ・フレイムスのフロントマン、
G・ハンサードが主人公の男を、同バンドの元ベーシスト、
J・カーニーが監督。というアットホームなつくりも納得。
中年なのに^^;少年少女みたいに初々しい二人のやりとりに
ちょっと懐かしい気恥かしさを覚えるような作品でした。。
(お父ちゃんも良かったなぁ。ああいう親でありたいと思う^^;)
音楽がめちゃくちゃいい!
音楽好きにはたまらない作品ではないでしょうか。
パンフレットにも書いてありましたが、
新しい形のミュージカルというか。
セリフを歌って踊って…というわけではないですが、
様々な場面で登場人物が歌を歌っているのですが、
そのときの気持ちと歌の歌詞がリンクしていて、
よく『目で演技をする』と言いますが、まさにこれは
『歌で演技をする』という感じですね。
それにしても、主役の方がめちゃめちゃ歌がうまい!
最初は冴えない人だなーと思っていた(笑)のですが、
だんだんと彼に対する見方が変わっていき、
最後には大好きになってました(笑)
あとで分かったのですが、本業がミュージシャンなんですね!
相手の女性も然り。
なーるほど!と納得してしまいました。
そしてばっちりサントラを購入しましたよ。
ストーリーとしては、単なるラブストーリーかと思いきや、
最後はお別れをしてしまうんですね。
それぞれ、元恋人や夫といった相手がいるのですが、
この二人の間にはまた違った愛情が芽生えるのですねー。
少しはがゆい気もしたけど、そういう人と出会えるのって
素晴しいなと思いました。
エンド・クレジットを見て驚く
この2人、名前無かったんだ!全く気づかず。普遍的なガイ・ミーツ・ガールの物語を狙ったのだろうか。
自らからんで出会い、割り切って姿を消す女の残酷さには男としてゾッとする(でも現実はそんなもんだ。リアル)が、ラストの彼女の窓の外への視線で救われる。デモテープが出来ただけで何がどうなるのか先は分からない。2人は離れたという事実だけ。だから苦い、でも後味の良さは格別だから不思議。
ちょっとしか出ないが、guyの親父や楽器屋の主人といったオッサンに味がある。濃い目ではないがアイリッシュの魅力がぷんぷん。そんな街でミュージカルする着想が面白い。ハンザードの熱唱(首が凄いことになってる)する唄はどれも良いが、特に"If You Want Me”と”Falling Slowly”のシーンは白眉。
元彼女を回想しながら唄うところはミュージック・クリップ風でもう一つ。残念。そんな編集は必要ないのに。
観た後で「ザ・コミットメンツ」のアウトスパンだった事を知り感慨深い。いい味のオッサンになったなあ(私も大して齢はかわらんが)
音楽の力
ピアノを買えない彼女がいつも練習させてもらっている楽器店で、始めてデュエットしたその時から、2人の心はぐっと近づいていったのです。
でも、お互いのことを好きなのに、それぞれに事情があって、ある所までしか近付けない2人。
音楽があるからこそ、苦しい生活にも耐えられる。音楽があるからこそ、夢を見続けていられる。
グラフトン・ストリートへ行って、彼の歌が聴いてみたいなぁ!
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