自虐の詩のレビュー・感想・評価
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ちゃぶ台返しよりも、この作品の凄さは後半部分にある。映画でも再現さ...
ちゃぶ台返しよりも、この作品の凄さは後半部分にある。映画でも再現されていてとても良かった。尺の都合ではあると思うけれど最重要キャラである熊本さんの話が少ないのが残念。ただエンディングの感じはすごく良かった。
自虐の詩 熊本さんという2つのワードで泣けてしまうので、こんなにも少ないアジャコングの演技も特別よくみえた。海原の月も名曲、泣けます。
原作は★5
幸せ
母親に捨てられ、父親は服役、中学の教材費も払えないほど貧しい生まれの幸江が「幸せ」を求める半生を描いています。
自虐的なコメディなので、確かに不幸感は和らぐのですが、和らぎ過ぎて幸江にはあまり同情が湧きません。熊本さんという悟りを開いているかのような素晴らしい友が居て、自分のために指を詰めてカタギになった男も居て、マスターからは熱烈にプロポーズされ、アパートのおばさんは母親のように親切で、幸江の頭の中では「貧乏=不幸」なのかも知れませんが、観ているこちらは結構幸せじゃないかと思ってしまいます。
幸江よりもイサオの過去や内面の変化をもっと具体的に描いて欲しかったです。前半のちゃぶ台も、イサオの真の人物像に繋がる訳でもなく、お金に困っていそうな割にご飯を粗末に扱う2人に違和感がありました。
それでも深い台詞はありました。
「女にはな、産まない、母親にはならないっちゅう決断をせんとならん時もある。それも立派な女の役目や。」
「幸や不幸はもういい。どちらにも等しく価値がある。」
不幸がなければ良い人間も作られないですよね。その証としての熊本さんのキャラが素晴らしかったです。
キャスティングが最強 パンチパーマのイサオが好きなキャラ過ぎて最高...
キャスティングが最強
パンチパーマのイサオが好きなキャラ過ぎて最高
ロン毛時代と性格が違い過ぎるし、
なんでゆきえを好きになったのかも気になるけど
そこら辺は無視して進んで行くんだね
ずうっと思い合える人
テレビ東京で放映した。貧乏だったり親の離婚だったり、周囲がいじめたり、ぐれてしまったり、そんな中でも味方が現れたりする。
片方が弱い時に片方が強かったり、そのお返しのような時が来たりする。映画の始めはどうなってしまうんだという破壊的な内容だったのに、続けて見ていくと粗暴なだけでは無かった交流もあったりする。もしかしたらどこまで悪くなっても諦めないでいてくれるだろうかという期待から無意識ながら相手に迷惑かけてしまうのかも知れない。主人公の父親が銀行強盗で逮捕されてしまった後に、手のひらを返すように逃げてしまう同級生たちの中で、一度裏切った同じ貧乏で蔑まれていた熊本さんだけが待っていてくれていた。だけど一度裏切っただろうと20発近くも主人公を殴る。殴った後で、もう気は済んだけどあなたはどうなの?されているままなのと言われて、主人公はやり返すが、それが極端ではあったが・・・。主人公のもう一人の因縁の相手は、街中もどつきまわしてしまっているが、主人公の命が危うくなると素顔を垣間見せる。世知辛い世の中で、主人公の因縁の男がぐれているのも、正義感の裏返しでぐれてしまっているのかも知れない。5円玉が小細工として大きな印象を与える。こういう話が出来るというのは、人生捨てたものではないという事でもある。大変だけど。
悲しみと喜びと
相混じる良い作品でした。
キャストが素晴らしい。
原作に忠実な脚本が良かった。
中谷美紀と阿部寛のキャストが最高。
阿部寛のロングヘアーと寡黙な演技、
不幸な役をやらせたら右に出る女優が
ない中谷美紀の好演は見る側をうならせる。
発展を遂げた日本には今時ない背景だが
原作者もこの出来には満足ではないでしょうか。
以外な好作品ではあるが全体的な虚無感や、
絶望的な流れが心に突き刺さり複雑な
感情が沸き起こる。
映画ってエンターテイメントだから
ギャグ的な要素が含まれてるては言え
中盤まではかなりブルーな気分になります。
最後のおちでやっと救われる。
そう言う意味ではしてやったりの堤作品。
来るだけ漫画の原作を見て
鑑賞することをお薦めします。
笑って泣きました
幸と不幸と笑いと涙がいい塩梅で入っている映画です。
テンポも良く、飽きずに観られましたし登場人物一人一人があまりに役にピッタリで、細かい描写も笑えたり、素晴らしかった。
幸せとは、不幸とは、愛情とは、そんな一言で括れない、幸せな自虐。
不幸の中にあったあたたかな人の繋がりや、幸江の人生観、イサオのヤクザの才能と血との葛藤、そんな自分が子供を残してもいいのかという戸惑い。
そんなことがナチュラルに笑いを交えて本当に大切なものは何か、価値があるってなにか、そんなことを考えさせられる映画でした。
私の大好きな映画です。
コメディー映画だから笑いだけだと思っていたら不覚にも泣いてしまった...
コメディー映画だから笑いだけだと思っていたら不覚にも泣いてしまった。
キャストが最高にいいですね。みんな絶妙すぎる。
ラーメン屋のマスターがすごいいい味だしてます。
でもクローズZEROではヤクザの組長役で出てきたからそのギャップが。笑
自分の周りにもイサオと幸江のような、なんでこんな人と付き合ってるんだろうって人いるけど、
それはその二人だけにしか分からないいろんな過去とか時間があってだからこそ一緒にいるんだろうなって思いました。
阿部寛と遠藤憲一
この二人は、、
連ドラで見たんです。
えーっと、パン屋さんでした。
有名な子役の本当の父が阿部さん、
養父が遠藤さんで、
子供を取り合うのですが、、
どっちが先の作品かわかりませんが、
この組み合わせはいいですね!
怖いのは女子生徒の設定で、
友達からビンタされるところ。
アパートのおばちゃんで、カルーセルマキさんが
ええ味を出してるんです!必見!
泣けも笑えもせず
非常に残念だった。
中谷美紀と阿部寛のキャラとビジュアルでグンと期待が上がるけど、弾けないまま終わってしまった。原作が4コマという事でエピソード一つずつが切れていてテンポがスゴく悪かった。中谷美紀が事故で過去を思い出すシーンは阿部寛との今までがフラッシュバックして今こうなったんですよ。と見せるのが普通だと思うんだけど、学生時代のエピソードが入ってきて「何でここ?」ととにかく乗れなかった。他にも何で最初の関係から今の関係になったのかもボンヤリしてるし、キャラが濃いのに活かしきれてないように思えて残念だった。堤幸彦監督作はあんまり僕には合わない。中島哲也監督だったら面白かった気がする。
決して笑う映画ではない
個人評価:40点
ポイント:[滅茶苦茶][個性的][役者魂]
この映画は、「笑いあり感動あり」ではないです!
じゃあ、どんな映画かって?
それはですね、「他人は他人、自分は自分」と感じさせてくれる映画でした
幸せも不幸も人それぞれですよね?
それを主人公の女性が苦節しながら見つけ出すストーリーになってます
また主人公夫婦の役者魂を感じました
今までは、演じた事がない様な破天荒なキャラクターをしっかり自分のものにしてました
映画の雰囲気的にも、わざとらしい演技が違和感にならなかったです
勿体ないです。
ある一点が気になって、面白さ半減でした。
映画としては、役者さんに救われている部分が大きいな、と思います。
阿部寛さん演じる『葉山イサオ』は、まるでサイレント映画を見ているかのような寡黙ぶりで、楽しませてもらいました。
中谷美紀さんも、実在する人物かと見紛うぐらいの、幸薄い『森田幸江』を披露してくれました。
素晴らしかったです。
物語は、ありきたりで普通です。
それでも、コメディパートから、少しずつ夫婦愛に流れて行く構成は自然でした。
しかし、どうしても気になった点が一つありました。
それは、『葉山イサオ』の惚れたキッカケが、描かれていない事です。
そこはハッキリと見せて欲しかったです。
そうでないと、『森田幸江』に『葉山イサオ』がどうして惹かれるのか、人柄なのか生い立ちなのか、どちらか解らず感情移入が出来なかったからです。
何でもかんでも説明する映画も嫌ですけれど、そこを説明すれば、その後の二人の情報は断片的な方が面白いと思うのです。
足りない部分は、視聴者の脳内補正に任せておけるはずです。
イサオの変貌も、『世間の厳しさに打ちのめされたんだろうな』なんて想像で、私は楽しんで見ていました。
役者さんが良い演技をしているだけに、勿体ないと思います。
笑いの中でもホロッとしたい方にオススメです。
ずっと手にしていたもの
みんな高く飛べない、登場人物たち。
いくら飛んでも、透明の低い天井に頭を打ちつける。
そんな限定された世界で、彼女は生きる。
毎日ちゃぶ台がぶっ飛ぶことも、どこか嬉しい。
どんな小さな家でも、自分の居場所がある、それだけでいい。
彼女は生死の境をさ迷ったとき何を感じたのだろうか?
母が腹の中でわが子を守り、出産するということ。
自分が母になって初めて、満たされた心、母の強い気持ちを知る。
産んでくれただけ、こんなにも在り難いことだったと・・・
母になる前は、どうか私を愛してください。
それが全てだった。
その満ち足りない欲求が、精神のバランスを少し崩していた。
閉塞感のある世界でも、手にしていた強さで生きていける。
堤幸彦監督、トリックのように
どこか不足している人物たちが不思議な笑いと共に描かれている。
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