「ヘンタイがもたらす受難。」アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
ヘンタイがもたらす受難。
特にこの御三方のファンというわけでもないせいか、
観る前から冷めた予感があったものの、見事に的中。
今作から醸し出されるキーワードってなんだろう。。
キモイ。不快。拷問。難解。受難。流血。色々ありそうだ。
そのどれもに当てはまる作品なんだけど、
ある意味これで、いい映画は俳優だけで決まらないことが
ハッキリするので^^;まぁ…それはそれでいい勉強になる。
これだけの面子を揃えれば、もっと大ヒットを狙えそうな
美的作品が作れたろうに、監督は真っ向から逆らってる。
…チャレンジャー!!(その精神、買わせていただきます)
ただ、どうもイマイチなのは(スイマセン、すぐダメ出しで^^;)
この監督自体が、何を描きたかったの?という迷いのような
どうもスッキリしない(脚本といい)演出に終始しているため、
その気持ち悪さまでもが中途半端…という勿体なさなのだ。
私はホラー映画が苦手なので観ないのだが…おそらく
ホラーを演出する人ほど潔いものはないだろうと思っている。
怖くなきゃ価値がないし、キモいだグロいだでなきゃ無意味。
何をどう見せるかにこだわっているからこそ、気持ち悪さも
そこはかとなく目を背けたくなる部分に突入できるはずだ。
しかしこの監督の場合(自分の奥さんを使っているせいか)
妖艶にいきたいのか、気持ち悪くいきたいのか分からない。
無意味…といえば、何であのヒトだけビキニでパンティ?
いや、確かにスタイルがいいのは分かるんだけど^^;
泥だらけ&傷だらけの原っぱで、彼女だけビキニ。って何?
いや、確かに男たちもむやみに脱いではいるが…。
場所もヘンだけど、恰好もヘン。気持ち悪さまでもがヘン。
イ・ビョンホンがその奥方とのラブシーンを、監督がしつこく
横で演出した時に(祖母や子供達もいて)この人はヘンタイ
なんじゃないか?と疑ったそうだが^^;確かにそれもありうる。
考えてみれば、苦痛や傷みこそが美しいのだ、という
ヘンタイならではの演出が、気高くも?描かれているが…。
で。何がいいたかったのか。…キリストの…受難??
謎が謎を呼ぶ最後まで痛いラスト。そしてやはり原っぱ内。
ジョシュといい、ビョンホンといい、今作がトラウマになるぞ。
ただ…台詞のないキムタクはいい感じだ♪静かでいいぞ。
(きっとこの映画が大勢の観客に受難を味わわせてくれます)