トランシルヴァニア
劇場公開日:2007年8月11日
解説
「ガッジョ・ディーロ」など自らのルーツである流浪の民ロマをテーマに描き続けてきたトニー・ガトリフ監督が、真実の愛を探してさまよう女性の旅を描き出した人間ドラマ。突然姿を消した恋人を追い、彼の故郷であるトランシルバニアを訪れたジンガリナ。しかし、再会した恋人に彼女への愛情は残っていなかった。失意のうちに再び旅に出た彼女の前に、謎めいた男チャンガロが現われ……。主演は「サラ、いつわりの祈り」のアーシア・アルジェント。
2006年製作/102分/フランス
原題:Transylvania
配給:日本スカイウェイ
スタッフ・キャスト
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2013年9月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ずいぶん前に一度見て、「なんだかなぁ」と。
男に振られて気の狂った女と、それを拾う男、っていう
なんかそんなべたべたなフランス映画だなぁと思ってあまり真剣に見てなかった。
主人公の女が、その時すごく苦手だった知り合いの女性に似てたのもあって
あまりいい印象のない映画だった。
ルーマニア旅行の想像の翼を広げるために再鑑賞。
いいのよ、これが。
トランシルヴァニアの景色の美しいこと。
情熱的なジプシーの音楽の素晴らしいこと。
フランス語、英語、ドイツ語、ロマ語、ルーマニア語、いくつもの言語が交わされる。
主人公の女のトチ狂った三白眼とか、
それを拾う男のがさつでナイーブな演技とか、
うんざりするぐらいねちっこくて、だけどそれがいい。
象徴的なシーンがいくつもある。
ぬかるんだ道で泥をかぶったフロントガラス、きかないワイパー、
開かない踏切、踏切の前に停めた車から降りて歩き出した女、
浅く雪の積もる道に舞う白い羽根。
シーツの海を潜った先に訪れる二つの結果、
車を飛ばして辿り着いたドアの先にある二つの結果。
寒村に住む老人が、金の指輪やシャンデリアをお金に換えるシーン。
金銭的なまずしさに胸が痛む。
だけど、金銭的な豊かさがないからこそ、あの美しい景色があるのでしょう。