劇場公開日 2007年11月3日

「二作目となると、辛口評価になってしまいます。でも、やっぱりいい映画です。」ALWAYS 続・三丁目の夕日 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5二作目となると、辛口評価になってしまいます。でも、やっぱりいい映画です。

2007年11月3日
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鑑賞方法:映画館

舞台は前回から一年後の昭和34年。建設中だった東京タワーも完成し、東京の空に聳え立っています。そんな三丁目の日常が再び帰って来ました。

始まりがいきなりゴジラ?です。と言っても、それは茶川(吉岡秀隆)の作品のようです。でも、茶川の作品と言うことはゴジラじゃないんですよね(笑)? 淳之介(須賀健太)に「それって、ゴジラじゃないですか。」と突っ込まれていたし。うーん、話に引き込む手法としては良いのかもしれませんが、この映画の雰囲気としてはちょっと違和感。

今回の主題は『恋』ですかね。茶川とヒロミ(小雪)、六子(堀北真希)と幼馴染の武雄(浅利陽介)、一平(小清水一揮)と美加(小池彩夢)と3組の恋が物語には織り込まれています。番外としては、嘗て愛した山本(上川隆也)と結ばれること無く、鈴木(堤真一)と結婚したトモエ(薬師丸ひろ子)もいますが。時代が昭和34年(1959年)なので、まだまだ時代背景には戦争が漂っています。この話も、戦争を理解しないと分からない話です。

今回も非常にいい仕上がりです。でも、うーん、やっぱり大ヒットした作品の二作目というのは、前回と比べられるだけ厳しいですね。しかも、『二作目は無い』と言い切っておきながらの二作目ですからね。前回もそうでしたが、今回はそれ以上にVFXを駆使して、首都高の無い日本橋や、街に聳え立つ東京タワー、東京駅、そして果ては、羽田空港から飛び立つ飛行機や、特急こだまなど、当時のものが再現されています。でも、特に羽田のシーンですが、VFXであることがちょっとはっきりし過ぎていますね。もう少し自然な処理は出来なかったのかなぁ。一方、特急こだまは結構自然です。鉄道マニアから借りたこだまの模型を使って走行シーンを撮影したらしいのですが、実物に見えます。これは、精巧で成功だと思います。それと、羽田から飛び立つのはDC-6なのですが、これのSEを録音するために、まだ現役で使われているアラスカまで行ってきたそうです。別に、他のレシプロ機の音を使っても問題は無いのですが、リアリティにこだわった、その心意気には関心です。

今回は何故だか、日本橋のシーンが多いです。夕日を見るのも日本橋だし。日本橋の上の首都高が無いと、あんなにいい景色なんですね。これは、石原都知事の日本橋再生プロジェクトへの援護射撃なのでしょうか?

ちょっと厳しいコメントも記しましたが、それも、この映画の仕上がりが良いからこそ。笑あり、涙あり。今回も、いい映画になっています。

勝手な評論家