ルワンダの涙
劇場公開日:2007年1月27日
解説
1994年にアフリカのルワンダ共和国で起こった民族大虐殺を、現場を目の当たりにした外国人たちの視点で捉えた社会派ドラマ。当時、現地を取材していたイギリス国営放送BBCの記者デビッド・ベルトンの体験を基に、「メンフィス・ベル」のマイケル・ケイトン=ジョーンズ監督がメガホンを取る。国連さえも目を背けた虐殺の真相と、極限状態の中で究極の選択を迫られる人々の姿を生々しく描き出す。出演はイギリスの名優ジョン・ハートほか。
2005年製作/115分/イギリス・ドイツ合作
原題:Shooting Dogs
配給:エイベックス・エンタテインメント
スタッフ・キャスト
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2021年9月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
似たような状況下ではあるけど、現地の言葉を知らないジョーがとった行動は「世界は知らない」理由からTV中継しようと考えるのだ。大統領が飛行機墜落、首相は暗殺、あちこちで虐殺が起こっている。ツチ族は“ゴキブリ”と蔑まれ、徹底的な人種差別。「ナチがユダヤ人に行ったことを覚えてるか?」という言葉が絶妙だった。
国連軍が学校内にいるため、民兵たちもうかつに手を出さない。しかし彼らは命令に忠実なため自衛のためにしか武器を使わないのだ。夥しい数の死体の悪臭。忍び寄る恐怖。途中、フランス軍がやってきたけど、フランス人を救出するだけ。そんな中、逃げ出そうとするツチ族たちはあっけなく民兵に虐殺・・・校外に出ても平気なのはジョーやクリストファー神父(ジョン・ハート)だけなのだ。まるでゾンビ映画のような撮り方・・・だけど、ルワンダ人目線で撮ってないのが難点。
白人TVレポーターのレイチェル(ニコラ・ウォーカー)の言葉は辛辣で、「ボスニアのときは殺された白人女性を母親だと思うとやりきれないけど、殺されるのが黒人だとただの黒人にしか思えない」。このことも影響してたのか、どうも感情移入できず、むしろドキュメンタリーを見ているような気分に。
国連軍と白人の引き揚げ・・・神父は最後にトラックでツチ族を連れて脱出するが、彼は殉死してしまう。マラソン好きの少女マリーは逃げる・・・ジョーに裏切られた気持ちになっていたけど、走る、走る・・・5年後にジョーを追いかけて再会。「死にたくなかった」と語るジョーは彼女と結ばれることはないだろうなぁ・・・恋愛的にはちょっと虚しい。マリーにとっては初恋のあっただけに・・・
映画本編では涙も出なかったのに、エンドロール前にエキストラ出演やスタッフの中に虐殺を免れたツチ族の方々の紹介。泣けた・・・特に、殺されなかったけどレイプされHIVに感染した女性とか。
原題の意味は、学校の周りを死体を漁る犬を撃とうとする国連軍に対して神父が嫌味を言ったこと。
この対立の根っこがやっぱりわからなくて、思わず調べてしまった。
結局、とっても簡単に言ってしまえば、ルワンダを占領していた西欧諸国が、その時々の都合でツチに権力を持たせたりフツに権力を持たせたりしていたことで、お互いの間のラインが色濃くなり、それぞれが被支配者であるときに募らせた憎しみが、大統領暗殺という事件をきっかけに、ジェノサイドという方向に噴出した……ということらしい。
きっかけを作ったのは、西欧諸国のご都合主義なのかもしれない。
そして、紛争時にもそれぞれの背後にアメリカとフランスがいたわけで。
ルワンダの人たちは何族だろうと被害者だよね……。
大学の授業内で鑑賞。
あまりにも残酷で悲惨なこの内容が本当に起こった大虐殺だとは…
正直自分からするとツチ族もフツ族も見た目の違いは無いように見えます。それが逆に虐殺をしている様子をより怖く感じさせた理由の1つになったのかもしれません。
ドキュメンタリーを観ているようなリアルさで非常に心に重くのしかかる内容でしたが、この作品を観れたことはとても良い経験になったと思います。
2015年8月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
もし私がフツ族だったら?
もし私がツチ族だったら?
もし私がルワンダに住む外国人だったら?
どうするのだろう?
どうやって生きていけばいいのだろう?
どうやって生死と向き合うのだろう?
しかし、これは遠いアフリカの地での出来事だけの話ではない。戦争になったら、もし日本が戦争になったら、私達はフツ族にもツチ族にもなり得る。
身体にも心にもナタをふりかざし、ふりかざされる。人間を信じられない狂人にさせる、それが戦争や紛争なんだ。