幸福な食卓
劇場公開日:2007年1月27日
解説
人気作家・瀬尾まいこの同名小説を原作に、ある家族の崩壊と再生を中学生の娘・佐和子の目を通して描く人間ドラマ。3年前に父親が自殺未遂してから、少しずつ家族の歯車が狂い出してきた中原家。兄は大学進学をやめて農業を、母は家を出て
1人暮らしを始めた。そして父は、家族全員が揃う朝食の席で“父をやめる”ことを宣言。そんな中、佐和子は転校生の男の子・大浦と親しくなるが……。主人公・佐和子に抜擢されたのは新人の北乃きい。
2006年製作/108分/日本
配給:松竹
スタッフ・キャスト
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2019年10月21日
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鑑賞方法:映画館
「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」といういきなりの切り出しで始まるほどユニークな設定。毎朝、家族4人揃って食卓を囲むという暗黙のルールがあった中原家だったが、3年前に父親(羽場裕一)がリストカットしたときから家族の歯車が狂ってしまった。母親(石田ゆり子)もそれを機会に家を出て一人暮らしをはじめていたのです。そして主人公佐和子(北乃きい)は転校生・大浦勉学(勝地涼)によって振り回されることに・・・
家族の崩壊から再生への道と言われてますが、実際には崩壊していないように思えました。心の病を持った父親を常に温かく見つめる兄と佐和子が描かれていたし、母親にしてもちょっと離れて遠くから見つめなおしていただけのこと。言葉や態度には示さないけど、お互いに尊重しあっている家族の絆がスクリーンの裏側に見えるような気がするのです。さらに、見守っている母親、別居という状況ではあっても様子を見に来たり食事を用意してくれたりする。この石田ゆり子はまるで家族の守護神のようでした。
食卓というタイトル通り、数々の料理が映し出されましたが、中でも印象に残るのはソバ炒めの生クリーム和えだったでしょうか。シュークリームも美味しそうに見えるものの、卵の殻入りでは営業停止になりかねません。そのシュークリームを差し入れしてくれた小林ヨシコ(さくら)という女性の存在も、単に兄の片想い相手という立場ではなく、しっかりと外から見守ってくれる家族予備軍のような雰囲気だった。彼女がいなければ家族の歯車に潤滑油を注ぐ者も見当たらないほどキーパーソンとなっていて、ストーリーを輝かせてくれたと思います。
生きていくうえで大切なものは何?と問いかけてくれるような映画でもあり、常に前向きに生きている登場人物たちがみな輝いているようにも感じました。佐和子にとっては辛い出来事もあったけど、しっかりと繋がっている人たちがいる。ぶっきらぼうではあってもしっかり意見して支えてくれる人たちもいる。内側へ内側へと現実から逃避する『僕妹』を観た後だけに、対極的でもあるプラス志向のこの作品に感動しました。
ちなみに切磋琢磨も臥薪嘗胆も書けません・・・勿論大学受験なんて無理です。だけど、教員免許更新制度だけは止めてもらいたい!履歴書に書くんだから!!
cf.『おいしい家族』の台詞と似てる
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家族と少女と青春の物語。
重い要素もあるし、とっつきにくい冒頭シーンなど
人を選ぶのかもしれないが、刺さる人には刺さる作品だと思う。
北乃きいは、まだ拙いものの完璧に役にハマっていて、見事な存在感。
「父さん、父さんを辞めようと思う。」で始まる冒頭。
変化球な話かと思うが、ちょっと真面目に見てみると
たくさんの人の、見えにくいけど深い愛情が琴線に触れるストレートな内容。
家族のために父親を辞める、別居する
というような一見矛盾した選択を何故するのか。
そこに共感できると刺さる。
食卓の形は何かあるごとに変わるけど、
それは彼らが前に進もうと試行錯誤した証であり、
食卓を囲む彼らの気持ちは、前からずっと変わっていない。
2015年11月5日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
とりあえずずっとシュールです。
ラストで、ミスチルのくるみが流れている中、
主人公の北乃きいが河川敷を歩くシーンがよかったです。
2015年3月1日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
普段あまり家族のことを考えないが、この映画を見て改めて家族はいいものだなあと感じた。ヨシコの佐和子に言った言葉で「家族はさ、作るのは大変だけどその分めったに無くならないからさ、あんたが努力しなくったってそう簡単に消えたりしないじゃん。だから安心して甘えたらいいと思う」というセリフがとても印象に残る。家族というものは、余計な事を言ったり、けんかしたりウザかったりするが、実は自分がとても悲劇に出会った時には甘えることのできる素晴らしいものであり、生きていくためにはとても必要なものだと思った。俳優陣がとても自然体で安心して見れた。中学生にもぜひ見せたい一作である。