手紙のレビュー・感想・評価
全95件中、1~20件目を表示
犯罪者家族の悲劇
原作を知らないで試写会で鑑賞。
犯罪者家族の悲惨な生活を描いている。
兄が弟の進学の為に強盗殺人をして捕まってしまう。
兄には弟との手紙を唯一の支えとしている。
リサイクル工事で働く弟は人目を避けながら、学校の友人とお笑いコンビを目指す。
お笑いコンビを目指すもSNSによって諦めさせられてしまう。
恋人も出来るが、結局、犯罪者家族という事で別れる事になる。
家電量販店に勤めるも犯罪者家族という事がバレ、倉庫勤務に。
兄への手紙を書かなくなった弟にリサイクル工事から想いを寄せている女性がワープロを打って代筆する。
そして結婚し、子供も出来る。
社宅に住む家族にまた犯罪者家族としての冷たい視線が。
そこで、その会社の会長に「差別の国を探すんじゃない。ここで生きていくんだ」と諭される。
意を決した弟は兄に最後の手紙を書く。ずっと差別を受けて生きて来て、「子供が出来て差別を受けようとしている。だか兄を捨てる」と。
弟は被害者の家にお詫びに行き、兄が毎月詫びの手紙を書いている事を知る。そこで「弟から縁を切る手紙を貰って、自分が許されない事をしている事に気がつき、最後の手紙にする」と。
被害者から「怒りは収まらないが、もういい、お互い長かった」と話しをされ、泣き崩れる弟。
お笑いでピンになった友人に刑務所の慰問に誘われる。兄が服役している刑務所でお笑いを披露する。「兄貴はスゲー馬鹿で、東名を透明と思ってる」など笑わせてるが、「だから俺の兄貴ですよ。これからもずっと、俺の兄貴だから…」とお笑いをする。その言葉に終始、泣き崩れる兄。
これでもか、これでもかと犯人者家族の不幸に負われる弟。切なくなります。
でも「俺の兄貴だから」で救われた気持ちになります。
それから原作も読みました。原作はお笑いではなくバンドのボーカルをして、家電量販店の会長に諭されて、家電量販店も辞めて逃げてしまいます。そして慰問。声が出ないで終わります。これでは救いようがない気がします。
映画は初めて観た時に涙が止まらなかったし、DVDを買って友人達に観せても感動します。何故、そんなにヒットしなかったか解りません。もっと評価されても良い気がします。
手紙の温かさ
今ではメールが主流で、手紙を書く機会も減ってしまったけれど、相手を思って文を綴り返事を待つ。返事が届いた時の嬉しさや温かな気持ち。この映画でも兄とのやりとりや、絶やすまいと由実子が繋いだ手紙、遺族への手紙。さまざまな場面で手紙が人と人を繋いでいる。兄にとっては生きる支えでもあったのではないかと感じました。
犯罪者の家族は差別を受け、生きる事も辛く実際には命を絶ってしまう家族もいる。
差別のない場所を探すんじゃない。君はここで生きていくんだ。会長の言葉はとても重みがあり、背中を押して貰える言葉でした。
困難から逃げたり、自分を差別する方を恨むのではなく、全て受け止めて一歩一歩積み重ねていく。
心に染みる深い映画でした。
罪は自分だけではなく家族や周りにも苦しみを一生背負っていくことになる事。こういった映画を、学校教育でも取り入れる事が出来たら犯罪も少なくなるのではないかと思いました。
やっぱり光ってる沢尻エリカ
20才の沢尻エリカが綺麗。 今は福山雅治夫人の吹石一恵も美しい。 風間杜夫、吹越満のベテランの演技が、 この映画に厚みを持たせたと思う。 直木賞候補にもなった原作の力も大きいと思う。
動画配信で映画「手紙 (東野圭吾)」を見た。
2006年製作/121分/日本
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
劇場公開日:2006年11月3日
山田孝之23才
玉山鉄二26才
沢尻エリカ20才
吹石一恵24才
田中要次
石井苗子
松澤一之
鷲尾真知子
山田スミ子
風間杜夫
吹越満
東野圭吾が大阪市生野区出身だとは知らなかった。
予備知識なしで見はじめる。
直貴(山田孝之)は人目を避けて暮らしている。
理由がある。
兄(玉山鉄二)が直貴の学費欲しさに空き巣に入り、
家人が帰宅して居直り強盗になってしまった。
はずみで家人は死亡。
兄は強盗殺人犯となった。
千葉刑務所に収監。
囚人の兄がいることが身バレするたびに、
数度にわたり引越しと転職を繰り返す。
好きな女性(吹石一恵)との結婚も破談になる。
勤務した電機店でも兄の存在が知られることになる。
また配置転換。
兄貴がいる限り、俺の人生はハズレ。そういうこと。
自暴自棄になる直貴を、絶望の底から救ったのは由美子(沢尻エリカ)だった。
20才の沢尻エリカが綺麗。
今は福山雅治夫人の吹石一恵も美しい。
風間杜夫、吹越満のベテランの演技が、
この映画に厚みを持たせたと思う。
直木賞候補にもなった原作の力も大きいと思う。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
犯罪者の身内は犯罪者なのか。 偽善が蔓延る現代に「差別は当然」と言...
良いところもあれば悪いところもある
差別の中で生きていく
手紙、大事やねんで、
命より大事な時あんねんで。ー由美子の言葉。
両親を亡くし、善人である筈な兄が殺人犯に。
どこかでちょっとずつズレを直せば、
こんな事起こらなかったのに。
空き巣に入ること自体思いとどまれば良かった
弟は、兄の件で仕事、恋愛、住居、駄目になる。
たった一人の兄だけど、縁を切りたいと思う。
今のネット社会も怖い。
妻や娘にも差別の目が。
犯罪者でもないのに、逃げまどう。
兄からの手紙を無視して、
代わりに由美子が返事してくれて、
兄は喜んで、
由美子は社長にも書いてくれて、
やっぱり、あの平野社長(杉浦直樹)の言葉を
信条にして行くしかないのかな。
犯罪者の家族というだけで、当人何もしていなくても差別される。それが現実。
辛く苦しいけれど、逃げずに生きていくしかない。
と、思えた直樹。
兄との再会できるかな。
付け足し:
🎀本作の沢尻エリカさん、容貌はもちろん、演技、役柄共にとても良くて、大好きになりました。🎀
玉山鉄二の印象を一生変えてしまった作品
人の命を奪う事の代償の大きさ…
優しさは強さでもあり脆さでもある
兄の剛志はあまりに不器用で脆い。剛志が犯した犯罪は凶悪ながらも不器用な脆さ、しかし弟への限りない優しさから。
主人公の直貴は一見強いが、彼の『日常』を支える環境はあまりにも脆い。それを痛感するからこその相方祐輔への優しさ。
兄は過去の行いに苦しんでいるが、弟は未来に希望が持てず苦しんでいる。ただ直貴の優しさはキチンと伝わっているがそれを自覚できる程、環境と人には恵まれなかった。
掴みかけた幸せも負の連鎖は続く。傍観者である自分は直貴には同情してしまうが、しかし実際なら自分が祐輔や由美子のように振舞えるかどうかも分からないし、朝美さんのお父さんのようになってしまわないとも限らない。
電気屋さんの会長が初めて彼にキチンと向き合ってくれた大人だったんじゃないかな。私も素敵な大人になりたいと強く思った。
あと、由美子は最高の女性だ。男はやはり女性に救われるし、強くもなれる。
直貴から剛志への最後の手紙は強さでもあり優しさでもあった。
吹越満さん演じる遺族の最後の言葉、祐輔との最後の漫才、初めて自分から掴みに行った希望ではなかったか。そして自分の強さを自覚できたのではなかったか。
余談だが、沢尻エリカさんはこんなに素敵な女性を演じられるのに実際はあんなに怖いところがあるのがビックリした。女優さんって凄いな。
「長かったな…お互い…」
受刑者やその家族をとりまく人間関係
<映画のことば>
君はもう始めているじゃないか。
少なくとも、この手紙の主とは心が繋がっている。
あとは、その糸を2本、3本と増やしていけばいい。
警察官の捜査に基づく検察官の訴追を受けて、裁判官は刑を言い渡し、懲役に処された被告人は、その時点で身柄を司法から行政に引き渡され、刑務官の監視の下で受刑者として服役する―。法律上の手続はそれでお終いですが、受刑者やその家族をとりまく人間関係は、それで完結するわけでは、けっしてありません。
本作は、受刑者の家族の視座から物語を紡ぎます。
出所者が水産加工場へ再就職することが多いためか、評論子が鑑賞当時に住んでいた街では、民間ボランティア(更生保護女性会)の活動も活発でした。受刑者本人の更生だけでなく、その家族の生活再建にも、人と人との繋がりが欠かせないことを、本作は鮮やかに映し出します。
お正月に観るにふさわしい、心温まる一本でもあると思います。評論子は。
加害者家族
大号泣
夜中に1人で大号泣した。
東野圭吾はやはり感動する。
兄が弟のためにお金を盗もうとしたが誤って人を殺してしまった。
兄弟の絆が深い
殺人鬼の弟として周りからは煙たがれ、職や居住を転々とする。
兄弟二人ともかわいそう。
ラストはすっきり?して良かった。
全95件中、1~20件目を表示