「黒澤映画のベスト3くらい」赤ひげ kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
黒澤映画のベスト3くらい
貧困と無知との戦い。全ての病気に対して治療法はない!と断言する新出去定。病気の影には政治が絡んでいるとのことだ。終始、貧乏人の味方である人情医師赤ひげだ。
3時間にもわたる長い作品ではあるけれど、前半2時間、後半1時間と雰囲気が全く違うところがいい。前半では山崎努と桑野みゆきのエピソードが凄い。陰影を上手く使った照明技術で頬のこけ方が怖いくらい。逆に後半の中心になる置屋の12歳の娘二木てるみに当たるキャッチライトが野性味を醸し出し、全体的に照明技術が印象的でもあった。
子ネズミ長次の似たようなエピソードは今ではあちこちで使われてるけど、みなこの映画を参考にしているのかもしれないなぁ。
「後悔するぞ」とか、印象に残る台詞は人によって違うと思うけど、幼い娘が犯されるなどの事件を聞くたびに「よくあることだ」と言い捨てる赤ひげが印象的だった。江戸時代ってのは日常茶飯事だったのだろうか。
コメントする