赤ひげ

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劇場公開日:

解説・あらすじ

原作は山本周五郎の「赤ひげ診療譚」。江戸時代の小石川養生所を舞台に、そこを訪れる庶民の人生模様と通称赤ひげと呼ばれる所長と青年医師の心の交流を描く。長崎で医学を学んだ青年保本は、医師見習いとして小石川養生所に住み込む。養生所の貧乏臭さやひげを生やした無骨な所長赤ひげに反発する保本は、養生所の禁を犯して破門されることすら望んでいた。しかし、赤ひげの診断と医療技術の確かさに触れ、また彼を頼る貧乏人に黙々と治療を施すその姿に次第に心を動かされていった……。

1965年製作/185分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1965年4月3日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第26回 ベネチア国際映画祭(1965年)

受賞

ボルピ杯(最優秀男優賞) 三船敏郎
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映画レビュー

4.5赤ひげ先生は立派な本物の医者

2025年3月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 録画を視聴。
 赤ひげ先生(三船敏郎)のアクションシーンが終わって 残り約1時間のところで、そこで終わっても決して不自然ではないが「~休憩~」!
 黒澤明監督は、人の生理現象のことを考慮している。
 休憩後は、主人公の青年(加山雄三)の成長物語の締めに ふさわしいエピソードが待っている。

 江戸時代なんてのは、ほとんど想像の世界である。キューブリック監督が「2001年宇宙の旅」(1968年公開)で "地球よりはるかに大きい宇宙空間を移動する未来"(という想像の世界)を舞台にし メッセージ性の強い映画を製作したように、黒澤明監督は 現実ではない場所ゆえに 伝えたいメッセージを存分に込めることが できたのだろう。

 現代の ほとんどの病院は、患者イコール顧客で、商売と なんら変わらないシステムを採用してるため、患者が いなくなったり薬が売れなくなると倒産してしまう。
 赤ひげ先生は 商人ではない立派な本物の医者だ。そんなことを考えさせられた。

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どん・Giovanni

4.5おとよ🥲

2025年3月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

山本周五郎の小説「赤ひげ診療譚」をもとにした黒澤明監督作品。加山雄三に似てるなと思ったら、加山雄三だった。
お仕着せがましいのお仕着せ。押し着せではない。勉強になった。
江戸中期に幕府が運営する無料診療所ができた。目安箱に投書した漢方医小川笙船が赤ひげ先生のモデル。小石川養生所に隣接して小石川御薬園の看板が。小石川植物園の前身。
おとよ役の二木てるみさん。
まるで夜行性動物のような目付きが穏やかな目にかわってゆく。12歳ぐらいの子役かと思ったら、当時すでに16歳だったようだが、それでも素晴らしい。
親身になる保本がおとよに好意を抱かれるのは危険でもあるが、うまく長坊の話につないで、涙を誘う。女郎屋の女将の杉村春子の憎々しい役の演技もさすが。

小石川は文京区。
日本医師会も文京区。
赤ひげ先生は架空の人物なのに、あたかも現存しているかのようにうまいこと宣伝に使われているような。 大塚にある強精剤専門のあ◯ひげ薬局のほうが庶民には親しみが😎
3時間の長編で休憩が挟まれるのも、前立腺肥大に優しい。

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カールⅢ世

5.02025年元旦に観る映画をどうしようかと悩んでいた所「そういやまだ...

2025年1月1日
iPhoneアプリから投稿

2025年元旦に観る映画をどうしようかと悩んでいた所「そういやまだ赤ひげ観てなかったな」と軽い気持ちで鑑賞してみたら、「なぜ黒澤作品中この映画だけ素通りしてきたんだ」と後悔する程に素晴らしい映画だった。
丁寧な物語の流れ、無駄なく見せたいポイントを的確に切り取るカメラアングル、音楽、そして役者陣全員の芝居。
何もかもが素晴らしい、他に表現する言葉が出てこない。本当に観て良かった。
自分の中でのマイベスト1位は「七人の侍」だったが、同率1位です。

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Mk.plass

5.0人間とは、生きるとは、死ぬとは。

2024年12月3日
PCから投稿

絶望もあるが希望も勇気もある。
いつ観ても「上手いな」と感心する。

実際 物語の中に入り込み
実際 その時代で生き
実際 見聞きした
彼らの人生、と思うほど

演技、風景、照明、
キャメラ位置、
音楽の入れ方など、
その場の雰囲気、
空気や風を感じられる。

人間の居る映画は珍しく
死ぬ前に観たい映画のひとつ。

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星組