未知への飛行

劇場公開日:

解説

コンピュータの故障によって誤った指令を受けた米軍爆撃機がソ連へ侵入。制限地点(フェイル・セイフ)を越えた爆撃機は帰還命令を拒否し、米ソの追撃機も振り切って、ついにモスクワに水爆を投下してしまう。やがてアメリカ大統領は苦渋の決断をすることに……。社会派シドニー・ルメット監督が世界壊滅の危機を描いたポリティカル・サスペンスの力作。大統領執務室や軍の司令部といった密室で繰り広げられる会話劇が緊張を生む。

1964年製作/112分/アメリカ
原題:Fail-Safe
劇場公開日:1982年6月26日

スタッフ・キャスト

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映画レビュー

5.0世界の終末か

2022年10月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

システムの故障でアメリカの爆撃機がモスクワに核攻撃をするために向かう。
連絡しても信じてもらえない。
大統領(ヘンリー・フォンダ)はソ連の議長とホットラインで話し合い、協力してこの爆撃機を撃墜しようとするが、うまくいかない。
全面核戦争を避けるため、大統領はある決意を議長に伝えるのだが・・・。
古さを感じさせない現状が怖い。

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いやよセブン

4.0まさに衝撃の結末

2020年12月18日
iPhoneアプリから投稿

推す。
まさに衝撃の結末。
ブルータスで西川美和も推していた。
キューブリック「博士の異常な愛情」の正調版、と言うか。
序盤ダレるがそこは我慢。
シドニールメット、好きだ。

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きねまっきい

5.0フェイルセーフ

2020年10月21日
iPhoneアプリから投稿

怖い

知的

難しい

なぜこの言葉が一般的にならないのか非常に残念に思います
車なら、走行中に故障してもエンジンが停止する方向へ促す壊れ方をしているらしいし飛行機では滑空出来るような壊れ方にしているらしい
常に完全では無い、機械やシステムは壊れるものと思ってその壊れ方までを考慮して作らなければならないという事らしいです

この作品はとても素晴らしいものだと思います
軍事システムの誤作動で第三次大戦が起こりかねない危機までまねく、その時指導者達はどのような方法で食い止めて行くのか
古い作品ではありますが今の世も、そしてこれからの未来も誤作動はあるはず、そんな時彼らはどう対処するのでしょう
米国の今の彼にこれほどの決断が出来るのでしょうか
真っ先にボタンを押してしまいかねないのでは
自然災害だけでも地球は窮地にある中であらゆるシステムの誤作動をどう対処すればいいのか
原発もそうだしネット社会もコンピュータや電気に頼りすぎているように思えて仕方ありません。
立ち止まって考える時間を作るために新型コロナウィルスがこの世にやって来たのかも知れない

もっとこの作品が人々に知られれば少しは変わるのかも
そんなふうに思います。
また一つ、大切な作品と出会えました。

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カルヴェロ

4.5核の脅威と極限状態の人類の選択を描く映画

2020年7月23日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

「名作映画」として名前が挙げられていたのを見掛けて鑑賞しました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コンピューターの故障により「モスクワに水爆を投下する」という誤った指令を受け取った米軍爆撃機。全面核戦争を回避するためにモスクワに到達するまでの間に繰り広げられるアメリカ政府の行動を描く作品。
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全く内容を知らない状態で観たのですが、鑑賞中、ストーリーが「博士の異常な愛情」と似てるな~とずっと思ってました。DVDの特典映像を観てみると、あまりに似すぎているので「博士の異常な愛情」サイドから訴訟を起こされたという話も出てきて、「やっぱりな」という感じ。両作品の比較映像とかも観られるので、特典映像は必見です。

「通信断絶された核爆弾搭載の戦闘機がロシア(ソ連)に向かうのを何とか阻止しようとする話」という大本のストーリーは全く同じなのですが、その事案がどのように起きてしまったか・どのように止めるか・最後に取る決断など、2つの作品には違いが多くあり、シチュエーションが同じだけで全くの別映画のように感じました。

「博士の異常な愛情」はコミカルに、「未知への飛行」はシリアスに核の脅威を描いています。

衝撃的だったのはラストシーン。ネタバレになるので詳細は伏せますが、グロなどの直接的な表現を使わずに核の恐ろしさを最大限描ききった最高のシーンだと思います。

藤子F不二雄先生の短編作品である「ある日……」という漫画でも、似たような脅威が描かれています。

「『ある日』は突然やってくる。「伏線」など張るひまもなく。説得力のある「破壊」などあるものか。ある日がいつくるか・・・・・・今日にも・・・・・・」プツン

個人的には「12人の怒れる男」にも出演していた大好きな俳優「ヘンリー・フォンダ」が極限状態で選択を迫られる大統領の役を熱演しているのもポイントが高いですね。

「博士の異常な愛情」では緊急事態に慌てふためく大統領が描かれていましたが、今作の大統領は常に冷静で周りへの配慮を忘れない紳士として描かれていました。そんな今作の大統領が、ラストでどのような決断を下すのか。ここがこの作品の一番の見所ではないでしょうか。

核の脅威を知る日本人だからこそ感じることがあるかと思います。多くの人に観て欲しい名作でした。オススメです!

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といぼ:レビューが長い人
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