「【ベルリンの守護天使ダミエルの、”堕天使”を覚悟しての純粋な人間の女性との恋物語を、モノクロームとカラーを絶妙に絡ませて描き出したヴィム・ヴェンダース監督の数ある傑作の逸品である作品。】」ベルリン・天使の詩 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【ベルリンの守護天使ダミエルの、”堕天使”を覚悟しての純粋な人間の女性との恋物語を、モノクロームとカラーを絶妙に絡ませて描き出したヴィム・ヴェンダース監督の数ある傑作の逸品である作品。】
ー ベルリンの守護天使、ダミエル(ブルーノ・ガンツ)と親友の謹厳真摯なカミエル(名優と言われたドイツ俳優オットー・ザンダー)。
彼らは、ベルリンで暮らす人々の姿を廃墟の上から見守っている・・。ー
・今作は、彼ら二人の天使と下界の人々との交流(主に、ダミエルからの視点で)、モノクロームを主としながらも、時にカラー映像を絶妙に絡ませて描き出した作品である。
・守護天使ダミエルが恋したサーカスの空中ブランコ乗りの美女マリオンをソルヴェイグ・ドマルタン:今作が映画初出演、が魅力的に演じている。
・更に印象的だったのは、ダミエルとカミエルに手を差し伸べる、元天使で現在は映画スターの”ピーター・フォーク”を演じるピーター・フォークの姿。
彼は、今や人間なので二人の姿は見えないのだが、気配を察し特にダニエルに話しかける・・。
”人間になりなよ・・・”と。
・人間に恋してしまったら、天使は”死ぬ”のに、ダニエルは空中ブランコ乗りの美女マリオンに魅入られ、重い決断をする・・・。
・目覚めたダニエルが目にしたベルリンの風景は、見慣れてはいたが、それはそれは色鮮やかで・・。
珈琲の味と香りも素晴らしく感じる中、ベルリンの市中で、マリオンを探すダニエルの姿。
<”NICK CAVE&THE BAD SEEDS”の”FROM HER TO ETERNITY”が流れるコンサートで、漸く巡り合ったダニエルとマリオン・・。
学生時代に、人間の恋って矢張り、素晴らしいなあ・・、と思って観入った作品。
貧乏学生だったが、当時あった名画座で2度観た記憶がある。その後、何度も別媒体で鑑賞した作品である。>
<1988年4月 劇場にて鑑賞>