劇場公開日 2022年1月21日

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ブルジョワジーの秘かな愉しみのレビュー・感想・評価

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4.0プロレタリアートの秘かな愉しみ

2024年11月3日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ルイス・ブニュエル監督作品、キネ旬ベスト1974年度6位
少し前に『自由の幻想』見て「面白い」と感じてから、もっとブニュエル作品を見たくなって購入しましたが、本作はまず「難しいぃ~」というのが鑑賞直後の感想ですかね。
というか「私ごときがブニュエル作品を語ること自体がおこがましいにも程がある」って気になってしまいましたよ(苦笑)
でも分らないと思いながらもつまらないと感じる事もなく、この辺りが私の限界点なのかなぁ~って思いながら見ていました。
しかし、これがフランス流のユーモアなんでしょうかね?大笑いするでもなく、だからと言って真剣に受けとめるのも野暮な様な気にもさせるしで、庶民にとっては分かり難い部類の作品だと思います。
まあ、タイトルからして“ブルジョワジー”の物語ですから、対極である無産階級の私が分かり難いのは当然なのかも知れませんね。

ここまで書き進んでふと思ったのが、今までSNSで何百回も言ってきた私が映画好きになった入り口であるアメリカンニューシネマと本作が同時代の作品であった事と、あの十代の私でも理解出来たニューシネマのメッセージと本作のメッセージとは何が違うのかって事です。そう考えると別の視点で色々なものが見えてきそうな気がしました。
本作で何度か挿入されるシーンで、主人公達男女三組が何故か歩いている一本道がアメリカンニューシネマのロードムービーのシーンと重ね合わさり、ひょっとすると似た様なメッセージが含まれているのかも知れないという(ブニュエルがアメリカンニューシネマを意識していたのがどうかは不明ですが)要するに、逆視点からの社会(有産階級)批判は確実に描かれていて、更に人間考察へのもっと深い部分にまで及んでいたのかも知れないという気がしてきます。
そこに着目すると、私が最近になってブニュエルが気になり始めた理由が何となく見えて来たような気がします。

ここから少し本作から脱線した話になりますが、10代の頃ニューシネマなどに傾倒し自分の社会の中でのポジションの様なものが薄っすらと見えて来て、自分の能力や性格なども考えると、恐らく一生うだつの上がらない労働者階級の中の底辺で生きなければならないのだろうという未来予想が出来上がっていましたが、戦後の日本ではどんな階層であっても、贅沢をせずに酒・煙草・ギャンブル等々の中毒性のある身を亡ぼす恐れのあるモノから遠ざかり堅実に労働力を提供していれれば、衣食住は何とかなるし適度に趣味も持てる位の暮らしが可能な事も分かっていました。
そしてそういう暮らしを続けながらこの歳になり、他のSNSにて他人から見ればとんでもなくショボくしょうもないDVD購入の自己満足話を長文で書いたりと、こういう自分を俯瞰して見ると、この映画に出てくるブルジョワ連中の滑稽なグルメ話とスケール感は全く違えど、結局同じ人種じゃないかと思えるような愉しみ方をしている事に驚いてしまうのですよ。言うなれば“プロレタリアートの秘かな愉しみ”なのでしょう。
そう考えると、この映画の滑稽さがまさに自分に跳ね返ってくるようで、どんな時代のどんな階層の人間であろうと、人間の持つ本質というのはそんなに変わるものではないと、ブニュエルは薄笑いしながら私に向けて言ってるような気がしましたね。

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シューテツ

3.5ブルジョアたちのお人柄について…

2024年2月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

<食べること>がいつも彼らのアタマにある。富裕層に支えられてきたフランスの食文化を感じる。
また彼らは、なかなか上品でおっとりした人柄に思われる(大使はしたたかだけれど)。意外に憎めない。

一方で、思慮が浅く、というか、何も考えていない。得体が知れぬ不安はあるのだがそれについて考えることもしない。
彼らは、浅はかにも大使に巻き込まれている。また例えば、窮地に立っているレストランになど関心を持たない。悲惨なこども時代を送った兵士の話も軽く聞き流すのみ。まわりに不幸な人生があること、社会が揺れ動いていることなど、お構いなしだ。
神父もあの調子で宗教など役に立たないらしい。それに比べ軍人たちや警官らは、現実に直面している人たちとして描かれているようだ。

脳天気な会食の雰囲気と、現実的な厳しい世界が交錯して、ちぐはぐ感半端ないおかしさがあった。

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あま・おと

4.0ブルジョア嫌い

2023年4月28日
Androidアプリから投稿

フランスを舞台にした
駐仏ミランダ共和国(中南米の架空の国)大使
ドン・ラファエル・アコスタ(レイ)とその友人たちの物語
特権意識やナルシストぶりが窺える

彼等の愚かさを観察し列挙するブニュエル

合間合間に夢の話や回想がでてくる

偽善者である彼等は浮気や特権活用の麻薬密輸をしながら
庶民の視線を怖れ
無知やプライドのせいで揉め事を起こしてしまったり、
悪事の発覚という悪夢(→殺害する/される)にさいなまれる
革命も怖い

とりあえず兵士には親密に振る舞いマリファナを共に楽しむ
(兵士の回想や夢には幽霊が現れる)
ブルジョア出身らしい司教をアゴで使い、彼は下層民を救済しない
テロリストとは意思疎通は不可能
で、先に拉致

セイリグが好きなので観ていたけれど
女主人タイプのステファーヌ・オードランが面白かった
二人とも背中が開いてるドレスを着用していて
セイリグの大きくあいた背中を見ながら
セヴリーヌを思い出したりする

熟女の肩甲骨まわりって結構魅力的

オードランの方は開きが少なく(肩甲骨も見えない)
両者の違いを表しているようだった
もうひとりの女性はヒッピー世代だし
ここでブルジョアたちを個別に揶揄しているようなのに
気がついた

セイリグが変な動物の(死体みたいな)毛皮を
首に巻いているのが可笑しかった(犬?)

ブルジョア嫌いのブニュエルの映画

悪夢にさいなまれながら陳腐な狭い価値観を持ち
突き進むブルジョアたちを
嘲笑うように自由奔放に表現しまくる監督
いつもつるんでいるのは共犯関係もあるけど
お互いを監視しあっているのかも

色々遊びがありそう…理解出来てないけど
彼の映画を全部見たら、もう少しわかるだろうか

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jarinkochie

4.0現実も夢も大差ない、空虚な時間の連続性

2023年3月26日
iPhoneアプリから投稿

202303 444
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「夢をうまくやるのはブニュエルくらいだ。ベルイマンでさえ成功しているとは言えない」ーーミヒャエル・ハネケ

大きな環境音によって台詞が度々掻き消される演出が印象的。聞こえないところで何ら気にならない。
展開が荒唐無稽だろうが暴力的だろうが、それが夢だろうが現実だろうが気にならない。(どちらかと言えば夢の中のモチーフになら、たまにハッとさせられる。)
登場人物達自身も気にする素振りがなく、彼らにとっても鑑賞者にとっても、ただ空虚な時間が過ぎていく。感情を終始支配するのは唯一、そろそろ食事をさせてくれ、ということだけ。
ブニュエルなりのアイロニカルなテーマ表現ということか。

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HAPICO

4.0【暇だと妄想の時間が長くなる】

2022年2月3日
iPhoneアプリから投稿

“ブルジョワジー”とタイトルにあるものの、これは僕たちの変わらぬ世界に対する最大の皮肉のように思える。

この映画が制作された当時より、今の世界は豊かになったのかもしれない。

そして、多くの人が、教養もないくせにブルジョワ気取りだったりする。

教養とは言い難い意味のない会話を意味ありげに楽しんでいるように振る舞い、一方では、騒ぎ立てたり、何の結論も解決策も示さない。

その都度設定される目的は、性欲を満たすことと食事だ。

「食欲」と「性欲」は、人間の三欲のうち、議論の余地なく選ばれる二つの欲求だ(※ 人間の三欲という場合、生きるのに必要な分を大きく超えて欲するものを云うのであって、残りの一つは、本来は権力欲のはずだが、睡眠欲だという人もいる)。

人間は欲求に付き従うだけなく生きることが出来る生物のはずだ。

僕たちは、このブルジョワジーと同様に、周りが茫漠としたかわり映えのない風景のなかを、道標もなく、ただただ歩くのみなのだろうか。

ルイス・ブニュエルは、コメディにして笑って楽しんでいるように思える。

夢と現実が、境目が曖昧なまま繰り返される。

妄想のなかでは、何が正しいのか、意味のあることなのか、ないのか曖昧なまま放置されて、過ちは繰り返される。

僕たちの世界そのものだ。

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ワンコ

1.0フランス映画はしばらく見ない

2015年4月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

二日酔いにフランス映画はきつい。全く面白さがわからなかった。自分にはまだ早いのかもしれない。から、しばらくフランス映画は見ないようにする

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yo_cga